【今週のドイツ語】billiger Jakob
billiger Jakob
ビリガーヤーコーブbillig は「安い、廉価な」、「安っぽい」という意味の形容詞、Jakobは人名です。直訳すると「安っぽいヤコブ、安物ヤコブ」などとなります。
「安物のヤコブ」とは、元々マルクトなどの市場で商品を安くたたき売る商人のことです。
一説によると、ヤコブという名前は聖ヤコブにちなんでおり、聖ヤコブの祝日である7月25日前後には、多くの市場やお祭りがあったのだそうです。
一方、別の説によれば、このヤコブという名前は、1500年頃にヨーロッパで最も裕福で有力な商人だった、アウクスブルクのヤコブ・フッガーを指しているといいます。
19世紀頃には、旅商人が自分の商品の価値を強調するために、自分のことを「安物ヤコブ」と呼ぶことがあったそうです。そこから派生して、商人個人を中心に、その職業全体を指す言葉へと変化していきました。
今でも、すごく品質の良いものをお得な価格で売っているお店、というポジティブなニュアンスではなく、どちらかというと安く、クオリティもそこそこの安物を売っているお店のことを指します。
【今週のドイツ語】
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