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【今週のドイツ語】Körner ziehen

【今週のドイツ語】Körner ziehen

Körner ziehen
ケルナー ツィーエン

いよいよパラリンピックが開幕しました!またまたアスリートたちの活躍から目が離せない毎日になりそうです。今回は、そんな選手たちを応援しながらつい口をついて出てしまいそうなドイツ語をご紹介します。

Körner ziehen ケルナー ツィーエン

Körner はKorn (コルン、穀物の粒)の複数形。ziehenは引っ張る、引き出すという動詞です。直訳すると「穀物を引き出す」になりますが、そのままでは何のことか分かりませんね。どうしてこれがスポーツと関係があるのでしょう。

この表現はスポーツ中継やスポーツの記事でよく使われるもので、Körnerは体にまだ残っている力、エネルギーを表しています。ziehenは、ここでは頑張って引っ張り出すことで、両方をつなげると「最後の力を振り絞る」「力を出し切る」という意味になるのです。

この言い回しにはいろいろなバリエーションがあって、例えば
die letzten Körner mobilisieren 
ディー レツテン ケルナー モビリズィーレン
残った力を総動員する

alle Körner einsammeln und einsetzen 
アレ ケルナー アインザンメルン ウント アインゼッツェン
すべての力をかき集めて注ぎこむ

Körner sparen   
ケルナー シュパーレン
エネルギーを温存(して配分)する

といった表現がよく出てきます。どれもKörner を「(最後の)力」という意味で使っています。

もとは自転車競技でよく使われていたようですが、今では自転車だけでなく、長距離走やサッカーなど、持久力がものを言うスポーツ全般で使われています。

なぜエネルギーを穀物で表すようになったのか詳しいことは分かりませんが、筋肉の中に残されているエネルギーの「粒」を穀物の粒と見立てるような表現も時々見られます。

ドイツでは小麦やライ麦、燕麦など様々な穀物がパンやミューズリーとして毎日の食卓に上ることを考えると、力の元となるものをKörnerと呼ぶようになったのは自然なことなのかもしれません。

日本だったら「最後のご飯粒をかき集めて」という表現になっていたでしょうか。おにぎりにするぐらい集まらないと力が出ないような気もしますけど。

今回、ドイツチーム最初のメダルは、自転車トラック女子3000mパーシュート、デニス・シンドラー選手の銅メダルでした。応援してくださった皆様、ありがとうございました!

©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama

今週のドイツ語
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