【今週のドイツ語】ein Fass aufmachen
ein Fass aufmachen
アイン ファス アウフマッヘン
樽と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?お祝いの樽酒?樽でじっくり寝かせたワイン?ビヤダルのようなお腹?
今週ご紹介するドイツ語は、「樽」を使った表現です。
ein Fass aufmachen アイン ファス アウフマッヘン
Fassがドイツ語の「樽」に当たる言葉です。aufmachenは「開ける」。
樽を開けると、その中のお酒を思い浮かべたくなりますが、この慣用句を一番よく耳にするのは「大して重要ではないことで大騒ぎをする」という意味で使う時です。些細なことで騒ぎ立てたり、ちょっとした行き違いを大きな問題のように大げさに取り上げたりすることを表しています。もともとは英語のmake a fuss「つまらないことで大騒ぎする」という言い回しの中のfuss (ファス「大騒ぎ」)がドイツ語のFassとよく似た発音だったため、いつしかドイツ語の表現と英語の表現がまじりあって定着したということです。外国語の受容にもいろいろな形があるんですね。
もちろん、樽の中にはワインやビールが入っていますから、開けたら飲みたくなるのは無理からぬこと。飲めばついつい楽しくて騒いでしまう…ということで、「大騒ぎをする」「盛大にお祝いする」という意味で使われることもあります。日本でも、おめでたい時に樽酒で鏡開きをしますね。言葉としてはよく似ていますが、ドイツ語の方は、神聖な意味はなく、どちらかというと「どんちゃん騒ぎ」というイメージです。
この週末、樽を開ける予定がある人、飲み過ぎと騒ぎ過ぎには注意しましょう。
Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
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