世界各国でみつけた!ドイツのドーナツ「ベルリーナー」
ドイツのカーニバルに欠かせない食べ物といえば、ジャム入りドーナツ、ベルリーナー。じつはこのお菓子、ドイツだけでなく他の国でも親しまれているのをご存じですか?イタリア、マルタ、ハワイなど、各国でみつけたドーナツを比べてみました。
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ドイツでは「第5の季節」ともいわれる狂騒シーズン、カーニバルが終了しましたね。みなさんは参加されましたか?
カーニバルはドイツ全土で行われるわけではなく、特に西部のケルン、デュッセルドルフ、マインツのカーニバル3大都市や、南西部のシュヴァーベン地方で盛んです。それ以外の地域ではそれほど盛り上がらず、そもそも「カーニバルって何?」という人もいらっしゃるかもしれません。
それでも、カーニバルに欠かせないドーナツのことはご存じの方が多いのではないでしょうか。
このジャム入りドーナツは地域によって、ベルリーナー、クラプフェン、プファンクーヘンなどと呼び方が違うのですが、今回はベルリーナーと呼ぶことにします。
みなさんご存じのとおり、ベルリーナーはドイツ全国で親しまれている国民的なおやつ。パン屋さんやスーパーで一年中買うことができますが、カーニバルの時期になると、ドーナツも仮装して、色とりどりにデコレーションされたものが登場。中につめるものも、ジャムだけでなくチョコレートクリームやアルコール入りのクリームなどバリエーションが増えます。
ところでこのドーナツ、ドイツ以外でも似たようなものを見かけます。他の国で見たことがある、という人もいるのでは?
例えば、日本で流行っている(いた?)らしい「ボンボローニ」。中にクリームがたっぷり入ったこのドーナツはイタリアのお菓子として知られていますが、もともとはドイツからクラプフェンが伝わり、イタリア風に変化したものなのだとか。地域によっては、今でもクラプフェンという名前で呼ばれていたりもします。
なんと、私が今滞在しているマルタ共和国にもあるんですよ!
ベルリーナーだー!と食べてみたところ、まさにベルリーナーでした。
キオスクなどいたるところで売られており、こちらではとても親しまれているおやつ。たいていは苺ジャムとチョコレート入りの2種類が並んでいて、名前は普通に「ドーナツ」と呼ばれています。マルタはシチリアの南にある島。食文化にはイタリアの影響が多く見られるので、このドーナツもイタリアから伝わったのかもしれません。
ハワイで親しまれているドーナツ、「マラサダ」も似ていますね。
中に何も入っていないプレーンなタイプと、クリーム入りタイプがあり、ハウピア(ココナッツクリーム)やチョコレートなど種類も様々。限定フレーバーが登場したりもします。
今やハワイ名物として有名なマラサダですが、発祥の地はポルトガルのマデイラ島だそうで、ポルトガルからハワイにやってきた移民が作り始めたことで、現地で広まったようです。
マラサダもベルリーナーと同じように、カーニバルに食べる伝統があります。他にも、ポーランドの「ポンチキ」やフランスの「ベニエ」などカーニバルには揚げ菓子が欠かせません。所変われど、イースターまでの断食期間が始まる前に、砂糖や油をたっぷりとっておこう!という考えは同じなのが面白いですよね。
この記事を書いていたら、無性にドーナツが食べたくなってきました。明日買いに行こうと思います。カーニバルは終わったけれど、私の辞書に「断食」という文字はありません。