ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

春夏のライン川下り(後半)

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春夏のライン川下り(後半)

さて、前回はライン川下りの前半ということで、リューデスハイムからバッハラッハまでの行程を記載しました。
今回の記事では、バッハラッハから更に川をくだり、ボッパルトまで向かった体験を紹介いたします!

バッハラッハ @tomogermany



バッハラッハを後にして、しばらくいくとラインラント・プファルツ州のカウプ(Kaub)という街に入ります。川の中洲には、昔関所であったと言われる白・赤・灰色3色の小さなプファルツ城(Burg Pfalzgrafenstein)が建っています。

丸みを帯びたフォルムのプファルツ城。@tomogermany



そして、街の丘の上にはグーテンフェルス城(Burg Gutenfels)が聳え立っています。

丘の上に聳えるグーテンフェルス城。@tomogermany



お城は13世紀に建てられ、軍事上の拠点とされていました。また、プファルツ城に通関の拠点が移るまでは、このお城がライン川を通行する船の徴税の役割も担っていました。
その後ホテルとして経営もされましたが、2006年に閉館され現在は個人の邸宅となっているそう。きっと素敵な邸宅なことでしょう…

川の反対側に「美しい城」という名前の通りの赤色のシェーンブルク城(Schönburg)が見えてきました。もともと12世紀に建設されましたが、17世紀に一度廃墟となり、現在の形となったのは19世紀だそうです。お城は現在ホテルとして宿泊も可能です。中世に迷い込んだかのような内装と、ワイン畑とライン川の絶景が楽しめるため、国内外の観光客のに大人気だそうです。

ちょっと遠く離れて見えますが、こちらがシェーンブルク城。 @tomogermany



たまに反対側からも船が通ります。@tomogermany



さて、次に見えてくるのは、詩の舞台となったローレライ(Loreley)です。ローレライは、ライン川の水面から突き出た岩山、そして、その岩山にいると言われる妖精の意味があります。このあたりはライン川の中でも川幅が急に狭まり流れが早いうえ、急カーブとなっており、また水面下には岩礁があることから、かつては多くの船の転覆事故がありました。そしてその事故は、この岩上に住むローレライという妖精が、綺麗な歌声で船乗りを魅惑し、船が飲み込まれていってしまうという伝説に発展しました。
ハインリヒ・ハイネの詩にジルヒャーが作曲した歌曲は有名となり、ローレライの伝説が広く知られることになりました。
(船内では、ローレライの音楽が流れます!)

ローレライの岩山。険しいです! @tomogermany



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次の停留所であるザンクト=ゴアルスハウゼン(St. Goarshausen)から、ローレライまではバスで移動ができ、ライン川を一望するとともにライン川の自然や文化の展示がされているローレライセンターを訪れることもできます。

ローレライを過ぎると猫城(Burg Katz)が現れます。かわいらしい名前で、なんとなく外見も猫のように見えますが、もともとの城主フォン・カッツェンエルンボーゲン(von Katzenelnbogen)の名に由来します。(「カッツェ」はドイツ語で猫の意味です。)また、この城主も猫のような顔をしていたとかしていなかったとか・・・

猫城も通行税を徴収する目的で1300年代に建てられ、一度戦争で破壊されますが、19世紀に修復され復活しました。

猫城!城の塔がなんとなく猫の耳に見える・・・?@tomogermany



次々と絶景が現れるライン川下りですが、カラフルで可愛らしい街が見えてきました。ザンクト=ゴアール(St. Goar)です。街の丘の上にはラインフェルス城(Burg Rheinfels)が建っています。ラインフェルス城は猫城よりも先、1200年代に建てられ、通行税徴税拠点とされていました。また一度に度重なる再建や修復によって、ドイツでも最も強固な城と言われています。
現在はこの城も古城ホテルとして大変人気です。絶景に加え、廃墟がたくさん残っていることから、廃墟ツアーも人気の理由となっているそうです。

ザンクト=ゴアールでは多くの観光客が下船します。@tomogermany



右上に見える旗が立っている城がラインフェルス城。 @tomogermany



ザンクト=ゴアールを出発してからは、大きなお城や街はありませんが、ここから約50分間、ゆっくりと船上でコーヒーやビールを飲みつつ景色を眺めつつ、最終目的地ボッパルト(Boppard)まで残りの船の旅を楽しみます。

さてボッパルトに到着しました。ボッパルトの最大の見せ場は、展望台「ゲデオンスエック(GedeonsEck)」です。船を降り、川沿いを散歩しながらリフト乗り場に向かいます。リフト乗り場でチケットを購入し、チェアリフトに乗り込みます!ここから20分間、ライン川の絶景を眺めつつ、どんどん丘の上へと上がっていきます。

ボッパルトの川沿いの建物は優雅な雰囲気。@tomogermany



チェアリフトで山の上まで登っていきます。 @tomogermany



到着して展望台まで少し歩くと、そこからの景色は息を呑む美しさが広がります。ボッパルトは、ちょうどライン川が大きく蛇行している場所となっており、この展望台からはその自然の雄大な眺めを味わうことができます。

展望台からの絶景。@tomogermany



展望台のレストランで、ライン川を眺めつついただくワインは格別の味がしました!@tomogermany



今回私たちは日帰り旅行だったため、ボッパルトまでしか行けませんでしたが、クルーズはライン川とモーゼル川が合流する街、コブレンツ(Koblenz)まで行くことができます。観光船の終着地近く、2つの川の合流地点はドイチェス・エック(Deutsches Eck)と呼ばれ、散歩道や公園が広がっています。

また、モーゼル川周辺にも小さくて素敵な街が数多く存在するので、またいつかご紹介できればと思います。

ドイツはようやく半年以上にも続くロックダウン終了の兆しが見え始め、多くの都市では条件付きでテラスでの飲食も可能となりました。久しぶりの光景に少し感動を覚えつつ、このまま状況が良くなることを祈るばかりの日々です。

それでは、また自由に旅行ができる日まで、皆様もお身体に気をつけてお過ごしください。

すぐ横から、おじさんがパラシュートで飛び立ちました! @tomogermany

もこちゃん

茨城県出身。幼いときにスイスに住んだことがきっかけで海外、特にドイツ語圏に興味を持つ。大学卒業後、ドイツ関係の仕事を転々とし、2018年からフランクフルトに在住。仕事後や週末の趣味はボルダリングやドイツ国内、ヨーロッパ各地の小旅行。

もこちゃん