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世界遺産の小さな街、ゴスラー

ゴスラー(Goslar)という街をご存知でしょうか?

知っている方はドイツ通!この街は隠れたドイツの世界遺産の町なのです。

旧市街の街並み。@tomogermany

みなさんこんにちは。ドイツの可愛らしい街の紹介を中心にブログを執筆しているもこです。今回ご紹介するのはハルツ地方にある小さな世界遺産の街、ゴスラーです。

ハルツ地方はドイツの中心部のやや北に位置しているニーダーザクセン州(Niedersachsen)にあり、中世時代には魔女が住んでいるとも言い伝えられていました。

 

その中でも、ランメルスベルク鉱山(Rammelsberg)の麓に位置する ゴスラーは中心的な都市で鉱山の町として栄えました。発掘される豊かな銀から、神聖ローマ帝国時代の主要都市となり、以後ゴスラーは11世紀半ばまで教会会議や帝国会議などが開かれていました。 そして1992年にはユネスコ世界遺産に登録されました。1980年代後半には資源が枯渇したことから鉱山は閉ざされてしまったのですが、その街並みの美しさから、現在は観光地として栄えています。

私が訪れたのは、ロックダウン緩和後の6月だったのですが、平日にもかかわらずドイツ人観光客が多くみられました。

 

ゴスラーの旧市街は、駅から徒歩で5分ほど。まず目に入るのが、石造の門。街側からはこんな可愛らしい男女の像も建っています。

@tomogermany

ゴスラーの街の特徴は、白黒を基調とした木組み作りでうろこ状の屋根・壁の家々。旧市街にある建物のうち3分の2は1850年代よりの物で、中世に建てられた物も数多く残っています。街には可愛い小川が流れておりそれも素敵な景観を作り出しています。

ゴスラーを中心とするハルツ地方のブロッケン山には魔女が住んでいて4月の最後に魔女が冬の終わりのお祝いをするという伝説があり、これはゲーテの「ファウスト」にも描かれているそうです。そのためゴスラーのお土産やさんやカフェでは、魔女の人形や魔女をモチーフとしたものを見かけます。

この「魔女のお祭り」は現在でもハルツ地方に残るお祭りで、「ヴァルプルキスの夜(Walpurgisnacht) またはヘクセンナハト(Hexennacht、魔女の夜)」と呼ばれ4月30日から5月1日にかけて各地で行われています。

残念ながら昨年と今年はコロナウイルスの影響で中止(縮小)となってしまったそうですが、いつかは訪れてみたいお祭りの一つです。

さて、ゴスラーの旧市街に戻りましょう。

 

石瓦で覆われた壁が特徴の家々は、神戸の異人館「うろこの家」のモデルになったとも言われています

ゴスラーには2つの広場があります。1つ目の小さい広場は聖ヤコブ教会(St. Jakobus der Ältere)の前の広場で、火曜日と金曜日にはマーケットが開かれています。

そこから、さまざまなお店が立ち並ぶ目抜き通りを進むとマルクト広場にたどり着きます。とても大きなこの広場には市庁舎があり毎日9時、13時、15時、18時には鐘が鳴り響きます(Glockenspiel)。市庁舎は15世紀の建物で、特に豪華に装飾された信奉の間(Huldigungsaal)は市参議会などの会議に使われていました。

広場の真ん中には噴水があり、金色の帝国の鷲(Reichsadler)が輝いています。

広場は噴水を中心に放射状に作られています。

金の鷲の噴水と奥に見えるのが市庁舎。@tomogermany

また、広場横には素敵な建物のレストランが立ち並びます。

もう少し南に行くと、小川が流れており、ゴスラーの歴史が展示されている博物館(Goslarer Museum)があります。その他にもツィンガー博物館(Museum Zwinger)や楽器と人形の博物館(Musikinstrumente- und Puppenmuseum)など豪華な建物の博物館も見どころです。

旧市街の南側の小高い丘の上には皇帝居城(Kaiserspfalz)が建っています。

私が行ったには、小さな結婚式が開かれていました。

青空と緑の芝生にお城が映えますね。@tomogermany

このお城は11世紀にハインリヒ3世により築かれました。お城内部に入るには入場料がかかりますが、ガイド案内もあります。

 

ゴスラーの繁栄を支えたランメルスベルク鉱山は現在一部が博物館となっており、ゴスラーからはバスで向かうことができます。ガイドツアーはドイツ語のみですが、ゴスラーの歴史を知りたい方、鉱山や採掘現場に興味がある方はぜひ訪れてみてください。

 

そうそう、もう一つ、ゴスラーで驚いたことがあります。それは…私が頼んだランチの内容!笑

「ジャガイモのオーブン焼き(Ofenkartoffel)、ギュロス(Gyros、ギリシャ風ラム肉)とザジキ(Tzatziki、ギリシャのヨーグルトソース)付」という料理があったので、ジャーマンポテトのように小さく切ったじゃがいもを少しカリッとさせた料理を想像していたのですが…

@tomogermany

どん!っと、ホクホクしたほんのり甘い丸ごとジャガイモにソースとお肉が大量にのった料理が出てきました!想像していた料理と違ったのでびっくりしましたが、おいしかったです。笑

ジャガイモ好きな方は、ぜひドイツにいらした際にお試しください!ボリュームたっぷりです。

 

ゴスラーの旧市街はコンパクトにまとまっているので、半日あればゆっくり歩いてもみて回れる大きさですが、フランクフルトからゴスラーまでは、ゲッティンゲン(Göttingen)もしくはヒルデスハイム(Hildesheim)経由で3時間半から4時間ほどかかります。

そのため、日帰りには少し急ぎ足になってしまうかもしれません。

ハルツ地方には他にも素敵な街があるそうなので、時間があればゆっくり泊まりがけで訪れるのも良いかと思います。

それでは、また来月お会いしましょう!

著者紹介

もこちゃん

茨城県出身。幼いときにスイスに住んだことがきっかけで海外、特にドイツ語圏に興味を持つ。大学卒業後、ドイツ関係の仕事を転々とし、2018年からフランクフルトに在住。仕事後や週末の趣味はボルダリングやドイツ国内、ヨーロッパ各地の小旅行。

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