【今週のドイツ語】unter einer Decke stecken
寒い日が続きますね。朝起きて、あたたかいお布団や毛布の中から出るのがとても辛い毎日です。でも、ドイツで複数の人が一緒に「毛布の中にいる」とき、大抵はぬくぬくとくつろいでいるだけではなく、何か不穏な動きをしているようです。
unter einer Decke stecken
unter は「〜の下に」という前置詞(英語のunder)、Decke は「毛布や掛け布団、ひざ掛け」のこと、そしてstecken はここでは「入っている、いる」という意味なので、直訳すると「ひとつの毛布の下にいる」となります。
毛布の中に入っている人が、中で何をしているか、どんな話をしているか、外からは全くわかりません。そのため秘密めいた雰囲気があり、「共謀している、結託している、秘密裏に協力する、こっそり悪巧み(犯罪行為など)をしている」という基本的にネガティブな意味で協力している様子を表す表現になりました。
この言い回しの由来は古く、ゲルマン婚姻法に遡ります。当時、新婚の夫婦は、親族などの証人の立ち会いのもとで同じ毛布の下に入ってはじめて、結婚が成立したと承認されたのだそうです。
また別の説では、中世の騎士の時代、共に戦場に赴く戦友たちと、ときにベッドや毛布を共にする必要があったことに由来するとも言われています。
いずれの説でも、この表現は元々、今では一般的なネガティブな意味合いではなく、絆や結びつき、連帯感などを表した表現だったことがわかりますね。
【今週のドイツ語】
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