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【今週のドイツ語】Alles unter einen Hut bringen

【今週のドイツ語】Alles unter einen Hut bringen

夏休みが終わり、朝晩の空気も少しずつ涼しくなってきました。でも何か次の楽しみがないと毎日頑張れない・・・そんな人は、今から冬休み、年末年始の予定を立てましょう。きっと楽しい予定が沢山決まるはず!

何をしたい?どこに行きたい?プランを練るだけでも楽しいですよね。と思いきや、蓋を開けてみれば家族それぞれにやりたいことがバラバラで、一向に予定が決まらないことも。

寒いのは嫌だから、ビーチに行って海やプールにプカプカしたいお母さん。

一年の疲れを癒やすべく、温泉に入ってのんびり過ごしたいお父さん。

冬こそ雪山でスキーにスノーボードにアクティブに過ごしたいお兄さん。

そもそも出かけるなんて嫌、毎日家でのんびりしながら溜まったドラマを見たいお姉さん。

こんな感じで意見がまとまりません。それでもせっかくのお休みなので家族みんなで過ごしたい。みんなが納得するプランはないものでしょうか。

 

今日紹介する表現

Alles unter einen Hut bringen

は、まさにこのようなシチュエーションで使います。

Alles は「全て」、unter einen Hut は「1つの帽子の下に」、bringen 「持っていく」なので、直訳は「すべてを1つの帽子の下に入れる」となります。

先程の例では、年末年始の過ごし方について、皆がそれぞれ異なる意見を持っていました。それを、みんなが納得できるようにバランスを取ってまとめる、合意に持っていくことを、ドイツ語では「1つの帽子の下にすべて入れる」と表現するのです。

この表現の歴史は古くに遡ります。その昔 、Hut (帽子、ハット)といえばミサをする時に司教が被っている帽子や、王様などの王冠を意味していました。元々、その「Hutの下に持っていく」とは、「自分たちを統治する人物の意思に従う」という意味だったそうです。

そこから、「みんなが納得できるように努力する」や、「異なる意見をまとめて合意する」、「異なる人々、意見、立場の間を取り持とうとする」といった意味で使われるようになりました。

近年では、更にそこから意味が転じて、異なる意見や立場だけではなく、異なる物事を同時に上手にやりくりする、両立させる、という意味でも使われます。

例えば、キャリアと子育てと趣味、すべてを上手くこなす、やりくりする、という時などに使います。

 

【今週のドイツ語】

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ドイツ大使館 広報部の職員による投稿です。

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