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【今週のドイツ語】Heulen wie ein Schlosshund

©Miwako Kamo

【今週のドイツ語】Heulen wie ein Schlosshund

最後に大声で泣いたのはいつですか?大人になると、悲しい時も悔しい時も、つい感情を押し殺してしまいがちではありませんか?時には、お城の犬のように、正直な気持ちを解き放ってみませんか?

なに突然オシロノイヌって、とお思いでしょうか。早速ご説明しましょう!

Heulen wie ein Schlosshund

ホイレン ヴィー アイン シュロスフント

heulenは、「(犬が)遠吠えをする」「(人が)声を出して泣く、泣き叫ぶ」、SchlosshundはSchloss「城」とHund「犬」をつなげた言葉で「城の犬」。wieは「〜のように」なので、「城の犬のように(声を上げて)泣く」と言う意味になります(話をここへ持って来たかったんです)。

ドイツ語で、大声で泣き叫ぶことをこう言うのですが、なぜ「お城の犬のように」泣くのでしょう。なんとなくイメージできるでしょうか。山の上にあるお城の番犬の遠吠えが、辺り一帯に響き渡る様子を思い浮かべて下さい。満月の夜だとなお雰囲気が出ます。そんなふうに、そこらじゅうに聞こえるような大声で泣くことをこう表現するのです。

Das Kind weint wie ein Schlosshund, weil seine Eltern ihm das Spielzeug nicht kauften.

「お父さんとお母さんがおもちゃを買ってくれなかったので、子供は大声で泣きわめいている」

最近は、おもちゃをねだって駄々をこねる子をあまり見かけなくなったような気がしますが…そうでもない?

この慣用句の成立にはもう一つ、別の説があります。Schlossという言葉には、「城」の他に「錠前」という意味もあり、Schlosshundとはお城の犬ではなく、「錠前で鎖につながれた犬」という意味だというものです。鎖につながれた犬がわめき吠えるように、大声で泣くことをこう言うようになったという説です。

いずれにしても、大声で泣くことを犬が吠える様子に例えているわけですが、最近は犬のしつけが行き届いていて、吠えないおりこう犬が増えているようにも思いますが…そうでもない?

Text by Kumiko Katayama

 

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