ドイツで働くなら、どんな仕事に就ける?お給料はどれくらい?
皆さん、こんにちは!
ドイツ・ワークスタイル研究室の高橋です。
新型コロナウイルスや気候変動、荒れる世界情勢に世界的な不景気……。
次から次へと心配事はつきませんが、不確かな時代だからこそ挑戦に燃えている読者の皆様もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ここ」ではない「どこか」でもしなやかに生きられるように、自分の中にプランBを持っておくことは大事な生存戦略だと思います。
海外で働いてみたい!と考えるのも、その戦略のうちの一つ。
前回は「ドイツで働く」にはどうしても越えなければならない「ビザ(滞在許可と労働許可)」のお話でした。
>>>海外就職に必須の就労ビザ!取得のしやすさはドイツが欧州でダントツ!!
今回は、日本人がドイツでの就職を目指すなら、どんなお仕事で、どのくらいのお給料をもらえるのか、ということについてイメージを膨らませていきましょう。
就職活動の進め方は?
ドイツにある企業に勤めたいと思ったら、まずは下記の3つのような選択肢があります。
①日本で就職活動して、ドイツに拠点のある会社に就職。海外駐在員としてドイツに派遣
→海外駐在の希望が叶うかどうかは、会社の判断②ドイツで就職活動して、ドイツ企業に採用される
→高い語学力と専門性、即戦力が求められる③ドイツで就職活動して、ドイツにある日系企業に現地採用される
→ビジネスレベルの語学力が必須日本から新たなキャリアを作るためにドイツに来る人にとっては
③ドイツで就職活動して、ドイツにある日系企業に現地採用される
ことを目指すのが一番現実的です。
ドイツに進出している日系企業は1800社以上、就職活動に成功すればビザがもらえる。こんなに外国人(EU域外)にチャンスの多い国、今のヨーロッパでは珍しいんです。だからドイツは近年、海外就職を目指す人から注目されているそうですよ。
日系企業だとしても、ドイツで働くならもちろん「日本語しか話せません」というわけにはいきません。そのため、
④ドイツでワーキングホリデー、語学レベルをアップしてから現地採用を目指す
⑤ドイツに留学、語学レベルと専門性をゲットしてから現地採用を目指す
というように、入念な準備期間を経て就職を目指す人もいます。語学力はどのくらい必要?
日本を離れ、日本語が公用語ではない国で働き、生活していくためには、やっぱり「語学力が必須」です。
日系企業への就職をサポートする人材紹介会社のベテラン・コンサルタントさんから聞いた話では、
「言語スキルは、日・独・英の3か国語ができることが応募条件になっているケースも多い」
「初級、中級レベルだと難しい。少なくともドイツ語か英語のどちらか一方はビジネスレベルに!」
と、求められる語学力のレベルは決して低くありません。
ビジネスレベルの語学力+専門性を身につけることが、現地採用への近道です。
なかなかどうして、ハードルは低くありません。
もちろん、目指す業種や職種によって、ドイツ語が重視される場合と、より英語が重視されるケースとに分かれます。
例えば、ドイツに進出する商社やメーカーが、現地スタッフを採用するとしたら、
・営業、営業アシスタント
・貿易事務
・経理
・秘書
・総務
などのポジションで募集があります。
その場合、現地のスタッフや取引先企業、役所などとのコミュニケーションが発生するため、ビジネスレベルのドイツ語が求められます。
一方で、ヨーロッパ全域を担当する営業や営業アシスタントの場合は、ドイツ語より英語力が重視されます。
また、国際貿易業務やエンジニアの場合、日本語と英語の二か国語のみでOKというケースもあるそうです。
とは言え、誰しも最初は初級です。
日本人向けのサービスを提供している会社やレストランが多い街にならば、
(ドイツならデュッセルドルフやフランクフルト、ミュンヘンなど)
ドイツ語がまだ初級レベルでも職を得るチャンスはあります。
ドイツでの給与の相場は?
さて、お次は気になるお給料の話に入りましょう。ドイツの現在の最低賃金は時給9.60ユーロ(約1300円)。
2022年10月にはそれが時給12ユーロ(約1600円)に上がる予定です。
日系企業に現地採用された場合、給与の相場はどのくらいでしょう?
企業規模や職種、地域によって差があるのですが、前述のコンサルタントさんからの情報によると、
営業アシスタントや経理アシスタント、秘書等のポジションで年収3万ユーロ~5万ユーロ(約400万円~約680万円)
経理マネジャーやエンジニアは年収4万5000ユーロ~8万ユーロ(約600万円~約1000万円)
と喜ぶのは、ちょっとお待ちください。
これ、「額面」の年収相場です。
所得税など諸々の税金や健康保険、年金などが差し引かれて、手取り給与として最終的に残るのは6割くらいと考えておかなければいけません。
(差し引かれる金額は、額面給与の金額や家族構成など色々な条件が関わり、個別に算出されます)
初めてドイツで給与明細を受け取る人は、額面の給与と手取りとのギャップにびっくりします。
そして、日系企業の現地採用者を悩ませるもう一つのギャップが、日本から派遣される駐在員との待遇の格差です。
「海外駐在員」と「現地採用」の違いは、有名な話なので皆さんご存知とは思いますが、知っているのと、同じオフィスで目の当たりにするのとでは違うようですね。
どちらにもやりがいがあり、苦労があります。駐在員だったけど、現地採用されてドイツに留まったという人もいます。
日本で働き続けていたら積み重ねることができたかもしれないキャリアがあり、逆に日本で仕事をしていたら得られなかった経験や人生観をドイツで得られたような気もします。
「ドイツで働く」という選択が、自分のキャリアやライフプランに大きな影響を与えていることを、私自身も歳を重ね、ライフステージが変わるごとに再発見しています。
「ドイツに行くぞ!」と決意した若い頃の自分に、今の自分が何かを伝えられるとしたら、
やっぱり「行ってらっしゃい!」一択です。