【今週のドイツ語】Iss auf, dann gibt es morgen gutes Wetter!
Iss auf, dann gibt es morgen gutes Wetter!
イス アウフ、ダン ギプト エス モルゲン グーテス ヴェッター!
今週、東京は晴れで始まり、曇りから雨まで変わりやすいお天気でした。気温も夏日から肌寒い日までいろいろでしたね。
日本の気象庁は、日中最高気温が25℃ (77℉) 以上だと夏日、30℃(86℉)以上を真夏日としています…ところで、なぜわざわざカッコの中に華氏(℉)?
日本もドイツも摂氏(℃)を採用しているのに?と思った皆さん、わざとらしい演出にお付き合いいただきありがとうございます。
華氏を表すFは、17-18世紀のドイツの物理学者、Gabriel Fahrenheit(ガブリエル・ファーレンハイト)の頭文字です。1686年の今日、5月14日に誕生したと伝えられるファーレンハイト(一説では5月24日とも)は、水銀温度計を発明し、華氏の温度を設定しました。今日はその功績をたたえる「温度計の日」なのです。
前置きが長くなりましたが、そのファーレンハイトさんの記念日に、お天気という言葉を使ったドイツ語の表現をご紹介します。
"iss auf"は"aufessen" (アウフエッセン、「全部食べる、たいらげる」)の親しい相手に対する命令形。dannは「そうすれば」、morgen 「明日」、gutes Wetter「良い天気」。
つなげると「残さず食べなさい、そしたら明日はお天気になるよ」。
子どもがなかなかごはんを食べない時に、ドイツのお母さんやお父さんがよく使う決まり文句です。
でも、どうして残さず食べたらお天気になるんでしょう。
お母さんもお父さんも、それを聞かされて育った子どもたちも、あまり深く考えたことがなさそうですが、実はこれ、ある誤解から生まれたという説があるんです。
本来は北ドイツで使われていた慣用句で「全部食べたら、明日もまたおいしい料理が食べられるよ」という意味だったのですが、「また」に当たるwieder(ヴィーダー)をこの地方の方言でwedder (ヴェッダー)と言うため、お天気のWetter(ヴェッター)と勘違いされ、このような言い回しが広がったと考えられています。
もともとは、食べ物が手に入りにくかった時代に、残さず全部食べれば、明日は残り物ではなく新しく作ったものが食べられるよ、と言って子どもに食べさせようとしたようです。
この考え方、現代にもつながりますよね!今風に訳すならこんな感じ?
「残さず食べてね。食品ロスを出さず持続可能な社会に貢献すれば、気候変動対策にもつながるよ!」
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
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