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【今週のドイツ語】Alle Jubeljahre

【今週のドイツ語】Alle Jubeljahre

スポーツの大きな試合、例えばサッカー・ワールドカップで日本対ドイツの試合をやっている時など、テレビを見ていなくても何となくゲームの行方が分かってしまうなんてことありませんか?特にマンションなどの集合住宅では、ゴールが決まった瞬間、近隣一帯からウワーッと歓声があがり、おおっ!と慌ててテレビをつけたり…しませんか?

ドイツ語で歓声のことを Jubel ユーベルと言うのですが、この単語に年という意味の Jahr ヤールをつけて Jubeljahr というと少し意味が違ってきます。Jubeljahr は「歓声の年」ではなく、旧約聖書に出てくる50年に一度の大恩赦の年を意味するのです。

そしてこの言葉を使った今週のドイツ語がこちら。

Alle Jubeljahre

アレ ユーベルヤーレ

alleは、この場合は「~ごとに」という意味なので「大恩赦の年ごとに」となりますが、大恩赦の年は50年に一度しかないため「非常に稀な」「めったにない」という比喩的表現になるのです。

Das passiert alle Jubeljahre einmal. 「そんなことめったに起こらないよ」

なぜ Jubeljahr が大恩赦の年なのかというと、もとはヘブライ語の Jobel ヨベル「雄羊の角」という言葉から来ているそうです。旧約聖書によると、50年に一度、この雄羊の角笛を吹き鳴らして、奴隷が解放され、売られた土地が売り主に戻される大恩赦の年を告げたということなのですが、この Jobel がドイツに伝えられた際に Jubel という言葉が充てられたのだそうです。

また、記念日や何周年かのお祝いのことをドイツ語で Jubiläum ユビレウムと言いますが、これは Jubel 「歓声、喜びの叫び声」の要素も、Jobel 「50年に一度吹き鳴らす角笛、またその年」の要素も両方持ち合わせた言葉と言えます。言葉はいろいろなところでつながったり派生したりしているんですね。

Text by Kumiko Katayama

  

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