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夏にお散歩したい街、ゼーリゲンシュタット

夏にお散歩したい街、ゼーリゲンシュタット

2022年、明けましておめでとうございます。

まだまだドイツでは暗く寒い冬が続いていますが、段々と日が伸びてきたことを感じています。

今年もどうぞよろしくお願いします。

 

そんな今回は、少し気が早いかもしれませんが暖かいドイツの夏が待ち遠しいので、夏に訪れたヘッセン州とバイエルン州の境界の街、ゼーリゲンシュタット(Seligenstadt)を紹介します!

 

 

窓枠にお花が綺麗に飾られています。@tomogermany
 

 

マイン川沿いのゼーリゲンシュタットはフランクフルトから南東25kmに位置します。電車では、一回乗り換えて30分ほど。日帰りもできる距離ですね。

 



 

ドイツに9つある木組み街道の一つ、ライン=マイン=オーデンヴァルト・ルートに位置し、街中には可愛らしい木組みの家々が軒を連ねています。

 



 

この街は西暦100年にローマ人がこの地に砦を築いたことが始まりとされています。その後、815年にオーバーミュールハイム(Obermühlheim)として街の存在が文書に残っています。830年頃にカール大帝時代の伝記作家であったアインハルト(Einhard)によって街には象徴的なアインハルト・バジリカ(Kloster Seligenstadt St. Marcellinus und Petrus)の建設が開始されました。このバジリカは、初期キリスト教の殉教者マルケリヌスとペテロの墓の上に建てられ、礼拝所を巡礼した信者たちによって、「癒しと祝福の地」としてゼーリゲンシュタット(Seligは亡くなった後に天福を受けた、Stadtは街という意味)という名前に改変されました。バジリカはカロリング時代の建築様式を遺すアルプス山脈の北側で最も印象的なバシリカの一つであるとも言われています。

 
写真が下手ですみませんが、奥にあるのがバジリカです。@tomogermany
 

もう一つ、街の由来とされている話をご紹介します。アインハルトがカール大帝の娘エマと恋に落ちましたが、皇帝はこの愛を許さず二人を朝廷から追放してしまいました。長い年月の後、皇帝は狩りの途中で道に迷い、そこで親切な宿屋を見つけました。この家の宿屋の主人エマは、皇帝の好物である料理、つまりパンケーキを出したのです。これを見て、皇帝は、宿の主人が自分の娘であることに気づき、喜びの声を上げたそうです。「Selig sei die Stadt genannt, da ich meine Tochter wiederfand! 私が娘を見つけた街の名前に祝福を!」

 

 



 

また、街中にはフリードリヒ・バルバロッサ(Friedrich I. Barbarossa、神聖ローマ帝国フリードリヒ1世)の痕跡を見ることもできます。「赤い城」と呼ばれた12世紀末のバルバロッサの宮殿の跡があるのです。また、街中には「ロマニシェス・ハウス(Romanisches Haus)」という石造の建物が残っており、ここで12世紀にはバルバロッサ主宰の諸侯会議が開かれ、現在も文化行事などで使用されているそうです。

 
この川沿いの塔も、当時の要塞の跡です。@tomogermany
 

さて、街中を歩いてみましょう。旧市街はマイン川沿いから広がっており、中心地には広場があります。広場の周りには木組みの家々が立ち並び、レストランやカフェ、薬局などが並んでいます。

 


ドイツの小さな街のこういった看板がとても好きです。@tomogermany
 

広場から伸びる通り沿いにもカラフルな建物が立ち並び、どこを切り取っても写真になる風景が広がっています。

 
修復中の木組みの家。木枠は残して修理するんですね!@tomogermany
 
トイレのマークも可愛いです。@tomogermany
 

また、晴れた日の川沿いのお散歩も楽しいですよ。私が訪れたのはある晴れた夏の日。

川沿いには芝生が広がっており、私は川を眺めながら芝生でアイスを食べていたところ、たくさんのサイクリストが来ておりました。ゼーリゲンシュタットは、フランクフルトからサイクリングで訪れる目的地としても人気だそうです。

川沿いのサイクリングはきっと気持ちがいいのでしょうね!

 
穏やかで静かな川沿い。@tomogermany
 

そうそう、アイスといえば、バジリカのすぐ横にあるとあるアイスクリーム屋が大人気で、夏は常に行列ができているそう。訪れた際には要チェックです!

 

そして街中の至る所に下にあるような建築物の説明があります。ドイツ語だけなのが残念ですが、ドイツ人もよく訪れる人気な街ということがわかりますね!

 
建造物の歴史や特徴が説明されています。@tomogermany
 

 

今年はどんな年になるでしょうか。今年こそは、また自由に国の往来ができ、観光ができる年になりますように・・・

 

 

もこちゃん

茨城県出身。幼いときにスイスに住んだことがきっかけで海外、特にドイツ語圏に興味を持つ。大学卒業後、ドイツ関係の仕事を転々とし、2018年からフランクフルトに在住。仕事後や週末の趣味はボルダリングやドイツ国内、ヨーロッパ各地の小旅行。

もこちゃん