【今週のドイツ語】bei jemandem auf Granit beißen
誰かに何かをお願いしたり、説得しようとしたけれど、なかなか相手を動かせなかったという経験、ありませんか?あの手この手で懐柔を試みても、相手が強硬でどうにも歯が立たないということってありますよね。今日はそんな時に使えるドイツ語表現をご紹介します。
bei jemandem auf Granit beißen
バイ イェーマンデム アウフ グラニート バイセン
Granitは「花崗岩」。硬くて頑丈なことで知られる石です。beißenは「噛む」なので、auf Granit beißenは「花崗岩を噛んでしまう」。最初のbei jemandemは「~のところで、~のもとで」というような意味で、「~」には交渉の相手が入ります。
「花崗岩を噛む」…そんなことしたら歯がボロボロになりそうですが、この慣用句は、まさに歯が立たない状態、例えば相手から強硬な抵抗にあったり、徹底的に拒絶されたり、いくら働きかけても無駄だったりすることを表わしています。
また、自分が何かをお願いされる立場だった場合も、この慣用句を使って「絶対うんと言わない」という態度を表せます。
例えば
Er hat mich gebeten, ihm Geld zu leihen, aber bei mir beißt er auf Granit.
彼にお金を貸してと頼まれたけど、絶対貸さないよ。
というように。ぜーったい無理!!というニュアンスですね。
(beißtはbeißenが主語に合わせて変化したものです)。
いくらお願いしても却下されるということは、裏を返せば花崗岩のように強硬な姿勢で守り抜きたいことがあるのかも。一方の歯がボロボロになる前に、お互いによく話し合うのがいいんじゃないかなー、なんて思います。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
画像をクリック、または「ドイツのことば図鑑」で検索してみてね!