【今週のドイツ語】jemanden auf den Blocksberg wünschen
jemanden auf den Blocksberg wünschen
イェーマンデン アウフ デン ブロックスベルク ヴュンシェン。
今日4月30日から5月1日にかけての真夜中、ドイツの中央部からちょっと北寄りの山地で、極めて重要な集会が行われます。特殊な飛行物体に乗って、平均年齢数百歳の参加者たちがこの山を目指す…と言えばご存知の方はもうお分かりですね。
今夜は年に一度のヴァルプルギスの夜。一昔前(と言っても魔女たちにとってはついこの間)にはファウストとメフィストフェレスが、最近では小さい魔女も参加した伝統的なお祭りです。
例年なら、大勢の魔女と悪魔がこのハルツ山地で一番高い山、ブロッケン山に集合し、一緒に踊り狂うはずでしたが、今年は魔界の一大イベントも御多分に漏れずオンライン開催になるとかならないとか…。
というわけで今週のドイツ語はjemaden auf den Blocksberg wünschen (イェーマンデン アウフ デン ブロックスベルク ヴュンシェン)。
Blocksbergはブロッケン山(Brocken, こちらの綴りはlではなくrです)の別名。
wünschen は「望む」ですが、何を望むかというとauf den Blocksberg 「ブロッケン山の上へ(ドイツ語学習者の皆さん、auf den (4格)になっていることに注目!つまり方向を表しています)」。魔女や悪魔が集う、人間界から遠く離れた場所へ、という気持ちが込められています。
また、 jemanden は「誰かを」を意味する代名詞ですが、ここにいろいろ「ブロッケン山へ送り込みたい人」を当てはめて、魔女たちのもとへ追放してしまえるんです。
例えば、普段は仲の良い相手と些細なことで口論したとしましょう。相手にムカついて一言「あんたなんかブロッケン山へ行っちゃえ!! 」彼女は(sie)、彼を(ihn) ブロッケン送りにしたかったんですね。Sie wünscht ihn auf den Blocksberg … 顔も見たくない、どこか遠くへ行ってくれないかな、そんなニュアンスです。
でも、今夜ブロッケン山へ送られたら大変。
魔女に捕まったら最後、大鍋に放り込まれてもう帰って来られないかもしれません。
いや、楽しい宴に迎え入れられるかも?
実はハルツ地方のあちこちで、いつもなら実際に魔女や悪魔に仮装した人たちが繰り出してお祭りが開かれるのですが、今年は本当にオンラインで開催するようですよ。
https://walpurgis.harzinfo.de/ab-30-april/ (ハルツ観光連盟ヴァルプルギス特設サイト・4月30日開設、ドイツ語)
©ドイツ大使館 / Text by Kumiko Katayama
今週のドイツ語
これまでに紹介した今週のドイツ語が本になりました。
「見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑」 というタイトルで、これまで3年以上に渡ってこのサイトで連載をしてきたものを、大幅に加筆修正し、さらに詳しくわかりやすく、そして面白く、例文や関連用語なども載せて紹介しています。
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