【今週のドイツ語】in trockenen Tüchern
in trockenen Tüchern
イン トロッケネン テューヒャーン
日本では今日から新年度ですね。4月からの新生活に必要な手続きを3月中に終わらせたという方も多いのでは。今日は、そんな時に使えるドイツ語表現をご紹介します。
in trockenen Tüchern イン トロッケネン テューヒャーン
TücherはTuch「布」の複数形です。その前にあるtrockenenは「乾いている」という意味で、両方合わせて「乾いた布」。inは「~の中に」なので、in trockenen Tüchernで「乾いた布の中」となりますが…乾いた布の中って、何のことでしょうね。
この慣用句は「完了した、うまくいった」という意味で、主に契約や交渉、プロジェクトなどが計画通りに終了した時に使われます。いろいろな書類を作成したり証明書を取り寄せたりといった煩雑な手続きがすべて整った時に、
Ich habe alles in trockenen Tüchern! 「全部終わったよ!」
とか、
Der Mietvertrag für die neue Wohnung ist in trockenen Tüchern.「新しい住まいの賃貸契約を無事結びました」
というふうに使えます。
なぜ乾いた布の中にあるのが「うまくいった」ことになるのか、詳しくは分かっていないのですが、赤ちゃんのおむつが関係しているという説が有力です。濡れたおむつを替えると赤ちゃんはご機嫌になることから、乾いた布でしっかり包めばもう安心、すべて気持ちよく整った!という発想から来ているのではないかと言われています。比較的新しい表現で、1990年代以降、よく使われるようになったということです。
しかし「手続き完了」が赤ちゃんのおむつ替えと比較されるなんて、面白い発想ですね。これを使っているドイツ人たちは、良く出てくる表現なので、いちいちおむつを思い浮かべたりはしないと思いますが…。
来週もカラッと気持ちよく過ごせますように。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
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