【今週のドイツ語】sich mit fremden Federn schmücken
sich mit fremden Federn schmücken
ズィッヒ ミット フレムデン フェーダーン シュミュッケン
sichは(再起動詞なので主語により形は変わりますが)ここでは「自分自身を」、mit は英語の with にあたる前置詞で「〜と」、 fremden Federn は「他人の羽」、schmücken は「飾る」です。つまり直訳は「自分の身を他人の羽で飾る」となります。
この表現は、ローマの詩人Phaedrus(パエドルス)の寓話に由来すると言われています。
一羽のカラスが地面に落ちているたくさんの孔雀の羽を見つけました。カラスはなんとなく、自分の地味な羽を少し華やかにしようと、美しい孔雀の羽を自分の羽の間に挟みました。自分の新しい羽の輝きに誇りを持ったカラスは、それを他のカラス達に自慢し、仲間のカラスを嘲笑しました。さらに、孔雀たちの中へ行き、仲間に入ろうとしたのです。
しかし、孔雀たちにとっては、自分のものではない羽を自慢するカラスは面白くなく、カラスに襲いかかり、挟んでいた孔雀の羽だけではなくカラス自身の羽もむしり取ってしまったのです。カラスは羽をむしられ、前よりもずっと惨めになっており、カラスの仲間たちからも相手にされなくなってしまいました。
このような内容の物語から生まれた「他人の羽で自分を飾る」とは、「人の功績を横取りする、他人のアイディアや功績を自分の手柄にする」という意味の言い回しです。
人の功績を横取りしても、良い結果にはならない、という教訓が込められていますね。
【今週のドイツ語】
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