【今週のドイツ語】Da lachen ja die Hühner
ドイツには動物が登場する慣用句がたくさんあります。今日ご紹介するのもその一つ。何か信じられない話や、絶対にあり得ないばかげた話を聞いた時に、思わず口を突いて出てくる言葉です。
Da lachen ja die Hühner
ダー ラッヘン ヤー ディー ヒューナー
Lachen は「笑う」、Hühner はHuhnフーン「ニワトリ」の複数形。ja というのはここでは強調を表します。そのまま訳すと「ニワトリですら笑う」となりますが、ニワトリが笑う時ってどんな時だと思いますか?
ばかばかしくて思わず笑ってしまう様子を、日本では「へそが茶を沸かす」と言いますが、この慣用句が意味するところもちょうどそれと同じ。「ばかなことを言うなよ」「そんなのあり得ない」と、それも結構相手をあざ笑うようなニュアンスの表現なんです。笑止千万、ちゃんちゃらおかしい、そんな感じですが、ニワトリが登場することによって表現がやわらげられているような気がしませんか?
なぜばかばかしいことを「ニワトリが笑う」と言うするようになったのでしょう。
ニワトリは、はっきり言ってあまり賢い鳥ではないというイメージが強く、そんなニワトリにまで笑われるほどばかげているというところからこんな表現が生まれたとされています。そう言われると、ニワトリのコッコッコという鳴き声は、人をあざ笑っているようにも聞こえてきますね。
動物を使った慣用句で同じような意味のものに、以前にもご紹介した“Ich glaube, mein Schwein pfeift”(私のブタが口笛を吹いている)があります。やはり「そんなばかな」「あり得ない」という意味ですが、口笛を吹くブタの姿を想像するとなんだか和みますね。
【今週のドイツ語】
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