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水車の街、オーバーウルゼル

水車の街、オーバーウルゼル

みなさんこんにちは。

6月のドイツは、暖かく、夜22時過ぎまで日が暮れないため、気持ちが良く気分も嬉しくなります。

 

そんな6月のある週末に、フランクフルト郊外の街、オーバーウルゼル(Oberursel)に行ってきました。

街の入り口。奥には街のシンボルである聖ウルスラ教会の塔が見えます。@tomogermany



 

オーバーウルゼルは、フランクフルトの北側に位置するタウヌス山地の麓にある人口4万5000人ほどの小さな街で、フランクフルト中央駅から電車で約20分で到着します。

 

オーバーウルゼルの街が文書に登場するのは791年で、1444年には都市権が与えられました。街中を流れるウルゼル川(Urselbach)は、水力を技術的に利用するのに適しているため、おそらく14世紀以降、工場や水車が建設されたと思われています。そしてこれをきっかけに、町には活発な商業活動が展開されるようになったそうです。

 

1448年には、街には13の製粉所があったと言われています。そして工場や水車は、その後の数世紀の間に市場のニーズの変化に適応していき、現在も水力発電は2カ所で行われています。

 

街中の至る所には昔使われていた水車が残っており、タウヌスの玄関口呼ばれるホーヘマルク(Hohemark)という山の入り口付近からウルゼル川沿いに出る、全長14kmほどの「水車のハイキングコース(Mühlenwanderweg)」も観光客に人気です。道中には案内板があり、昔の水車跡などを42ヶ所も見て回れるコースです。

昔の水車。@tomogermany



ハイキングコースにある水車の案内板。@tomogermany



オーバーウルゼルの旧市街には、丁寧に修復された木組みの家々や、見ごたえのある教会が並んでいます。

可愛らしい街並み!@tomogermany



 

広場の風景。@tomogermany



街の象徴的な建物は、聖ウルスラ教会(St. Ursula Kirche)です。街にはカロリング王朝時代にまでさかのぼる古い建築の伝統があり、この教会も15世紀中頃から16世紀初頭にかけて、フランクフルトの大聖堂建築学派の影響を受け後期ゴシック建築で建設されています。

 

街の建物は30年戦争でほとんどが焼失したため、現在の最も古い建物は17世紀のものと言われています。聖ウルスラ教会も戦争後に修復されました。教会のある丘からは街も一望できます。



また、旧市庁舎(Historisches Rathaus)も街のシンボルになっています。この歴史ある旧市庁舎は、1479年にゴシック様式の城門の跡に建てられました。その歴史は、上記した街の歴史と密接に関係しています。

旧市庁舎の建物。かっこいいです!@tomogermany



1444年に都市権を獲得した街は、貿易が急速に発展し、市民の数も順調に増え、1481年、街を囲むように城壁が拡張されました。この城壁が軍事的な役割を終えた後、最初の城壁の一部の跡に市庁舎が建設されたのです。市庁舎には、バロック様式のレプリカで15〜18世紀の紋章が描かれています。

現在は、市の特別なイベントや結婚式で建物内の広間が利用されているそうです。 

 

旧市庁舎の前には広場が広がっており、その一角には近代地域博物館(Vortaunus Museum)があり、街の歴史について展示されています。

博物館の入り口。@tomogermany



そして旧市庁舎の門を潜ると旧市街が広がります。昔ながらの家々が立ち並び、木組み部分や窓枠、ドアがカラフルで可愛らしい風景を作っています。



ターコイズ色の壁の模様が特徴的!@tomogermany



こちらもなんだか素敵な景色。@tomogermany



私たちが訪れた日は、ちょうどジャズ音楽の小さなイベントが中で行われておりレストランや屋外スペースなど、街の至る所で生演奏がありました。雲は出ていましたが暖かい日だったので、多くの人で街中が賑わっていました。

 

自然に囲まれ穏やかな空気の流れる街なので、緑の映える今の時期に是非足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

もこちゃん

茨城県出身。幼いときにスイスに住んだことがきっかけで海外、特にドイツ語圏に興味を持つ。大学卒業後、ドイツ関係の仕事を転々とし、2018年からフランクフルトに在住。仕事後や週末の趣味はボルダリングやドイツ国内、ヨーロッパ各地の小旅行。

もこちゃん