ゲーテ街道の美味しい旅⑥ゲーテが眠る世界遺産の町ワイマール
ゲーテ街道8都市を西から東へ訪ねるグルメ旅。ゲーテが人生の大半を過ごしたワイマールへやってきました。「古典主義の都」「バウハウス関連」と世界遺産を2つも有する見所満載の町。ゲーテの邸宅のそばには足繁く通ったレストランも残っています。
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1775年、26歳のゲーテは、ザクセン・ワイマール公国のカール・アウグスト公に招待されワイマールにやってきます。父親が急死したため若くして公国を統治することになったアウグスト公の熱心な誘いにより、ゲーテはこの地に移り住み、政治家としても活躍。後に呼び寄せられたシラーとともにドイツ古典主義を育くみ、文化都市ワイマールの発展に貢献しました。
「ドイツ古典主義」「バウハウス関連」2つの世界遺産をもつワイマールは、当時を偲ばせる建築物など世界遺産の対象となっているスポットがたくさんあり、町じゅうがアカデミックな雰囲気に満ちています。とにかく見所が多い町で、訪れるたびに新しい発見があります。
バウハウス関連についてはこちらの記事をどうぞ>>バウハウス旅ぐるめ1~ワイマール編
ゲーテが長年暮らした家は、「ゲーテ・ハウス」として一般公開されており、居間や書斎などほぼ当時のままの状態で見学することができます。寝室に置かれた肘掛け椅子は、ゲーテが息を引き取った時に座っていたもの。臨終の際に発した「もっと光を」という言葉が有名ですが、じつはこの言葉に哲学的な意味はなかったという説もあるそう。
ゲーテの家に隣接する博物館では、文学作品だけでなく、絵画や彫刻、鉱石など、膨大なコレクションが展示されています。文学や政治だけでなく、様々な分野への好奇心が旺盛で、またそれぞれの分野で活躍できてしまうゲーテの多才っぷりに驚くばかり。よくいわれていることですが、彼はまさに「天才」だったのですね。
ゲーテの家の庭には多彩な花やハーブが植えられ、ゲーテの自然科学者としての側面をうかがい知ることができます。ワイン好きだったゲーテらしく、ブドウの木もありました。
美食家として知られるゲーテは飲むことが大好きで、毎日のようにワインを何本も空けていたのだとか。ゲーテの家の向かいには、彼が足繁く通ったレストランが今も営業しており、ゲーテも食べたに違いない玉ねぎ料理など、ワイマールの郷土料理が味わえます。
ゲーテハウスが建つフラウエンプランは、雰囲気の良いレストランやカフェが集まる賑やかな広場。この一角にあるレストランで夕食をいただきました。
取材時は夏だったので、中庭の席がとても気持ち良かったです。
ゲーテ街道を旅した夏はついこの間だったような気がしますが、あっという間に冬に突入したドイツ。ワイマールをはじめとする東部は、今年は残念ながらクリスマスマーケットが中止となってしまいました。来年こそは、クリスマスの輝きが復活することを願ってやみません。
2021年は、これが最後のブログ更新となります。たくさんの方に記事を読んでいただきありがとうございました。来年も美味しいドイツ+αをお伝えしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
皆さま、どうぞ温かいクリスマスと、良い新年をお迎えください。