【今週のドイツ語】Sag mir, wo die Blumen sind
Sag mir, wo die Blumen sind
ザーク ミァ、 ヴォー ディー ブルーメン ズィント
2月の終わりに、ベルリンで大きなデモがありました。人々はブランデンブルク門の前に集まり、平和を祈って歌を歌いました。そのうちの一曲が
„Sag mir, wo die Blumen sind”
ザーク ミァ、 ヴォー ディー ブルーメン ズィント
という曲だったのです。メロディを聞けば「ああ、あの歌」と思う人も多いはず。日本でもこれまでにいろいろなアーティストがカバーしています。
タイトルのドイツ語を見ていくと、sag は、動詞sagen(ザーゲン「言う」)の命令形。mirは「私に」、woは「どこに」、die Blumenは「花(複数形)」、そしてsindはドイツ語のbe動詞に当たるもので、主語(ここでは「花」)が複数のときの形です。一気に説明しましたが、意味は「教えて、花はどこにあるの」。日本では「花はどこへ行った」のタイトルで知られています。
もともと1950年代に米国で生まれた曲で、歌詞のヒントになったのは現在のウクライナにいたコサックの民謡だったそうです。1960年代には、ベトナム戦争を背景に反戦歌として世界のいろいろな国でカバーされるようになりました。ドイツで知られるようになったのは、1962年に女優で歌手のマレーネ・ディートリヒがドイツ語で歌ったことがきっかけです。
歌詞の意味は、花はどこへ行った、少女が摘んでいった、少女は男性のもとへ嫁いでいった、男性は戦争へ行き、そしてお墓に入った、そのお墓は花におおわれ、その花を少女が摘んでいった…という内容。ドイツ語の場合、1番、2番…と続く歌詞の最後に必ず挿入されるのは「人はいつになったらわかるのだろう」という言葉です。
この週末も、平和を祈ってこの歌を歌いたいと思います。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
画像をクリック、または「ドイツのことば図鑑」で検索してみてね!