ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

「ゴミ」にまつわる意識 ドイツと日本の違い

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「ゴミ」にまつわる意識 ドイツと日本の違い

日本で「ドイツのイメージ」というと、「ゴミに関する意識が高い」というものがあります。

 

確かにドイツではゴミを細かくリサイクルしています。たとえば、ガラスの瓶も「茶色の瓶」「緑色の瓶」「透明な瓶」というふうに色別でリサイクルしています。以下はミュンヘンの実家の近くにあるリサイクルボックス(コンテナ)です。

 

茶色い瓶を入れるリサイクルボックス


 

緑色の瓶を入れるリサイクルボックス


 

透明な瓶を入れるリサイクルボックス


 

瓶をポンとこのボックス(コンテナ)に入れるだけだから、とても楽です。

 

服なんかも気軽にリサイクルできちゃいます。これもやっぱりコンテナに入れるだけです。


 

ドイツ人は「ゴミを持って帰る」ことはしない

 

 

ところで、日本人は出かけた先で出たゴミを家まで持って帰り分別した上で捨てますが、ドイツ人は基本的に(外で出た)ゴミを持って帰ることはしないのです。

 

イベント会場で出たゴミはその場にあるごみ箱に捨てますし、街でお出かけ中に買い食いをして出たゴミも近場のゴミ箱に捨てます。

 

ドイツは街中の道端などにゴミ箱が多く設置されています。ドイツ人の基本的な考え方として「外で出たゴミは外で捨てる」=「ゴミは家に持って帰らない」のですね。

 

・・・もしもドイツの街中でゴミ箱の数が減ったり、ゴミ箱が全部撤去されてしまったとしたら・・・・・はい、大変なことになると思います。繰り返しになりますが、日本のように「外で出たゴミを家に持って帰ってから捨てる」ということをドイツ人はしませんので、きっと街はゴミであふれかえってしまうことでしょう。(既に一部の街中のゴミ箱があふれかえって、大変なことになっていますが。)

 

外で出たゴミは外で捨てたい

 

私は恥ずかしながら買い食いをよくします。日本でちょっぴり不満なのが、たとえばコンビニで肉まんを買う時もそうですが、「ゴミ」が結構出るのに、街中にゴミ箱がほとんど設置されていないことです。もちろんコンビニの中にゴミ箱はありますが、そうすると、肉まんをコンビニ内で食べなきゃいけないことになるわけで・・・。やっぱりお外のFrische Luft であったかい肉まんを食べたほうがおいしいし食べ応えがあります。ただその後のゴミの処理に困り、結局はゴミを持ち歩いたり、コンビニに戻ってゴミを捨てたりします。

 

肉まんを買ったコンビニとはまた別のコンビニのゴミ箱を拝借して肉まんのゴミを(紙)捨てることもありますが、なんだかとてつもなく悪いことをしているような気分にさせられます。コンビニやお店などではなく、道端にゴミ箱を設置してほしいな、なんて思う今日この頃です。「そうするとカラスが来て大変なことになる」なんて意見もあるわけですが、ゴミ箱の形の工夫次第で、カラスによる被害は防げるのではないでしょうか。ま、あとはコストの問題ですよね。。。

 

自分が出したゴミについて、最後まで責任を持つ日本人

 

なにはともあれ、日本人は外で出たゴミをキチンと家に持って帰りますし、非常に「お行儀」がいいのですね。サッカーのワールドカップ・カタール大会では、日本人のサポーターたちが試合後に会場でゴミ拾いをしている姿が世界で話題になりました。

 

「ゴミは、ゴミが発生した場所つまりは外でその場で捨てたいドイツ人」 VS 「自分が出したゴミは最後まで自分で責任を取って自宅まで持ち帰る責任感強い日本人」という構図が見えてくるのでした。

 

日本が誇る着物ですが、左の袂にはハンカチなど清潔なものを入れ、右の袂には汚れ物(ゴミ)を入れることができます。もしかしたら日本の人が「ゴミを持って帰ることに違和感をもたない」のは、着物からきているのかもしれない、なんて想像してみました。

 

ゴミひとつでも見えてくる「文化の違い」。また次回も色々とドイツについてご紹介したいと思います。

 

それではまた来月!

 

補足⇒このコラムを書き終えたところで、『紙おむつ保育園で処分へ』国が自治体に通達 え?持って帰っていたの? 保育の現状は? というニュースが入ってきました。今まで日本では園で取り換えたオムツを迎えに来た親に持って帰らせることが普通だったようですが、ドイツ人が聞いたらひっくり返ると思います…。(←オムツこそ、「その場で捨ててほしいもの」の上位に入るのではないでしょうか。)

 

サンドラ・ヘフェリン

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン