留学後の大学3年生が受けた、心に残った日本での授業
こんにちは、オンライン授業に未だ慣れない磯貝理津子です。 私にブログを書く資格が今もあるかわからないのですが、お役に立てればという気持ちで今回執筆することにしました。 とある留学生は、留学後どのような経緯で気持ちを新たにドイツ語に向き合っているのか、留学後にこういった過ごし方もあるんだなということをシェアさせていただきたいと思います。 この点は、自分も留学中に帰国したらどうしようと考えていたことだったので、もしかしたら同じ悩みを持っている人へ寄り添えるかもしれないと考えました。 ただ、わたしは外国語学部ドイツ語学科生ですし、2年生の秋から3年生の夏の時間をドイツで過ごしたという年齢的に一年くらい早めの留学生活を送っていた感触があります。みなさんと重ならないところがあるかもしれません。その点はすみません。 帰国した昨年秋、ドイツ語で行われるいろいろな授業を受けましたが、全部に言及すると大変長いので、まずとても心に残った授業1つに焦点を当てさせていただきます。担当の先生からもっと詳しく書いていいという許可をいただけましたら、今後さらに掘り下げたいです。 私は、自分の関心のある政治、そしてFreiburgで学んでいた環境•再生可能エネルギーの分野の授業を主に選択し、受講することにしました。 その中でもっとも心に残った授業は”日独環境比較研究”という授業です。 この授業では毎回、ある再生可能エネルギーとその発電方法1つに着目し、はじめに映像で発電の仕方、環境への影響等、それにまつわる様々なことを学びます。 そして、ドイツと日本での運用を知り、最終的には比較できるよう、先生が用意してくださるドイツ語の文献を読んでドイツ語で自分なりの意見や文献等をプレゼンします。 初めて聞く発電方法もあり、自分が知らないことは多いなと達観するような気持ちもありましたが、それよりも新しく知識を得られる期待とときめきの方が大きかったです。 例えば地熱発電のメカニズム、ドイツでは地熱発電とその土地の人々がそれをどう理解しているのか、その状況を日本で作れるのか、もし作ったら、政治や地方自治体の反応はどんなものか想像までしたりします。 日常生活で毎日使う電気ですが、電気が生まれることで発生するそれに対する人の感情や電気を作るまでにかかる現実的なコストなどは普段考えにくいと思います。また、自分が使うために発電される電気、これを発電する装置は年数が経つとどうなるのか、捨てるならどうやって捨てるのか、法律ではどんな決まりがあるのかという事柄も自分には馴染みがありませんでした。とても新鮮でした。 授業は全てドイツ語です。 質問もドイツ語、回答もドイツ語、5限に行われるこの100分間は一週間のうちで一番大きいミッションのような存在でした。 最終レポートは12月中旬に提出したのですが、ドイツ語で市民エネルギーについて書きました。 この春も、ドイツ語で行われる政治や環境の授業を取り、発表を聞いたり行ったりしたいと思ったのですが、別件で文章を書いている忙しさのために思うように履修登録できませんでした。残念です…。 大学に入ったばかりの時は、漠然と単位をしっかりとって卒業できればいいと思っていましたが、自分の興味の方向がわかっただけでも成長できたのではないかと感じます。 恋愛は幼いほど燃えるという言葉を耳にしたことがあります。 それは何事にも置き換えられると思うのです。幼くて自分がやりたいことがわからない時は、とにかくなんでもできるところまで取り組むスタンスでした。自分に何が合っているかの取捨選択は上手にできなかったですし、無我夢中だったと思います。 そして、そのように一生懸命になって目の前のことをおこなっても、熱がずっと続くものは少ないです。 でもその過程は重要で、自分にとって何が本当に大事なのかを見つける時間です。今、こうして関心があることを見いだせているおかげで、自分はそのことをより知ろうと思いますし、そのほかのことに関してはある意味比重が小さくなったので余裕も生まれました。しかしながら、私も21年しか生きていないので、あまりに少ない人生経験のなかで多くを語れませんし、これから学ぶことの方がもっと多いはずです。 森羅万象に対して関心を持つことは、悪いことではありませんが、その中で何に焦点を当てるか、この先どんなことを学びたいのか、そういったことを考えるタイミングがいつの日か来ることを、最近実感しました。 また今後も勉強を続けていきたいと思います。 肉体が滅びても魂は生き残ることが正しければ、この文章を、私の言葉が好きだった家族が読んでくれることを願います。 磯貝理津子
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