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ドイツ人の口癖

日本人はあまり口にしないが、ドイツ人が会話の中でよく口にする言葉。それはflexibel という形容詞です。

 

上記のリンクにもある通り「柔軟」とか「融通の利く」という意味ですが、ドイツの人と仕事やプライベートで「次に会う日時」についてやり取りをすると、彼らは頻繁に”Ich bin da ganz flexibel.”と口にします。日本語に訳すと「僕は・私は柔軟な性格だから(合わせますよ)。」といった感じです。

 

あ、わかりやすさのためにタイトルを「ドイツ人の口癖」としましたが・・・厳密に言うとこれは「ドイツ語圏の人々の口癖」かもしれません。

 

ちなみに通訳の仕事などで”Ich bin da ganz flexibel.”というドイツ語を日本語に訳さなければいけない時、私は「●●様のご予定に合わせますよ」というような訳し方をしたりします。日本語の場合、いきなり「私は柔軟な性格ですよ。」なんて言うと、ちょっと違和感がありますし、相手の日本人もビックリしちゃいますから。

 

flexibelという言葉が日常生活の中で頻繁に登場するぐらいですから、ドイツ語圏の人は当然ながら「柔軟であること」「融通が利くこと」が最も大事だと考ええているフシがあるわけです。ですから、この形容詞が会話の中でよく登場するのですね。

 

でも本音を言わせてもらうと・・・・ワタシは最近ちょっぴり【flexibelアレルギー】です(笑)

 

というのは、私の経験上、予定を組む時に例えば”Anfang November bis Mitte November habe ich eigentlich immer Zeit. Ich bin da ganz flexibel.”(「11月上旬から中旬にかけて、いつも時間あります。僕は・私は柔軟な性格だから(合わせますよ)。」)と繰り返し言っている人に限って、具体的な日にちについて話が及んだ時に「11月の6日も7日も8日もダメ」といった具合に「後出し」をする人が多いからです(笑)

日本人に対して(本来はする必要のない)”Ich bin da ganz flexibel.”アピールを散々した後に、日本人から具体的な日にちを複数提案されると、「あの日はダメ、この日もダメ」といわば後出しでダメな日にちが出てくると溜息が出ちゃいます(笑)個人的には「予定が入っていることは悪いことではないのだから、早い段階でやんわり『この期間はちょっと難しい』などと予め言えばいいのに」なんて思います。

 

事前に「11月6日~8日は予定アリ」と言ってしまうと、相手に「自分はflexibelではない」という印象を持たれてしまうことを恐れて、予定について予め直球で告げることができないのだと想像します。まあ「実際に予定を確認することを後回しにしちゃっただけ」の場合も多いと思いますが・・・。

©Colourbox.de

 

 

巷では「日本人は物事を曖昧に表現するが、ドイツ人は白黒直球に言うから分かりやすい」なんて言われていますが、コト「予定を組む」ことに関しては、ドイツ語圏の人はけっこう面倒くさい気がします(笑)Flexibelをめいっぱい連発した後で、「実は予定が入っている」ことは後出しだったりするので・・・・。あくまでも私の個人的な印象ですけどね。

 

色々と書いてしまいましたが・・・「日本語では言わないけれど、ドイツ語圏の人がよく使う口癖」について書いてみました。

 

また来月!

 

サンドラ・ヘフェリン

著者紹介

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

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