作者に聞く
ドイツ大使館 絵画コンテスト「わたしのドイツ」には毎年たくさんの作品が送られてくるんだ。
スペースに限りがあるため全ての作品を展示することはできないんだけど、約150点の作品を大使館アトリウムに展示。
大使館が開館しているときは作者である小・中学生は学校に行かなければいけない為、毎年11月23日の勤労感謝の日(大使館は開館!)にオープンデーを設けて応募者とそのご家族、コンテスト協力者に展示を観てもらってたんだけど、昨年は新型コロナの影響で実施できなかったんだ。
それでも折角の展示なので、コンテスト参加者限定で事前予約と新型コロナ対策をお願いした上での観覧実施をレーペル大使が快諾。
年末から年始にかけて作者とそのご家族が多数来館したんだ。
作品について説明を聞いた職員さんが「なるほどそういう意味が込められていたのか!」と感激した作品の一部をご紹介♪
冒頭の作品『日独を結ぶ車両デザイン』はドイツパンのブレッツェルを中心にそこから日本の新幹線とドイツのICEが向かってくる迫力の構図。
この作品を描いたケンゴさんは大の電車好きで、この日本の新幹線を描いた理由を尋ねると、
「ICEとこの500系新幹線をデザインしたのが同じドイツ人だからです」と回答。
調べてみると確かにドイツのインダストリアルデザイナーのアレクサンダー・ノイマイスターさん(⇒ウィキペディア)がデザイン。
今回のテーマである「日独交流160周年に向けて」にピッタリの作品ですニャ=^_^=
そして次はこの作品。
タイトルは『ヴリーツェンに咲く桜とDr肥沼』。
Dr肥沼はみなさんにはあまり馴染みが無いかもしれないけど、実は以前ブログで紹介。⇒ドイツなドキュメンタリーをご紹介
作者のユキホさんにDr肥沼こと肥沼信次(こえぬま のぶつぐ)氏をどうして描いたのか尋ねると、今回のテーマから地元である八王子とドイツの関係を調べて、八王子出身の肥沼氏を描くことを決めたんだって。
ドイツでチフスやコレラなどの疾病対策に尽くし多くの住民や戦争難民の命を救う中、自らもチフスに罹患し37歳という若さで亡くなった肥沼氏。
ドイツのヴリーツェン市(ブランデンブルク州)は氏に名誉市民の称号を与え、その縁をきっかけに八王子市とヴリーツェン市の間で交流が始まったんだ。
この絵に描かれている建物は現在のヴリーツェン市庁舎で、第二次世界大戦後には伝染病医療センターとして利用され、肥沼氏が患者の治療に尽力した場所。
手前には肥沼氏の記念碑と、氏が「桜が見たい」と言い残し亡くなったというエピソードから桜の花びらも描かれてる・・・
日独交流160年の歴史の中の大切な日本人のひとりですニャ=^_^=
(7. Januar 2021)
「ドイツ大使館ネコのきまぐれブログ・アーカイブ」 ⇒ http://nekoblog-yg-japan-archive.blogspot.jp