子どもと楽しむビール 〜ビール大国ならではの発想?!?!?

こんにちは!!
シュトゥットガルト近郊でやんちゃ男子2人を追いかけ回している ふくいWUみらい です。
「子どもと楽しむビール」というと、まるで一緒に飲むかのように聞こえますか?だとしたら、大変失礼いたしました。
ドイツにも、アルコール飲料は16歳になってから、蒸留酒類は18歳からという法律はあります。(日本は20歳からだから、ビールを飲めるようになるのは4年も早いですね!)
ただ、ここには「子どもも楽しめるところでビールを飲もう」という感覚があると思うんです。もしくは、ビールを飲むことが水を飲むくらい当たり前のこととしてそこにあるというか。。。これもきっと、家族を大切にする文化から来ているんではないでしょうか。
もちろん、ドイツにもお酒を飲まないよって人も、ビールは嫌いだけどワインなら好きよっていう人などたくさんいて、人それぞれなのは世界共通です。
ただ、やっぱりビール好きな人のビール愛が深いなぁと、個人的には感じます。
ではさっそく、具体的な話をしていきましょう!
公園付きビアガーデン
私がドイツに越してきて1番気に入っていることの一つが、公園付きビアガーデンです。
野外で規模が大きめのビアガーデンには、公園がついていることが多いです。また、中規模サイズのレストランでも、テラス席があると公園や小さな遊び場がついていることは珍しくありません。
つまり、ドイツのビアガーデンでは、親は子どもが楽しく遊んでいる様子を眺めながらビールや食事を楽しむのです。
日本の夏の風物詩の一つに、ビアガーデンがあります。今は色んなところができていますが、基本的なビアガーデンのイメージは、ビルの屋上で飲み(食べ)放題の時間制限あり。時間内に元を取ろうと(それは私だけ?)急いで何杯も飲む空間。私にとって、決して子ども(特に幼児)連れで行きたいところではありませんでした。
でも、ドイツでは、
「今日は天気がいいね」
「ビールでも飲みたいね」
「子どもたちも公園で遊ばせたいね」
「ほな、ビアガ行っとく?」
なんてその場の流れで気軽に行けます。
飲み放題制もなく、ビール1杯で何時間でもいることができます。もちろん飲まなくてもよし。もちろん飲みたい人は、まるで時間制限があるかのように飲むのもよし。
幼児の飲み物やおやつを持ち込んで特に注意をされたこともありませんし、1人一品以上頼むことといった決まりもありません。
開店時間も昼前から空いている所も多く、どちらかというと子どもの公園遊びがメインで行くことすらあります。どうせ子どもを公園に連れて行くなら、ビールとポメス(Pommes/フライドポテト)付きのところがいいやん!といった感覚です。
この長引くコロナ禍でも、屋外での規制は比較的緩い(飲み物食べ物を買う所とトイレだけマスク着用、入り口でアプリか用紙に記入で滞在時間を記録するなど)ので、特にこの夏のビアガーデンは私の心のオアシスでした。

ビアガーデンの公園1

ビアガーデンの公園2

ビアガーデンの公園3
ここは遊園地かと思ったら、これがビール祭りか!
秋はドイツはお祭りの季節。
規模の差こそあれ、ドイツ中の色んなところで地方色強いお祭りが開かれます。
そして、ちょうど今頃(9月後半から10月)は、本来ならビール祭りの時期。
世界最大のビール祭としてミュンヘンの「オクトーバーフェスト」(Oktoberfest)があまりにも有名ですが、シュトゥットガルトの「カンシュタット・フォルクスフェスト」(Cannstatter Volksfest/カンシュタット民族祭り)もミュンヘンに次いで2番目に大きいビール祭りです。規模でいうと、オクトーバーフェストで東京ドームの約9倍、カンシュタット民族祭りで約7.5倍の広さとか!
カンシュタット民族祭りの歴史は200年と長く、1818年に大飢饉の後に行われた収穫感謝祭として行ったのが始まりだそうです。イベント会場はカンシュタッター・ヴァーゼンという大きな広場で、この3週間のお祭りのためだけにビールテントや移動遊園地が建てられます。
移動遊園地と聞くと、トラックですぐ運ぶことのできるサイズ感のものをイメージするかもしれませんが(実際私がそうでした)、いやいやいやいや。それがもう、日本の地方遊園地くらいはあります。ヨーロッパでの最大規模の移動遊園地だそうです。
私は2019年の秋に初めて、そして1回だけ実際にカンシュタット民族祭りへ行ったことがあります。
会場に着くと、こんなに大きな26メートルもの柱(お祭りのシンボル「収穫の柱」フルフトゾイレ/ Holzsäule)や観覧車、ジェットコースターなどなどのアトラクションに、数々の大きなビヤホールテントから屋台の数に圧倒されたのを覚えています。

お祭りのシンボル「収穫の柱」フルフトゾイレ

移動遊園地のアトラクション一部(左/中央)とビール樽(右)
なんでこんなにすごいものが、たった3週間のために夢のように沸いて夢のように消えることができるのだろうか!?と最初は不思議な感覚に陥りました。
でも、今度は、お祭りで楽しい時間を過ごしているうちに日本の地元のお祭りを思い出して、懐かしいようななんとも言えない気持ちになりました。
日本にもとても魅力的なお祭りはたくさんありますね。
私は京都で生まれ育ったので、日本三大祭の一つ「祇園祭」を毎年楽しみにしていました。7月に入ると鉾が組み立てられ始め、コンチキチンの祇園囃子が流れ出し、数々の屋台、普段はメインストリートの四条通や河原町、烏丸通などが歩行者天国になること、本数を増やしているのにパンパン満員になる電車までも愛おしいくらいでした。その山鉾が建てられてから色んなイベントを経て祇園祭が開催されるのは全部で1ヶ月ほど。(→ビール祭りは3週間)
祇園祭は平安時代(今から1,100年以上前)に京都で流行した疫病を鎮めるために始まりました。(→カンシュタット民族祭りは大飢饉がきっかけでしたね。)
また、日本の夏祭りといえばみんな浴衣や甚平を着て出かけます。ビール祭では、ドイツの民族衣装(女性はディアンドル(Dirndl)ボディスと言われる胴衣、ブラウス、ミモレ丈スカート、エプロンの4つのパートからなるドレス。男性はレーダーホーゼン(Lederhosen)サスペンダー付きの革製半ズボン)を着て出かけます。

ドイツの民族衣装(左)ディアンドル/(右)レーダーホーゼン

レーダーホーゼンを着て踊る長男(当時2歳)

ビールテントの中
ドイツと日本では全く違う国なのに、お祭りとしての共通点がいくつも見つかり、妙に興奮してしまったのを覚えています。(久しぶりのビールでほろ酔いだっただけかもしれませんが。)
本題と話がずいぶんずれてしまいましたが、遊園地とお祭りが組み合わさったビール祭りは間違えなく子ども達にとっても夢の場所。
アトラクションや屋台での買い食い、大きな音に合わせてビール片手に踊る大人たちの横で踊ったり、テンションMAXで楽しんでいました。
さすがドイツ!ノンアルビールまで美味しいやないですか
私がドイツに越してきたばかりの時は長男授乳中、その後、二男妊娠と出産、また授乳、、、と続いたので、最初の2年間はお酒は飲めずじまい。
「せっかくビール大国に住んでいるのに〜!!!」と悔しがっている中、
周りがあまりにも、美味しい!安い!美味しい!(本当に水よりビールが安い勢い)と飲むので、
「ノンアル(Alkoholfrei Bier)は日本では飲まなかったけど、
ちょっと飲んでみるか。
・・・え、めっちゃ美味しいやん!」
と、まぁ、目の前にニンジンをぶら下げられた馬かのように、久々のビールと名のつく飲み物に鼻息荒く飛びついたわけです。だから余計に美味しく感じたという精神的理由がまず一つ。
でも本当に目から鱗の美味でした!
なので気になって調べてみたら、ちゃんと科学的理由もありましたよ。
なんと酒造工程が違うらしい。
日本の酒税法にのっとると、最初の工程から「ノンアルコールビール」を造らなければならず、ビールではない全く別の材料で一から「ビールのような味がする飲み物」を造るそうです。
一方ドイツでは、「完成したビールからアルコール分だけを抜く」という造り方。つまり、本物のビールと成分がほぼ同じ!いろいろ添加物を入れる必要もないから、そりゃあ美味しいはずですね。
しっかりしたビールの味を楽しめるドイツのノンアル。ドイツはもちろん、日本でも手に入るようなので、ぜひ試してみてください。ビール好きママの強い味方です。
「子どもと楽しむビール」まとめ
というタイトルを掲げていながら、話はだんだん自分がビールを飲みたい。ビール祭りに行きたい。という方向にずれていったように思います。
申し訳ございません。
まずはちゃんと謝っておきます。
ただ、やっぱりオクトーバーフェストやカンシュタット・フォルクスフェストもそうですし、祇園祭もそうです。もう2年連続で中止されてしまいましたよね。
祇園祭は今年は一部山鉾だけ建てたようですが、それも、目で見るだけでも楽しんで欲しいという思いもあったようですが、もう一つの目的は山鉾建ての技術継承。1000年以上も受け継がれてきた職人技を、ここで絶やすわけにはいかないからだそうです。
規制生活もここまで長引くと、そういった私たちが思いもよらない影響もたくさんでてくるだろうなぁ。。。と思うと、とても心苦しいです。
ドイツでも、ビアガーデンや屋外レストラン、家の庭などで個人的にビール祭りをしている人たちを見かけます。
そんな人々の思いが叶い、お祭りも、旅行も、いつか世界をまたぐ行き来が自由にできるように、、、そこまで贅沢を言わずとも、、まず何より、普通の平穏な生活ができる日々に戻ることを願っています。
その日が来るまで、少しだけでもドイツにいる気分になっていただけたらと思って、そして、私もビール祭り行きたいなぁと思って書きました。
今年はクリスマスマーケットはやる方向だというニュースが、今のところ出ています(このニュースは、9月末現在のシュトゥットガルト周辺についてのものです)。もちろん、いろいろ規制はあるようですが、それでもいいです。
クリスマスマーケット、きっと、きっと実現されますように。
ブラートブルスト(Bratwurs/ 焼きソーセージをパンに挟んだもの。でも、ホットドッグとは違う。)をかじりながら、ビールに温かいワイン(グリューワイン/Glühwein)をすする冬がきますように。