【今週のドイツ語】Butterbrot
Butterbrot
ブッターブロート
学校や仕事で一番楽しい時間は?と聞かれて即「お弁当の時間」を思い浮かべた幸せな人、手を挙げて!最近では日本発キャラ弁が「カワイイ」文化と相まって世界に広がり、Bentoという言葉が定着しつつあります。反対に、世界のお弁当事情をテレビ番組やSNSで垣間見るのも楽しいものですね。
そんなお弁当カルチャーのグローバル化の波にもめげず、ドイツで頑なに守られている伝統的お弁当が、本日取り上げる Butterbrot ブッターブロート です。
Butterは「バター」、Brotは「パン」。Butterbrotは「バターを塗ったパン」です。
パンと言っても日本のような白いふわふわのパンではありません。グレーがかった褐色のやや明るめの色をしたRoggenmischbrot(ロッゲンミッシュブロート、ライ麦と小麦のパン)から、闇のように黒い粒々がかたまったPumpernickel(プンパーニッケル、ライ麦の粗びき全粒粉パン)まで、ドイツの黒パンは実に種類が豊富です。それをごく薄くスライスしたものに、新鮮なバター(基本的に無塩)を厚い層になるまで塗ったもの。それがドイツの正統派ブッターブロートなのです。
…と言いたいところですが、やっぱりちょっと寂しいので、実際にはもう少しだけ豪華にチーズやハムをのせたりはさんだりします。具をのせれば、本当はbelegtes Brot (ベレークテス ブロート、具をのせたパン)と名前が変わるはずですが、その辺はあまり気にせずButterbrotで通します。バターを塗ったパンを超えて、お弁当に持って行くパンなら何でもButterbrotと呼んでいるようですね。地方によって、Stulle(シュトゥレ)、Knifte (クニフテ)、Dubbel(ドゥッベル)などの呼び方もあります。
Butterbrotは半透明のButterpapier(ブッターパピヤ、直訳するとバター紙。オーブンペーパーのような紙)に包むか、ブッターパピヤでできた紙袋に入れて持って行くことが多いようです。これに、青りんご(赤でもいいけど)がまるごと一個付けば大満足。プラスチックの容器に、にんじん(切らずにまるごと)やきゅうり(こちらは日本の3倍ほどの大きさなのでカットする)などと一緒に入れてカバンにポン!と放り込むことも。
日本の塩むすびや梅干しおにぎりみたいに、シンプルだけど味わい深いButtebrotは、ドイツ人の永遠のソウルフードなのです。
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
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