ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

『若者の野望と目的とは』

『若者の野望と目的とは』

今回のテーマは『若者の野望と目的とは』です。

お話を伺ったのは小学1 年生の時からサッカーを始め、中学校では東日本のサッカー大会に出場、J リーガーを目指して高校でもサッカーを続け、大学進学後は12 年間続けてこられたサッカーをきっぱり諦め、大学卒業後スポーツ関係の会社に就職、退職をされた経歴をお持ちの高崎利紀さんです。

15歳の時に1ヶ月アルゼンチンに短期留学、大学生の時はアメリカに語学留学で4ヶ月ホームステイ、大学の卒業旅行ではイタリアとフランス、その後スペインとドイツに旅行され、ドイツ移住を決意されたそうです。

たまたま知り合った若者にお話をうかがえるということで、Berlin/Kreuzbergにあるカフェに出向きました。(2022年6月)

今日はよろしくお願いします。まずはイタリアとフランスに旅行に行かれたきっかけは何だったのですか?
『サッカーの試合を観たいと思って行きました。高校の親友がイタリアにあるAS ローマってチームのトッティが好きで、彼が引退する前に生で彼が出場する試合を観ておきたいというのがあって、その為にイタリアに行きました』
『ホームスタジアムのオリンピコに行って、トッティが出場した試合が観れて、友達は一つの夢が叶って感極まって泣いていました』
泣いてたんですか?
『生のトッティとチームのサポーターとして応援ができたので』
『僕もすごくいい経験が出来ました、ヨーロッパのサッカーを生で観たのは初めてだったので』
ドイツとスペインに来られた時もサッカーは観に行かれたんですか?
『サッカーは観に行ってないです(笑)』
何やってたんですか?
『観光や食事を楽しんでいました』
フランスとイタリアの旅行でサッカーは終わりだったんですね。
『周りの友達は語学を学ぶためにオーストラリアに留学を考えていたり、人気スポットだったこともあって、そっちに行く人が多かったです。当時の僕はイタリアとフランスの旅行が良かったというのもあってもう一度ヨーロッパに行きたいと思って行きました』
現在ベルリンで生活されてる訳ですけど、何かドイツに住まれるきっかけになった大きな出来事などはあったんですか?
『大学の卒業旅行でドイツに遊びに来て、全く見た事のない世界だったので楽しかったというのがあって。ここに住んでみたいなあって漠然と思いました。そこで価値観変わったっていうか。すごいワクワクしてましたね』
日本からドイツに来られて今何をされてるんですか?
『今はココロラーメンで働いてて、あとは友達相手にセラピストもやっています』
二つの仕事を同時にやっているんですか?
『セラピストはまだ仕事と言えるような活動ではないです。今はドイツ語が全然出来てないので、学校に通いながらレストランで働いています、ドイツ語学校が終わったらもっとセラピストの活動も増やしていきたいと思っています』
大学の卒業旅行でドイツに来てベルリンに住みたいって思われたわけですけど、日本に戻られてから一度就職されたわけじゃないですか、そのまま直接ドイツに住むでもいいと思うんですけど、外国に住もうというプランを事前に持たれて就職されたのか、それともプランなどなく成り行きで就職して3 年で辞めて外国に来られたのかどちらなんですか?
『就職した時には既に3 年後にはドイツで生活するって決めていました』
大学卒業してそのままドイツで生活するっていう選択肢は無かったですか?
『就職が既に決まっていたというのもあるんですけど、母国での働き方を学んでおきたいと思っていました。例えばいきなりドイツに来て日本に戻った時の事を考えた時に日本での経験があった方が自分にとっていいなと思っていました。3年間自分の中でお試し期間じゃないですけど、できるところまで自分を試したいというのはありました』
お試し期間ってことで就職して良かったと思われますか?
『本当にいい経験になりました。就職した会社の理念に共感していたのもあり、出会った人もみんな魅力的でした』
新卒で就職出来るって人生で一回しかないし、それはやっておこうという感じだったんですか?
『そうですね、就職して社会経験をするというのは考えていました』
3 年でっていうのは何か理由はあるんですか?
『挑戦するのにも25 歳までには海外に行きたいというのも自分の中でありましたし、3 年で自分がどこまで出来るかっていうのを試したい気持ちがありました』
推し量るにはちょうどいい期間と考えたということですか。
『そうですね』
大学の卒業旅行でドイツに来て、3 年後にドイツに住もうと決めて日本で就職されて、3 年後に退職して現在ベルリンに住まわれてる訳ですけど、色々なことがプラン通りに進んでるって思われてますか?
『そうですね。3 年後に行くという目標は達成できました』
ドイツに一度住んでみたいって大学の卒業旅行の時に思われた訳ですけど、外国生活への漠然とした憧れみたいなものがあったのか、それとも具体的にドイツのどこかがいいって思われてたのかどちらなんですか?
『大学の時は海外に住みたいっていうのが漠然とありました。いろんな国に行ってみてドイツに来た時にこの国がいいなって、当時感じた楽しさから来た直感的な部分もあります。アメリカも行ったことあるんですけど、音楽文化もそうですし、ドイツ人は英語も上手ですし、第三言語じゃないですけど、ドイツ語も学べたらいいなって思ってました』


 

就職した後にドイツ語を勉強する選択肢は無かったですか?
『そうですね。少し単語帳を見ていたぐらいです』
3年間就職して生活してる中でいろんな誘惑とかあったと思うのですが、外国が好きなら日本に住みながら旅行に来るでも良いと思うんですが、日本で生活して暮らして行くっていう選択肢もあったと思うんですけど。
『日本でずっと会社に所属しながら働くというプランも頭の中にはあったんですけど、海外での働き方も人生の中で経験したいなっていうのがあって、旅行で行くっていうよりは生活したいなっていう思いの方が強かったですね』
ちゃんと考えてるんですね。
『そんなことないです。漠然としていました』
『カルチャーとか日本と全然違うなって感じたので、もっと新しい価値観を学ぶことが出来るかなって、ワクワクしましたね』
日本に居るとワクワクしたり、違うカルチャーに触れるのは難しいって思われますか?
『そうですね。やっぱり環境は全然違いますし。悪い意味ではないのですが、日本に居ると大体先が見えちゃうというか、会社で働いてても何年後かの自分が想像しやすくなってたので。もちろん日本に住んでいても旅行や出張などで他の文化に触れる事も出来ますが、海外で生活するとなると文化の違いや感じ方も変わってくるのかなって思います』
どんな自分を想像したんですか?
『同じ場所にいて、ちょこちょこ海外に出張したりしながら、同じ会社にいたらずっとこうなるだろうなとか、こういう生活してるだろうなとか、でも海外に行ったらまた一からスタートじゃないですけど、全然違う人生を過ごせるんじゃないかって想像がありました』
人生とか考えて動いてるんですね。ちなみに歳はおいくつですか?
『27 歳です』
ちょっと意地悪な質問をすると、先ほどおっしゃってた先が見えちゃう人生は見る人にとっては見方を変えればいいんじゃないかっていう捉え方も出来ると思うのですが。
『そうですね。僕の場合は、当時会社で働いてた時はドイツに行くっていう目標があったので、そこしか見えてなかったというのはありますね。あとは勤めていた会社で自分が何ができるかとか』
そんなにドイツが好きなんですか?
『好きです。新しい目標を与えてくれた国なので。ドイツを諦めて同じ会社に所属していたら、こうなっていたのかなという未来の自分のイメージはしやすかったです。逆にドイツでの生活は具体的なイメージは持てませんでした、だから最初は不安だらけでした』
イメージしにくい方に進んでみようと思われたと。
『そうですね、あと自分にとって良い刺激になる選択をしたいなというのはありました』
そう思われる何か特別な出来事などはあったんですか?
『やはり大学の卒業旅行ですかね』
何故そういうことを考えられたと自分では思いますか?
『ぼやっとはしてましたけど、日本にいるときにはとにかくドイツに住むという目標に向かってやるっていう感じだったので』
海外進出みたいなことは周りでも意識されてる人が居たのですか?周りの友達とそういう話をしたりとか?
『僕と一緒に卒業旅行に行った友達は、僕より一年先にスペインに行ったんですけど、一緒にサッカーをやってた仲間は日本で暮らしている人が多いです』
他の友達はどういう感じだったんですか?
『漠然と海外に行きたいって思っている人は多いんですけど、具体的にどこの国に行きたいというのはなかったと思います』
スペインに行かれた友達はどうされてるんですか?
『スペインに行ったんですけど、コロナ禍が始まっちゃって、今は日本に帰って生活しています』
ちなみに高崎さんは日本に帰る選択肢は無かったですか?
『考えた時もありましたけど、自分は無かったですね』
ドイツが好きなんですか?
『ベルリンが好きですね』
ドイツの他の都市はいかれましたか?
『まだ行ってないです』
何故ドイツに拘られたのかというのをもう少し違う角度から聞いてみたいと思うんですけど、例えばビールとかソーセージとか。
『ドイツのビールは好きですね』
『ドイツの中でも特にベルリンはインターナショナルなところなんだなって感じます』
他の都市には行かれてないですよね。
『周りの人からそういう話をよく聞くので。ドイツ人の人もベルリンは他の都市とは文化や住んでいる人の国籍も違う多様性な都市と言っているのをよく耳にします。確かに他のドイツの都市には行った事がないので自分ではその感覚がまだわかりませんが周りの話やネットで見た情報などでその様なイメージを持っています』
文化というと括りがとても大きいので、例えば音楽とかスポーツとかなんでもいいんですけど、もう少し限定してもらえるといいんですが。
『様々な国から来ている外国人とかを見てもそう思います。音楽に限らず色んな国のアーティストの人も多いですし。人がすごい好きですね、ドイツ人は思った事を直接言うというか、意見をストレートに言うイメージがあります。あとドイツ人は日本人と真面目さの部分で感覚が似てるなと感じる部分があったりします』
真面目な人でもストレートに言わない人もいると思うんですけど、ストレートに言う人が不真面目な場合もあると思うんですけど。
『日本人の場合、これは日本の良さでもあると思うんですげどダイレクトというよりは、相手を思って遠回しに伝えたりとか、日本人ならではの柔らかい表現で、なかなかストレートに何かを言ったりする場面は少ないのかなと。そこが違うので、その違う部分も文化の違いですし、遠回しな表現がない分ストレートに会話しやすいというのがあります』
日本で生活していると本音が聞けないと思われていますか?
『優しさで少し遠慮気味になってしまう部分があるのかなって思います。やっぱりどうしても相手のためを思ってあえて言わなかったりとか、逆にこっちではそれをやると相手に失礼になっちゃうのかなと思ったりもします。言いたいことがあったら伝えた方が本当のコミュケーションが取れるのかなと感じます』
日本では何故本音が聞けないと思われてますか?
『どうしても周りを気にしたり、友達のためを思ってあえて言わなかったりとかそういうのがありましたね。人によって価値観が違うとは思うのですが、それが優しさだったりとかもあるのかなと思います。具体的に説明するとなると少し難しいですが。。』
日本にいた時は本音では話さなかったですか?本音で話す友達はいなかったですか?
『もちろん関係の近い人とは本音で話ました。例えば会社であったり、社外の人と話したりするときは、なんか変なこと言わないようにとか、考えながら話してたというのは正直ありましたね』
諦めに近い感じなんですか?言ってもしょうがないみたいな。
『諦めてるわけではないですけど、仕事上では本音というよりはしっかり意見をまとめてから伝えるという場面は多かったです』
今は本音で話してると自分で思われてますか?
『そうですね。遠慮するという感覚は日本にいる時とは異なります』
少し斜めから見るとおっしゃってるそれが社会の一部なんじゃないかという見方もできると思うんですが、社会で本音で話してたらサラリーマンだと持たないですよね。
『そうですね、こっちに住んでる人とかみんなそうですけど、そういうのを理解してると思うんで、気を遣うというよりも、思ったことは伝え合うという感じですかね』
こっちに来られてそれは変わりましたか?職場でも本音で話されてるんですか?
『そうですね。成長した部分と言うか変わった部分かなと思います』
何故ドイツに拘られたのかというのをもう少し違う角度から聞いてみたいと思うんですけど、先ほどドイツ人を好きっておっしゃってましたが、意地悪な聞き方をするとイタリア人は好きじゃないとかそういうことを含んでますか?
『(笑)。。。そういうのでは無いです、外国人と話すのは基本的に好きです』
高崎さんはここドイツでは外国人ですよね。
『そうですね。日本以外の国の人と話すと他国の文化も学べますし、知らなかったことも知れたりするので。あとは国の保険制度とかもしっかりとしてるじゃないですか、そういうのもこの国のいいところだなと思います』
日本の保険制度について何か思われてることはありますか?ちゃんとしてるというのは例えばどういう風にとかそういうところなんですけど。
『日本の保険制度もしっかりしてると思います。ただ、コロナが始まった時などドイツではすぐに補償金がでたりとかニュースでも見ました。対策やロックダウンの対応も早かったイメージがあります』
日本は守られてない?
『そういう訳ではないのですが、コロナ禍の時ヨーロッパの対応が早かった覚えがあります』
何かそう思われた具体的な出来事とかあったんですか?
『病院とかもお金を払う回数が日本は多いかなと思いますね、保険に入ってればドイツは基本的に病院は無料だったりするので、社会保障が手厚いと感じるのがこの国のいいところだなと思います』
ちなみに他のヨーロッパの国の保険制度とか社会制度とかご存知ですか?
『医療とかは、北欧の国はすごいいいって聞いたことがありますけど、何がいいのかっていうのは具体的には知らないです』
保険制度のことはドイツに来られる前にご存知だったんですか?
『いいえ、知らなかったです、ドイツに実際に来てみて知ったことです。保険に入っていればその場でお金を払わずに病院へ行ってすぐに見てもらえるので、病気や怪我をした時に安心して利用できるというのはあります。そういった面でも長く住んでみたいなと思います』
ドイツに長く住もうと思われてるということですが、具体的にこれからどうしていこうというのはおありなんですか?
『今はドイツに来て1 年4 ヶ月ぐらいなんですけど、まずはレストランで働きながらドイツ語を学んで、ドイツで永住権の申請に必要なB1 までを目指したいです。ドイツ語が少しずつ理解できるようになってきたら、セラピストの活動も増やしていきたいと思ってます』
『今漠然としてるイメージは、日本でやってきたこと(セラピスト活動)を活かして個人でも出来ればいいなあって思っています』
セラピストって何をやるんですか?
『僕の施術はその人の疲れている部分の筋肉をほぐして血行促進をするボディケアです。結構疲れている人は多いと思うので疲れを癒し健康な人が増えたらいいなと思います。なのでベルリンでもセラピスト活動がができたらいいなと思います』


 

学生の時の友達とか周りの友達とかは現在どうされてるんですか?
『今は仲良かった友達は結婚したり、子供ができて家庭を持ったりして日本で生活している友達が多いです、日本の会社に所属して遊んでるという感じの人が多いですね、海外で生活している人はあまりいないです』
失礼ですけど、現在おつきあいされている方はおられるんですか?
『いないです』
周りの友達を見ていると家族を作りたいとか思いますか?
『思います。何歳までにとかは今はまだイメージできませんがそう思ってます。特に日本でとかドイツでとか、どこの国でという拘りはないです、出会いがあればいいです』
ドイツで生活されてることについて周りの友達は何か言いますか?
『ドイツに行く前は、大変そうとか自由だねとか言われることもありました。会社を辞める時は同僚や上司や周りの人に大丈夫なのとか、心配とかはありましたね。丁度その頃コロナが流行していた時期でもあったので』
会社の人は何を言うんですか?
『辞めてこれから何をするの?とか、これから会社はもっと良くなっていくのに何故今辞めるのとか、会社の一員として心配してもらうことはありました。退職防止じゃないですけど、そういうのもあったのかなとは思います』
実際聞かれて何て返事されたんですか?
『僕には行きたいっていう夢があったので、当時考えていた事とか自分の目標を伝えてっていう感じでした。時間はかかりましたけど理解してもらえました』
理解されたと思いますか?
『個人的にはそう思います、心配されたのはコロナ禍ということがあったと思いますし』
『兄がベルリンでお店を始めるタイミングでもありましたし、その時期2 月というのも、就職して丁度3 年の時期と重なっていたのでそれもありました。お店の立ち上げメンバーに参加することができたことは良い経験になりました』
現在はアパートに一人で住まわれてるんですか?
『いえ、ドイツ人と一緒に同じアパートで暮らしています、WG です、僕はまだドイツ語が全然話せないので英語になっちゃうんですけど、いずれはドイツ語で喋りたいなって思います』
ドイツに来られる前は英語は話せたんですか?
『少しは喋れたんですけど、日常会話レベルでした。ドイツで生活するようになって仕事や友達と遊んだりする中でより必要になったのでまた勉強しました』
ドイツ語の学校には現在通われてるんですか?
『今年の4 月から通い始めたところで、現在A2 をやっているところです。ドイツ語は難しいです。今はまだ喋れる自分がイメージできないです。環境になれるためには早く喋りたいなって思います』
『こんな感じですが今はドイツで楽しく暮らしてるという感じです。正直最初の1 年は辛いことの方が多かったですね、環境も変わりましたし、わからないことだらけだったんで、不安もたくさんありました』
例えば具体的な辛い出来事は何ですか?
『こっちに来る時にワーキングホリデービザで来たんですけど、ビザは1 年で切れるので、その後ドイツに住み続けるか日本に戻るとかの決断もそうですし、ビザの問題なんですけど、今後どうしていこうかと考えた時に、新しい仕事を探さなきゃいけないとか、もし日本にこの感じで帰国することになっても、日本で何も出来ないなって、こちらで何も経験していないので、そういういろんな不安がありましたね、それでもまだやりたい事があるのでドイツに残りたいなっていうのがありました』
この国が好きなんですね。
『もしそれが無かったら帰国してたと思いますね、少しずつ環境にも慣れてきて楽しくなってきました。昨年はコロナ禍で語学学校も通えないという状況だったので、今はやりたかったことが出来てきてるという感じです』
日本に帰る選択肢もあったと思うんですが、どちらを選ばれますか?
『今はドイツを選びます。もっと異文化やドイツでも生活を知りたいです』
何故ドイツを選ばれたのか、そこに至った経緯をもう少し掘り下げてみたいんですけど。
『明確な理由があったというよりは、直感的なものが強かったですね』
何故ドイツに拘られたのかというのをもう一度違う角度から聞いてみたいと思うんですけど、例えば好きな子がたまたまスペイン人でスペインに一緒に住もうという選択肢があります。その場合どうされますか?
『今はドイツに居たいなって思います、丁度この環境にも慣れてきたので』
意地悪な質問ですけど、好きな子と離れてしまっていいと。
『もしお互いの意見が合わなければそれは仕方ないです。今はベルリンに住み続けたいという思いがあります』


 

趣味は何ですか?
『趣味は運動です。サッカーをしたり、ジムに行ったり自然に行って歩いたりするのが好きです』
『あとは休みの時はクラブに行ったりとか、友達と踊りに行くのが最近は多いですね』
毎週末クラブに行ってるんですか?
『特にこの時期(夏)はパーティーも盛り上がっているので』
現在タバコやお酒はやられるんですか?
『そうですね、部活を引退してからはそこもフリーでやってます』
おいくつでしたっけ。
『27 歳です』
現在27 歳で学生の頃からサッカーを続けてこられて、J リーガーになる夢は諦めて大学に行かれて、卒業後はスポーツ関係の会社に就職されて、海外に住みたいっていう夢を持たれてから現在ドイツに住まわれてるわけですけど、サッカーを12 年間続けて来られてよかったと思いますか?
『良かったです。サッカーを通して得た経験はたくさんあります。昨年もそうですし今もそうなんですけど、どうしても海外での生活でうまくいかないことってたくさんある中で、もうちょっと頑張ってみようとかっていう気持ちはサッカーをやってた時に作られたのかなって思います。簡単に諦めるっていうよりはもっとこれをやってみようとか、そういうのはサッカー経験から培ったものかなと思います』
何かを始めた時に駄目だったらすぐに諦めるというよりはってことですか?
『諦めるというよりはもうちょっとやってみようっていうふうに思いますね』
『ドイツに来て以前よりそう思います。もちろん上手くいかない事も沢山あるので、小中とサッカーチームでキャプテンやってたりしてたんで、リーダーシップ、僕の場合はみんなを盛り上げるのも結構好きです。こっちに来て出来た友達と家で日本食パーティーをやろうよ!という感じで人を集めたりとか、以前の経験からこっちでそういうことを出来たりしてるのかなって思ってます』
『今はこのまま外国に居て生活するのが自分にとって幸せかなって思います。日本で暮らすよりドイツでまた新しい文化や価値観に触れて刺激的な事が多いかなと思います。新しい事に触れたりするのが好きなのでより自分らしくいれるなって感じます』
意地悪な質問をしますけど日本で生活されてる人は自分らしく生きてないって思われますか?
『そんなことは思わないですけど(笑)日本に住んでもすごい自分らしく生きてる人はいると思います。実際僕の周りにも日本で楽しく暮らしている友人は沢山います。僕はこっちに住んでた方が自分らしさを持てるかなって思います。先程も言った様に新しい価値観や文化が刺激になるので』
日本で暮らさないといけなくなった場合はどうされますか?
『そうなったらまた日本で楽しく暮らしてると思います、なんていうんですかね、暗黙のルールじゃないですけど、縦社会とかもしっかり守りながら生きてるかなって思います』
ドイツで生活されていてこちらの暗黙のルールはあると思われますか?
『正直あんまりわかりません。』
縦社会はあると思われますか?
『そうですね、少しはあると思います。縦社会といった面で日本は目上の人に対する対応が他の国と比べてより重要視されているかなと思います。それが日本の魅力でもあると思います。丁寧さや他の国の人から見たホスピタリティとかはそういった文化から来てるのかなって感じます』
こちらで生活していてそういうルールは守られていると思いますか?
『思います。コロナ対策で電車ではマスクをつけたりとかそこは日本でもドイツでも同じです。マスクをつけていない人もよく見かけますが、それに対して何か言ったりなどはないですね。あんまり他人を鑑賞しないというか。だからこそコミュニケーションの際も人種、年齢関係なく思ったことは何でも伝え合いあっているのかなと。これが正しいとか間違っているとかじゃなく自分の意見を言う事が重要なんだなと思いました。遠慮とかもなく、ダイレクトに話している感じです。その方が人間関係も深く築けるのかなって、もちろん全員そういう訳ではないですが、日本にいるとどうしても相手を優先したり顔色を伺って気を遣っちゃったりとかっていうのはあったんで、そういった点ではコミュケーションの違いかなと思います』
こっちで気を遣ったりとかしないですか?
『もちろん気を遣うことはあります。ただ、遠慮したり顔色を伺ったりする感覚はあんまりないです』
今お話しされたようなことを日本の友達とお話しされたりしますか?
『はい。あります。周りの友達で海外に行きたいって言ってる人は結構いるんですけど、やっぱり会社を辞める時とかに会社の人に止められたりとか、周りの人の声を聞いて、なかなか踏み出せないって人もけっこう多いと思いますね、それはすごく話してて思いますね』
何故日本で生活しているとそれほどまでに周りの事や人の声を気にすることになるんだと思われますか?
『周りの事や人の声を気にしている人が多いからですね。でも全く気にしない人もいますし個人差なのかなと思います』
周りと違うことをやるとみんなで反対する、退縮するにしても誰一人ふたつ返事で賛成しないみたいなことに違和感は感じましたか?
『自分の人生なので自分で決めた方が後悔はないのかなと思いました。僕には行きたいって夢があったんで、それをひたすら突き通してっていう感じでした』
『特に何か大きな出来事があったという訳ではないですけど、ドイツに住めたらいいなっていうのがあったので』
最後になりますが、このサイトは日本の若い人たちがドイツに興味を持ってもらう目的で運営されているんですが、高齢者の読者層も多いということです、何か言いたいことなどあれば。
『例えばこれからやりたいこととか、情熱を注げる目標があったら素直にやった方がいいって思います。やりたいって思ってるものをやらずに止まっちゃうのが一番勿体無いなっていうふうにはこっちに来ても思いましたし、周りがどうこう言って一歩踏み出せなくて諦めたとしても、その人が責任を取ってくれるわけじゃないです。自分が思ったらそれを信じて行動してみるのは、自分が変わるきっかけになると思います。自分がそうでしたし、世界観も新しい価値観も広がるかなって思います』
『今はやりたいことをやれてるって思います。3 年前の夢じゃないですけど、そういう目標があって来たので、今はすごく来て良かったなって思ってます。もちろん昨年の最初の時期は辛い時期もあったんですけど、後悔はなかったですね』
ドイツに長く住みたいっておっしゃってたので、これから何か成し遂げたいこととかあれば聞かせてください。
『セラピストをやりながら永住権を取りたいって思ってます、ドイツのいいところを日本に住んでる人に伝えたり、そういうところで貢献できたらなって思ってます。永住権を取るのが次の目標です。これからもっと経験を積んでドイツに住みたいなって思ってる日本人のサポートなどもしていけたらいいなって思ってます』

夏は毎週末クラブに通い、スペインに移住しようと好きな子に提案されてもドイツ・ベルリンに住み続けるという考えをお持ちの高崎利紀さん、成し遂げたいことのひとつに永住権取得を宣言されておられる高崎さんに、まずは疲れている体のボディケアをお願いしたいと思います。

次回のテーマは『ドイツの働き方・日本の働き方』です。

 

田中フミヤ

DJ,ミュージシャン 2022年現在ベルリンに在住。 https://www.fumiyatanaka.com/biography/ Facebook Instagram @fumiyatanaka.101

田中フミヤ