ドイツ郷土料理図鑑【東部ドイツ編】
今回は久しぶりの「ドイツ郷土料理図鑑」シリーズ。これまでにドイツ南・西・北部とお届けしてきまして、残すところは東部(地図の緑色の部分)となりました。ドイツの首都ベルリンや、東西ドイツ分断時代に東側だった地域には、どんな名物料理があるのでしょうか? 料理編とスイーツ&ドリンク編、2回に分けて紹介していきます。
*地域ブランドとあるものは、EUの地理的表示保護制度により地域特産品として登録商品となっているものです。
アイスバイン Einbein
ベルリンの名物料理の代表格。豚の骨付きすね肉を長時間塩水に漬けこみ、玉ねぎ、セロリなどの香味野菜、クローブなどのスパイスと一緒に煮込んだもの。マスタードを付けていただきます。
ケーニヒスベルガ―・クロプセ Königsberger Klopse
ケッパーとサーディン入りの肉団子にホワイトソースをかけたベルリンの名物料理。名前は旧プロイセン(ドイツ北部からポーランドにかけての地域)の都市ケーニヒスベルグに由来します。
カリーヴルストCurrywurst
焼きソーセージにカレー風味のケチャップをかけた全国的人気のファストフード。発祥の地は諸説ありますが、特にベルリンのソウルフードとして知られています。かつては「カリーヴルスト博物館」もありました。
シュプレーヴァルト産きゅうりのピクルスSpreewälder Gurken
少数民族のソルブ人が多く住む水郷地帯シュプレーヴァルトは、ピクルス用きゅうりの産地として有名。マスタードやスパイス風味など様々なピクルスがあります。
*地域ブランド
テューリンゲン風焼きソーセージThüringer Bratwurst
焼きソーセージの代表格。炭火でグリルするのが正統派とされます。テューリンゲン地域で作られ、既定の材料を使用したものだけが正式にテューリンガーと名乗ることができます。
※地域ブランド
テューリンゲンのクロースThüringer Klöße
すりおろしたじゃがいもとマッシュポテトを丸めて茹でたポテト団子。ドイツの肉料理の付け合わせの定番で、一般的にはクヌーデル(クネーデル)と呼ばれることが多いですが、テューリンゲン地方ではクロースと呼ばれます。
ワイマール郊外には「Thüringer Kloß-Welt」(テューリンゲンのクロースの世界)という、なんともマニアックな博物館まであるんです。>>参考記事 https://allabout.co.jp/gm/gc/460743/
ザクセン風ザウアーブラーテンSächsischer Sauerbraten
酢や赤ワイン、スパイスなどでマリネした牛肉の蒸し煮。大きなポテト団子(クロース)と紫キャベツの煮込みが添えられます。全国で食べられる料理ですが、ザクセンでは漬け汁にバターミルクが使われることもあるよう。
ライプツィガー・アラライLeipziger Allerlei
にんじん、カリフラワー、カブなど季節の地産野菜、きのこ、ザリガニなどを入れた温野菜の盛り合わせ。Allerlei(あらゆる種類の)とあるように、様々な種類の食材が使われます。ライプツィヒの名物料理。
こうやって並べてみると、東部の郷土料理もバラエティ豊かですね。皆さんの好きな料理はありましたでしょうか?
じつはドイツ東部は郷土菓子の宝庫でもあるんです。
次回は東部の名物スイーツとドリンク編をお届けします。