【今週のドイツ語】fremdschämen
(sich) fremdschämen
(ズィヒ) フレムトシェーメン
この言葉は非常にドイツ語らしい、他の言語には(おそらく)ない表現です。
fremd は「他人の」や「外国の」といった意味で英語の foreign に当たります。
sich schämen は「恥ずかしく思う」、「恥じる」という意味です。
直訳すると「他人を恥ずかしく思う」といった感じでしょうか。
これは、日本語にもちょうどいい訳語はありません。
おそらく誰でも感じたことのある思いを一言で表した、便利な(?)動詞なのです。
例えば、政治家や著名人の発言を聞いて、「うわぁよくこんなことが堂々と言えるな、聞いてるこっちが恥ずかしいよ・・・」と思ったことはありませんか?
はたまた、家族や友人が、例えばひどく酔っ払ったりして大声で騒いだり暴れたりして「やめてよ、本当に恥ずかしい・・・」と感じたり。
それこそが fremdschämen です。
このなんとも言えない感情を、スパっと一言で表すことができるのが、なんだかとてもドイツ(語)らしいなぁと感じます。
ちなみにこの言葉は比較的新しく、2000年代に入ってからの新語と言われています。同じドイツ語圏のお隣オーストリアでは、2010年に「今年の言葉」に選ばれたんだそうです。
©ドイツ大使館
今週のドイツ語
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