人間関係にも文化が出る?
先日、日本に長く住むハンガリー出身の女友達Nと一緒に日帰り温泉に行ってきました。温泉は・・・やっぱりリラックスしますね。
リラックス効果のせいか、温泉からあがった後のお食事処では会話が弾みます。
「最近、どう?」などの互いの近況報告から、互いに「来日して●年だね」と他愛ない話から始まって、ついには人間関係にまつわる「深い」話になりました。
女友達Nは、日本で長年、フリーランスで仕事をしており、様々な「現場」を経験しています。「何週間」や「何か月間」続く仕事の場合、現場で毎日同じメンバーと顔を合わせることで、仲間意識のようなものが生まれ、仕事が終わる頃にはすっかり仲良しに。
ところがN曰く「現場が続いている間(仕事をしている間)は、あんなにプライベートな話もいっぱいする仲だったのに、現場が終わると、人間関係が続かないことが多い」と話します。そして「それは日本特有だと思う」だとも。
そこで私も自分自身の人間関係を思い出してみたところ、確かに同じ現場で仕事をしているうちは色々とお茶をしたり、色んな話をして仲良くしていても、共通の仕事が終わると、「続かない」人間関係がけっこうあったな、と思いました。日本に来たばかりの20年前、私はそれでずいぶん寂しい思いをしたことも思い出したのです。Nの言う「日本特有」は確かに当たっているのかもしれない、と思いました。
ドイツとかハンガリー(要はヨーロッパですね)の場合、現場(仕事)で出会った人とプライベートで気が合いそうになければ、休憩時間などにそもそもプライベートな話はしないです。
逆に仕事で仲良くなって休憩中に色んなプライベートな話をするぐらい仲が良ければ、共通の仕事が終わっても、(ドイツとかハンガリーなら)友人として交流が続く傾向が。ここでいう「交流」とは、LINEをするだけではなく、会ってお茶をしたり、一緒にイベントに出かけたり、などですね。
それで女友達N曰く「共通の仕事を一緒にしていた期間中は、休憩の時などに互いの『恋バナ』(恋のあんな話やこんな話)をするぐらい盛り上がって、仲良くなったと思ったのに、共通の仕事が終わった後に、連絡をしたら「忙しい」とそっけなかった」とのこと。そして、そのような展開になることを残念に思っている、とのことでした。
もしかしたら日本はやっぱり「仕事優先」の考えの人が多いのかもしれない、なんて私は思いました。仕事をスムーズに進めることを(無意識的にでしょうが)考えていて、その仕事の期間中は「仕事という枠を超えて仲良くする」けれど、実際に仕事が終わってしまうと、時間を作ってまで相手と会うのはしんどい・・・といったところなんじゃないでしょうか。
ただこういうことについて、あれこれ悩むのは「年齢的なものもあるのかな…」なんて思います。思えば、私は若いとき「友達」と「そうでない人」を区別したがる傾向がありました。
でも中年になった今、「この人は友達」「この人はそうではない」などと分ける必要なんてないと思うようになりました。ガチガチではなく、人間関係はもっと緩くていいんじゃないかなって。「友達」「そうではない」だなんて、そんなにハッキリと定義しなくてもいいと思っています。「何回会ったから、絶対に友達」「最近、会っていないから、友達ではない」と言い切れるものでもないと思いますし。
まあでも確かに日本VSヨーロッパを比べると、「人間関係のあり方」が違うのは確かです。「人との付き合い方」って、その国の文化がはっきり出る気がします。人との距離感とかね。
入浴後、いろいろ語らいながら、Nも私も「日本の人間関係とヨーロッパの人間関係は違う!」という結論に達したのでした(笑)
私はドイツ、Nはハンガリーと国は違うけれど、同じヨーロッパで育って、大人になってから日本に来たという共通点があります。このように似たような立場の人と「あれこれ」話すと、共感できることが多いですね。さらに温泉という場では本音で話しやすい気がします(笑)
長引くコロナ禍で、女友達と会って、「ああでもない、こうでもない」と、「どうでもいい話」をすることが、いかに自分にとって大事な時間なのかが分かりました。
やっぱり実際に会って、温泉に入ったり、共通の体験をする「人間関係」って私にとっては大事。「オンライン人間」にはなれない私です。
上の写真は先日、久しぶりに行った渋谷のカフェ「人間関係」(ニンゲンカンケイ カフェ ド コパン)です。
皆さん、また来月お会いしましょう。
サンドラ・ヘフェリン
★追記★先日、映画『オレの記念日』を観てきました。おススメの映画です。以下のリンクの「やくみつる」さんの下に、私からの推薦コメントを書かせていただきました。「オレの記念日」