【今週のドイツ語】Auf dem Teppich bleiben
皆さんは、絨毯と聞いて何を連想しますか?やはり最初に頭に浮かぶのは空飛ぶ絨毯?今日ご紹介するドイツ語の慣用句は、絨毯を使ったものですが、ふわふわ浮かんだり好きなところへ連れて行ってくれる魔法の絨毯とは180度反対の意味で使われています。
Auf dem Teppich bleiben
アウフ デム テッピヒ ブライベン
Teppichが「絨毯」、bleibenは「その場にいる、とどまる」ことを意味します。文の最初のauf demは「〜の上に」という意味なので、言葉通り訳すと「絨毯の上にとどまる」ということに。どんな意味だか分かりますか?
例えば、サッカーで前シーズン連敗だったチームが、今シーズンは初戦から快勝。選手もサポーターも、沸きに沸いていますが、そこで監督はチームに一言。
Jetzt müssen wir auf dem Teppich bleiben.
「今こそ絨毯の上にとどまらないと」
「絨毯の上にとどまる」というのは「両脚をしっかり地につけて」「現実を見据えて」というような意味で、この場合なら「浮かれず気を引き締めて行こう」という感じですね。
今が良いからといって、油断するとすぐに逆戻りしかねないと警告しているわけですが、その反対に、何が悪いことがあっても、過剰反応せず、状況を冷静に見極めようという意味で使われることもあります。善かれ悪しかれ、現実をよく見て、常に冷静に行動しようと諭す時に使われる言葉です。
子どもの頃読んだお話に出てきた魔法の絨毯が本当にあったらいいなあ、なんてまだ思っている私は、どうも地に足が付いていないようですが、ふわふわ夢想せず、ちゃんと現実を見据えて生活するよう気を付けます。良い週末を!
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
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