日本でも味わえる!シュパーゲル(白アスパラ)の産地へ
春といえば?はい、シュパーゲル(白アスパラガス)の季節ですね!今年は日本でも楽しみたいという思いが募り、九州のアスパラ農家さんを訪ねました。日独のアスパラ事情の違いにびっくり。驚きの栽培方法とは?
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みなさんこんにちは。
ドイツで新鮮なシュパーゲルのおいしさに感動してからというもの、シュパ活(白アスパラガスを愛でて有り難く味わう活動)が毎年恒例のライフワークというか生きる力となっているライター坪井(ただいま日本)です。
シュパーゲル愛炸裂の記事はこちら
>>>ドイツが熱狂!野菜の王様シュパーゲル
シュパーゲルといえばドイツが誇る春野菜の王様ですが、最近は日本でもじわじわ人気が広まっているようす。今春はちょうど日本にいるので、ぜひ日本産の白アスパラを味わってみたい!
しかし、都会のデパートや大きなスーパーなどでは出回っているようですが、私の周りではまず見当たりません。通販の品物もちょっと手が出ないお値段……。
そんな時、産直販売サイトでみつけたのが、佐賀県のアスパラ農家Aさん。
送料込みでもお手頃価格だったのですが、メールで色々とお話をうかがっているうちに、実際に育っている畑をこの目で見てみたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。調べてみるとかなりアクセスが難しく、6時間ほどかかりそうなので日帰りは無理。だけど今行かないと後悔すると思い、何かに突き動かされるようにアスパラの旅に出ることにしたのでした。
まず長崎入りし、JR長崎本線を乗りついで佐賀のみやき町へ向かいます。
無人の最寄り駅にはタクシーが見当たらずに歩いて向かうことにしたのですが、GoogleMapが示した場所に行ってみるとそれらしき畑は無く(辺り一面が畑なので住所があってないようなものなのかもしれません)、村の人やお巡りさん(白アスパラのために来たといったら驚かれました)に尋ねながらなんとかたどり着くことができました。
迎えてくださったAさんご夫妻は、メールから感じていたとおりの温かいお人柄でした。遠くからやってきて鼻息荒く白アスパラ愛を語る私はまあまあの変人だったと思うのですが、にもかかわらず御親切に畑を案内してくださり感激しきり。日独のアスパラ事情についてこんなに語り合える日がくるなんて!とても嬉しく、大変興味深いひとときでした。
アスパラガスは白も緑も元は同じ品種で、太陽に当てずに育てると白に、当てて育てると緑になります。ドイツのシュパーゲルは露地栽培で、太陽に当たらないよう土の中で育てるのですが、佐賀ではビニールハウス栽培が一般的。ビニールハウスの中に黒いシートで覆われたもうひとつのハウスがあり、その暗闇の中で白アスパラがにょきにょきと育っている光景には驚かされました。
なるほど、この方法だとアスパラが地上に出たままでも白く育ちますし、収穫もしやすいですね。
ドイツでは1本ずつ傷つけないように掘らなければならないため、収穫はとても重労働。毎年収穫の時期には、東欧の方からたくさんの季節労働者がやってきます。
とはいえ、ハウス栽培ももちろん手間がかかります。昼間のハウス内はサウナ状態となり中に入るのは困難なので、収穫は夕方から夜中にかけて行われるのだとか。私は夕方5時頃にハウスに入って収穫を体験させていただいたのですが、あっという間に汗びっしょりになりました。
もともとエンジニアだったというAさん。土やハウスの構造などあれこれ工夫しながら、おいしいアスパラができるよう試行錯誤されているそうです。
ところで、農家さんは白アスパラをどのようにして食べていらっしゃるのか気になりますよね。尋ねてみたところ、収穫の時期は忙しすぎて、料理をしたりゆっくり食事をする時間もないのだそうです。久留米のイタリア料理店に白アスパラを卸しているのだけど、食べに行くことができずに残念だとおっしゃっていました。
改めて、とても大変なお仕事だと痛感。
農家さんがいてこその白アスパラガス。
今年もありがたくいただきたいと思います。
農家のみなさま、お忙しいなかご対応くださり、本当にどうもありがとうございました。
早速色んな料理で楽しんでいるところですが、ジューシーで甘くてめちゃくちゃおいしい!
次回また詳しくお伝えしたいと思います。
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日本にいくつかある白アスパラガス産地のなかで、佐賀の旬は一番早くて2~3月。もうそろそろ今年の収穫時期が終わりますが、まだギリギリ間に合いそうなので、私のTwitter(X)でAさんのアスパラを紹介させていただきたいと思います。興味のある方は以下のリンクからハッシュタグ「#シュパ活」で検索してみてくださいね。
https://twitter.com/realdoitsu
※本記事はドイツ大使館及び特定の団体とは関係なく、PR案件でもない、個人的な推し活の記録です