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ドイツパンへの3ステップ-選び方と食べ方教えます

サンドラさんが「どうしてもこだわってしまうもの」として、パンに関してだけは譲れない、ドイツ人魂を語っておられました。

うんうん、わかるわかる、とドイツ在住歴30年の日本人である私もうなずきながら読んでしまいました。

私は、2017年に『ドイツこだわりパンめぐり』という旅エッセイ本を出版しているのですが、これはいろいろな意味で思い入れが深い本です。というのが、ドイツのパンって調べれば調べるほど奥が深くて種類も多くて、地域別の特徴もあって…この小さな本の中ではすべてを書ききれず、それが少し心残りです。そのぶん、パンにまつわるエピソードや周辺の話をいろいろと書いています。同年に出版された森本智子さんの『ドイツパン大全』では、もっと多種類のパンが紹介されており、ドイツパンの奥深さが詳しく書かれていておすすめです。

さてドイツのパンといえば、私もドイツに来て初日に「パンが買いたい」と言ってドイツ人に連れていかれたお店に黒パンしかなくて、カルチャーショックの最初の洗礼を受けた記憶があります。

私の母は家でパンを焼く人で、日本で育った子ども時代の朝食はいつも母のお手製パンでした。それは白い小型のロールパン。それが私の「パン」の原風景だったわけですが、ドイツではまず、パンのサイズが250g以上の大きいものでないとBrot(パン)とは呼ばれません。それ以下の小さなものはBackwaren(小型パンや菓子パン)になるのです。

そしてドイツ人の多くが愛するのは、ずっしり感のあるライ麦系の黒っぽいパン。小麦100%の白パンは、心なしか存在感が薄めです。

そういうわけで「日本の白パン文化」で育った私が踏んだ「ドイツの黒パン文化」への適応ステップ。今回は、それを踏まえて私が個人的に好んでいるパンの選び方と食べ方を紹介したいと思います。

ちなみにこれは、あくまでも私が考えた個人的なステップです。ご了承ください。

まず、ドイツパン初心者におすすめのパンはこちらです。

①小麦混合パン(Weizenmischbrot)

小麦70%、ライ麦30%の黄金比。色は白っぽい薄茶で、もっちりした食感もあり、白パン寄りのライ麦入りパンです。欠点と言えば風味が落ちるのが早く、数日で硬くなってしまうことでしょうか。

これに何を組み合わせて食べるかというと…

バターとチーズという、パンの親友たち。

私はこのパンには、グリュイエールやコンテなどのハードチーズを合わせるのが好きです。

そしてドイツのジャムと言えば特におすすめなのがサクランボのジャム!

コクと渋みがあって、主張の強いドイツのパンにぴったりです。

次は中級編です。

②ディンケルのパン(Dinkelbrot)

ディンケル(スペルト小麦)100%のパン。ディンケルは小麦と比べてグルテン成分が少なく、味わいも素朴です。ライ麦に比べてクセがないので食べやすく、個人的にはこのパンを買うことが一番多いです。

スープのお供に、バターを塗っただけのパン。ちなみにスープはニンジンのクリームスープです。このバターの塗り方は、ドイツ人の基準からするとかなり甘い方です。パンの表面が見えなくなるくらい真っ白に塗るのがドイツ式スタンダードと言えます。

クリームチーズにハーブを散らして。ハーブは何でもお好みのものでよいのですが、たまたまディルがあったので合わせてみました。クリームチーズもいろんな種類がありますが、私はホースラディッシュ入りがお気に入りです。

そして上級編…

③かぼちゃの種入りライ麦パン(Kürbiskernroggenbrot)

ライ麦70%に小麦30%、プラスかぼちゃの種という組み合わせです。ライ麦度が高いこの混合率は、ドイツパンの王道とも言える人気の高さを誇り、まさにドイツパンの「ずっしり」感が味わえます。

ビアシンケンとザウアークラウトを合わせました。ライ麦パンの主張の強さを受け止めるのにぴったりなコンビです。ビアシンケンは、ハムとソーセージをパッチワークしたようなタイプのハム。ハムにちりばめられている緑色のものはピスタチオです。

ズッキーニとパプリカのペースト(Pappcino)に、フライパンで焼いたズッキーニをのせてみました。ドイツパンに塗るスプレッドは、バター同様厚塗り推奨です。

ドイツパンの種類はこれ以外にも山のようにあり、3000種以上と言われていますが、ここで挙げた3種類が、私がおもにふだん買って食べているパンです。

ドイツパンと付き合う心得としては

1)パンの特徴を考えて、主張の強いパンには主張の強いものを組み合わせる。

2) バターもスプレッドも基本厚塗り推奨

3) 住んでいる街で、お気に入りのパン屋さんを見つける

の3つを大切にしています。

著者紹介

見市 知

みいち・とも。東京都出身。ライター、ドイツ在住。東西ドイツ統一の年に渡独、ベルリンの東側に1年住む。この時、統一直前の「東ドイツ」を体験した思い出をもとに旅エッセイ、『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(産業編集センター)を執筆。このほか、『ドイツ クリスマスマーケットめぐり』『ドイツで100年続くもの』などの著書がある。 ドイツの中でも大好きなものは、北ドイツのバルト海の自然風景。しかし、なぜか南ドイツに住んでいます。 Twitter: @gutereise_

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