【今週のドイツ語】Außen hui, innen pfui
あっという間に12月。そろそろ年末の大掃除のことを考える時期になりました。最近では、普段からこまめに掃除しているから特に大掃除なんて…という人も多いようですが、そんな良い心がけができていない場合は、やはりここで一度リセットしておいた方がよさそうです。でも、忙しいと、見えるところだけをどうにか取り繕って終わり、なんてことありませんか?
見た目だけ気にして内容がいい加減だったり、表面はきれいだけど中身はあまり褒められない、と言いたいとき、ドイツ語にはちょっと面白いこんな表現があるんですよ。
Außen hui, innen pfui アウセン フイ インネン プフイ
außenは「外」、innenは「内」。huiは、この場合は、きれいなものや素晴らしいものを見たり聞いたりしたときに発する「うわあ(すてき!すごい!)」という意味の感嘆詞。pfuiは反対に「げーっ」とか「うわっ(いやだ!汚い!)」というときに使います。外側は「うわあすてき!」、内側は「うわっ、汚い!」ということで、「うわべはきれいでも中身はお粗末」という意味になるんです。
Außen hui, innen pfui: Die Fassade wurde renoviert, aber die Innenräume des Gebäudes wurden nicht mehr saniert.
外はきれいでも中はお粗末:表に面した外壁は修復されましたが、建物内部は改修されませんでした。
日本には「ぼろは着てても心は錦」という言葉がありますよね。そういう場合はhuiとpfuiを入れ替えて、Außen pfui, innen hui(外は粗末でも中身はきれい)と言うこともできます。
ちなみに、ドイツでは大掃除というと、年末よりも春のイメージ。Frühlingsputz(フリューリングスプッツ、春の掃除)という言葉もあるぐらいで、日が延びて暖かくなってきたら、窓を開けて風と光を部屋に入れ、暗い冬の間に見落としていたほこりや汚れを一掃します。時期は違っても、たまった汚れを落として新しい季節をスタートさせるという発想は同じですね。この年末は、外側も内側も“hui!”と言われるように、少し頑張ってみようかな。
Text by Kumiko Katayama
【今週のドイツ語】
またまた増刷決定!これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、このサイトで初期から連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
画像をクリック、または「ドイツのことば図鑑」で検索してみてね!