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【今週のドイツ語】blauer Brief

©Miwako Kamo

【今週のドイツ語】blauer Brief

日本はちょうど新学期が始まるところですね。子どもの頃、真新しい教科書やノート、嬉しかったなあ。学校とおうちとのやり取りに使う連絡帳も新しくして。でも、連絡帳ではちょっと、というような学校からの重要で個人的なお知らせは、どんなふうにして届くのでしょう。たとえば、進級に関する大事なお知らせとか。

 

ドイツでは夏休み前が学年末なので、そのようなお知らせは少し早めに、4月中に送られてくることが多いようです。そんなお手紙のことを

 

blauer Brief ブラウアー ブリーフ

 

と呼んでいます。blauは「青い」、Briefは「手紙」で、そのまま訳すと「青い手紙」となります。

 

青いさわやかな手紙??いえいえ、手紙の中身は「お宅のお子さん、このままだと進級が危ういかも…」というこわーい内容です。ドイツでは、小学校のうちから、成績が一定の基準を満たさないと次の学年に進級できないことがあるんです(詳しくはこちらの過去記事をどうぞ! https://young-germany.jp/2021/05/sitzenbleiben-uberspringen/ )。

でも「青い手紙」はあくまでも警告で、学年末までにもうちょっと頑張ってね、というような趣旨ですから、必ずしも落第決定というわけではないんですよ。

 

ところで「青い手紙」と呼ばれていますが、実際には青くはなく、ごくごく普通の白っぽい封筒が使われることがほとんどだそうです。なのになぜ「青い手紙」というのでしょう。

 

「青い手紙」はもともと、昔のプロイセンの軍隊で、高官の人事など重要な事柄を通知する手紙だったそうです。内容が内容なだけに、中身が透けて見えないように色付きの厚い紙で作った封筒が使われていたのだとか。その色が青だったのですが、なぜ青かというと、プロイセン軍の色「プロイシッシュ・ブラウ(プロイセン・ブルー)」の古い軍服を再利用した紙を使っていたためだと言われています。昔はぼろきれが紙の主原料だったそうで、なんだかエコな話ですね。

 

現在、学校関係以外でも「青い手紙」という言い方をすることがあるのですが、その場合は、解雇通知だったり督促状だったり、もらうと顔が青ざめそうな手紙のことを指しています。でも封筒はやっぱり白か、今ならグレーっぽい再生紙かも。これも時代の流れですね。

 

Text by Kumiko Katayama 

 

今週のドイツ語
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