シュトゥットガルトの通な楽しみ方【前編】絶景とワイン、墓地でお散歩
ベンツやポルシェといった車の町でありながら、自然も豊かな都市シュトゥットガルト。王道観光だけでない、知る人ぞ知る楽しみ方をご紹介。前編では歴史的なケーブルカーに乗ったりワインの名産地や絶景スポットを訪ねます。
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シュトゥットガルトはドイツ南西部バーデン・ヴュルテンブルク州の州都。メルセデスやポルシェ、家電で知られるボッシュなど有名メーカーの拠点があり工業都市のイメージが強いですが、丘陵地帯に囲まれているため自然が豊かで、丘の斜面を利用したワイン造りも盛ん。街の中心部からアクセスしやすく、ハイキングコースも整備されているので旅行者でも気軽に楽しむことができます。
歴史的ケーブルカーで森の墓地へ
地元の人に人気のハイキングコースがあるということで、向かったのはWaldfriedhof。森林墓地という名前のとおり、森の中にある墓地です。ここにはドイツ連邦共和国の初代大統領のテオドール・ホイスやボッシュ創業者ロバート・ボッシュ、芸術家オスカー・シュレンマーなど多くの著名人が埋葬されているそうです。それにしても、お墓でハイキングってちょっと想像しにくいですよね。目的地までの道のりもまた特別。地下鉄のSüdheimer Platz駅で降りたら、ケーブルカーに乗り換えてゆっくりと登っていきます。1929年に開業したドイツ初の自動制御システムを導入したケーブルカーは、なんと木製。飴色の車両はレトロ感たっぷりで、一気に100年前にタイムスリップしたみたいな気分です。
到着してみると、そこはイメージしていたお墓とは違って、整備されたお散歩コースといった雰囲気。森の中で小一時間ハイキングを楽しみました。訪れた時は春で桜が見事でしたが、秋の紅葉の時期もさぞかし美しいことでしょう。
赤ワインの名産地「赤い山」
ドイツワインといえばリースリングに代表される白ワインが有名ですが、シュトゥットガルトでは赤ワインも多く生産されています。中でも名産地として知られるのがローテンベルク(赤い山)。この辺りはシュトゥットガルトのなかでも見晴らしが良く、夕日で山が赤く染まることから名付けられたと言われています。夕日に染まる赤い山で造られる赤ワイン……なんともロマンチックなワインですよね。
名産地でワインとシュヴァーベン料理を味わう
食事は地元のワインが楽しめる郷土料理レストランで。シュヴァーベン地方の名物、マウルタッシェン(ラビオリの1種)やシュペッツレ(もちもちのショートパスタ)はフレッシュでジューシーなワインにぴったりです。
この辺りのワインは日本にはあまり輸入されていないようです。ドイツの他の地域でもなかなかお目にかかれないので、シュトゥットガルトへ行ったらぜひ味わってみてくださいね。