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ドイツのクリスマスと人気クリスマスソング

クリスマスに登場するドイツの伝統工芸品「くるみ割り人形」

ドイツのクリスマスと人気クリスマスソング

12月に入り、厳しい寒さへと突入したドイツ。12月16日からドイツ全域で再び「ロックダウン・ハード」となり、ケルンでも日用品店などを除くお店やレストラン、美容院やトレーニングジム、そして学校や幼稚園など、人が集まる多くの場所が閉まっています。

また、今年はほとんどの都市でクリスマスマーケットが開催中止となり、いつもは賑わいを見せている街も、今年は例年よりも静まりかえっています。

 

今年もクリスマスマーケットが開かれるはずだったケルンのノイマルクト広場



毎年盛大なクリスマスマーケットが開かれていた場所も、今年は人出が少ないガランとした広場に。ここには沢山の屋台が出ていて、様々なクリスマス名物を見たり、買ったり、食べたり飲んだりすることが、寒くて薄暗いドイツの冬を越す一つの楽しみでもありました。

 

特にドイツ人に人気の串刺し肉



毎年一度は飲むクリスマスマーケット名物のグリューワイン



いつものようにマーケットの屋台からクリスマスを満喫することはできませんが、クリスマスの楽しみ方がドイツには沢山あるので「ステイホーム」しながら今年のクリスマスを楽しみたいと思います!

 

クリスマスまでワクワク、アドヴェントカレンダー

ドイツのクリスマス期間は長く、12月25日の4週間前くらいから「アドヴェント」というクリスマスまでのカウントダウン期間が始まります。そこからはもう街やお店がクリスマス一色となり、皆クリスマスの準備に大忙し。クリスマスマーケット開催は中止になっても、ロックダウンになる前の街やお店はキラキラしていました!

有名なドイツのクリスマス菓子「シュトレン」もこのアドヴェントが始まった時から食べ始められて、毎日少しずつスライスしては食べながらクリスマスを待つというのがドイツのクリスマスまでの楽しみ方の一つです。

 

店に並ぶシュトレンの山



いよいよ12月に入ると、アドヴェントカレンダーを開け始めることができます。今や日本でも大人気のアドヴェントカレンダーはドイツが発祥です。クリスマスまでの日にちをカウントダウンする子どもに向けて作られたものが多く、12月1日になると子供達は友達同士で『1日目のアドベントカレンダーには何が入ってたー?』なんておしゃべりして楽しんでいます。

因みに私も生徒から『先生のアドヴェントカレンダー、1日目は何が入ってたのー?』と聞かれました。(笑)

1日目に何が入っているか、子供たちにとってはかなり重要なようです。

 

スーパーやデパートなどでもたくさん見かける一般的なアドヴェントカレンダー



一方で、最近では大人向けのメイク用品、料理用スパイス、お茶やお酒などもあったりして、様々なアドヴェントカレンダーに私も目移りしてしまいます。またドイツの家庭では、昔からの伝統を受け継いで親御さんがアドヴェントカレンダーを手作りなさるところも多く、子供たちへの愛を強く感じます。

 

手作りアドヴェントカレンダーはそれぞれのプレゼントに日にちが書いてあり、1日に一つずつ開けていく。



幼少期に遊んでいたおもちゃのお家で作ったオリジナルアドヴェントカレンダー



アドヴェントカレンダーは、クリスマス期間中に毎日ちょっとしたワクワクがもらえる、そんな特別なカレンダーです。

 

ドイツで人気のクリスマスソング

ロックダウンが始まる前までは、この厳しい状況のなかでも街はクリスマス一色。デパートや街の小売店などは少しでもクリスマスを盛り上げようと頑張っていた様子でした。

このおかげで私もクリスマス気分でウキウキしていました!

 

煌びやかなデパートのクリスマスコーナー



今年は特に色々なことが起こった年だったので、「こういう時だからこそ家族との、または大切な人たちとの時間が今までより一層大切になった」と皆さん言っています。また、「普段よく会っていたおじいちゃんやおばあちゃんと、今まで通りに会えなくなってしまってすごく悲しい。」と私の生徒達からの声もよく聞きます。

 

人気のサンタクロースもこんなに!



このような状況でも、クリスマスプレゼントの準備をしたり、「歌っている時ってとっても幸せを感じるよね!」とクリスマスソングを口ずさみながら笑顔でそれぞれのクリスマスを楽しみに待っています。

そんな彼らを幸せな気分にさせてくれる人気のクリスマスソング、中でもドイツ発祥のクリスマスソングを3曲ご紹介します!

 

 

Lasst uns froh und munter sein

 

まずは12月6日の「聖ニコラウスの日」を祝うために歌われる曲、『楽しく元気に』です。

 



 

歌詞の内容は、「楽しく元気でいよう、聖ニコラウス祭の夜はもうすぐだ、寝ている間にニコラウスがプレゼントを持って来てくれる…」と主にこのような意味です!

ニコラウスとは3~4世紀に生きていた伝説の聖人。この曲の歌詞に出てくる、「子供達が眠りにつくと、靴や靴下の中にプレゼントを入れてもらえる。」という所は、まるでサンタクロースのよう!

それもそのはず、聖ニコラウスはサンタクロースのモデルになった人物と言われています。

 

聖ニコラウスのチョコレート



またドイツでは、このニコラウスの日が近づくとスーパーなどにも聖ニコラウスの格好をした人がやってきて、子供たちにプレゼントを配ります!

子供達はみんな大喜び!

 

去年の聖ニコラウスの日にスーパーで行われていたイベント



この歌は12月6日を過ぎると歌われることは少ないと言われますが、特に子供達には大人気のクリスマスソングで、とにかくよく歌われる曲です。

 

 

O Tannenbaum

 

2曲目は日本でも歌われる曲、『もみの木』です。実はこの曲、ドイツ発祥のクリスマスソングなんです。

 



 

ドイツでは12月6日の聖ニコラウスの日が終わると「もうすぐ待ちに待ったクリスマスだ!」という雰囲気になり、各家庭では本物の「もみの木」を買い、皆それぞれの飾り付けをして本格的にクリスマスの準備を始めます。

 

スーパーの前で売られているたくさんのもみの木



本来クリスマスツリーの飾り付けはクリスマス・イヴに行うのが慣わしですが、現在ではその日よりも前に飾り付けをして、長いクリスマス期間にキラキラ光るツリーを眺め、楽しみたい人達もちらほら。

クリスマスツリーの飾り付けをしていると思わず口ずさみたくなるこの曲。こんな風にクリスマスのための沢山の準備をしながら「聖なる夜」を楽しみに待つのです。

 

ドイツ人の友人宅にて飾られているクリスマスツリー



毎年この時期は、ピアノのレッスンで弾く曲もクリスマスソングが大人気。この『もみの木』も私の生徒たちの中でとても人気が高い曲の一つです!

 

 

O du fröhliche

 

3曲目はドイツの教会でもよく歌われる曲、『いざ歌え、いざ祝え』です。ドイツでは「1番大切なクリスマスソング」と多くのドイツ人が声を揃えて言います。

 



 

子供だけでなく大人にも人気のこの曲は、12月25日のクリスマス当日と26日の第二クリスマスの両日に教会でよく歌われるため、ドイツ国民にとってそれはとても大事な曲となっています。

 

第二クリスマスってあまり聞いたことのない響きですね。

 

ドイツにはクリスマスが2日間あり、12月26日までが正式な「クリスマス」となっていて、クリスマスイヴを含む12月24、25、26日の3日間は、ドイツ人にとってとても特別で大切な日です。

「この曲はメロディーがとっても綺麗!これぞ『ザ・ドイツ』のクリスマスソングだよ。」と多くの人に言われている美しい旋律とハーモニーが奏でる名曲で、この曲を聴くとすぐにヨーロッパのクリスマスをイメージさせてくれます。

 

 

今年のクリスマスは、ドイツのクリスマスやクリスマスマーケットをイメージしながら、暖かい部屋でこの曲たちを聞いて過ごすのはいかがでしょうか。きっと来年は本場ドイツのクリスマス気分を味わってみたくなるはず。

 

 

*動画は全て許可を頂いて載せています

久保田早紀

東京都出身。2010年に招待された夏期国際音楽祭をきっかけに「ドイツでピアノを学びたい!」と強く思うようになる。翌年大学卒業後、ケルン音楽大学大学院に入学、ドイツ語もままならないまま初めての一人暮らしがスタート。異国の地ドイツで厳しい洗礼を受けながらも、多くの音楽仲間に支えられながら修士課程を修了する。その後、デトモルト音楽大学にて更なる研鑽を積み、ドイツ国家演奏家資格を取得。ドイツ各地で演奏をしていく中、聴衆からの暖かい言葉に心を打たれ、ドイツでの演奏活動を精力的に続ける。また、自分を大きく成長させてくれたドイツへの感謝の意も込めて、複数の音楽学校にて後進の指導にも力を入れている。突然のハプニングも笑って過ごせるようになってきたケルンひと筋、もうすぐ10年目。カフェとお散歩が大好きなフリーランスピアニスト。

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久保田早紀