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Vol.10 モノを長く使っている方が、かっこいいという価値観

Vol.10 モノを長く使っている方が、かっこいいという価値観

 

こんにちは!

 

皆さんは、最新の商品を持っていることをかっこいいと感じますか?

それとも、お気に入りのものを長く大切に使っていることをかっこいいと感じますか?

 

どちらも素敵で魅力的、かっこいいと思います。

 

しかしベルリンでは、「お気に入りのものを長く大切に使っていることをかっこいい」という風に表現する場に多く出くわすように感じます。

 

今回は、そんなお話をしたいと思います。

 

より古いモノに価値がある、という考え方

例えば、友人のおうちに遊びに行ったとき。お部屋にあるものをいろいろと説明してもらうかと思います。

 

そのときに多いセリフが「これ、○○年前からずっと使ってるの」「親の代から、もしくはおじいちゃん・おばあちゃんの代から使っているよ」というもの。

 

友人が来たら、自分のお部屋にあるものをちょっと自慢したくなりますよね。そのときに使われる言葉が、「新しいもの自慢」よりも「古いもの自慢」の方が多い印象です。

 

ものを捨てずに、長く大切に使っている方がかっこいい、という感覚なのです。私はもともとアンティークや味のある古いものが好きなので、「こんなに古いものがあるの?!」と、いつもワクワクしています。

 

個人的な感覚ではありますが、東ドイツ出身の方の方がその傾向が強い印象です。ものを大切に、工夫して可能な限り長く使う。無駄に新しいものを買わない。不要になったものは捨てずに、必要な友人に渡す。歴史的背景が関係しているのかもしれませんが、とても優しい習慣で素敵だな、とわたしは思います。

 

家も新築よりも古い方に価値があるという考えです。

新築のものをノイバウ、100年以上建っているものをアルトバウと言います。アルトバウの方が価値が高く、人気です。

 

ベルリンに住んで5年、幾つかのアパートメントに滞在してきましたが、大切に管理されているアルトバウほど、美しいものはありませんでした。


 

上記の写真は、今まで住んだアウルトバウの1つで、お気に入りだった階段の手すりです。

登る度に、頭を撫でていました。笑

 

かすれている様子が、きっと私だけでなく、長い間多くの人たちに頭を撫でられて、愛されていたことが伝わってきます。

 

魅力的なサステナブルな商品もどんどん生まれてきているけれど…?

近年、環境に優しく、ファッショナブルでサステナブルな商品がどんどん生まれてきています。”サステナブル”がトレンドになり、”サステナブルな商品”を買い、”サステナブルな商品”で揃えたライフスタイルがかっこいい!という風に、日本のメディアで見かけることが多くなってきました。

 

新しいものを買うときに、環境に配慮した”サステナブル”な商品なのかを選ぶことは大切ですが、その前に「本当にそれを買う必要があるのかどうか」を少し考えてみてほしいです。

 

その商品を買わなくても、今あるものが実はまだ使えるのではないだろうか…?もしそうなら、ぜひその今あるものが使えなくなるまで使い切ってみてください。

 

そして、どうしても新しいものに買い替えなくてはいけなくなった場合、”サステナブル”な商品を選んで買ってください。

 

そうしないと無駄にモノを消費してしまうことになります。

 

トレンドな最新サステナブル商品を持ってることが、かっこいい。ということも、もちろん広まっていったらいいなと思うのですが、「モノを長く使っている方が、かっこいい」という感覚も、もっと広まっていったらいいな、と最近ベルリンで考えています◎

 

 

KiKi

イラストレーター/コラムニスト

西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。

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