ドイツはやっぱりハグの文化?
みなさん、明けましておめでとうございます。
1月はバタバタせず、ゆっくりと一年をスタート・・・・するはずが、年が明けた途端やたらとバタバタしております。
でももうじき締切も終わるので、そうしたら、ゆっくり友達と会いたいな、なんて思ってます。
さて、久しぶりにお友達に会うと・・・・ドイツ人の場合はやっぱりハグというか「抱き合う挨拶」が多いですね。
そして「ホッペにキス」というのもドイツでよく見る挨拶。Bussiというやつですね。
そう、自分のホッペと相手のホッペをくっつけてチュッとやるアレです。私のミュンヘンの友達だと、まず右頬にチュッ、それから左頬にチュッとやって、更にもう一度右頬に戻ってチュッとやる「3回チュッ」のスタイルが多かったです。
でも色々と調べてみたら、どうもドイツでは私達のような「3回チュッ」のバージョンもあるにはあるのですが、全体的には「2回チュッ」のほうが多いみたいなのです。
お隣のフランスのモンペリエなどでは「3回チュッ」がスタンダードのようですので、この「3回」はもしかしたらフランスかぶれのミュンヘン人が導入したものなのかもしれません(笑)…と冗談はさておき、このホッペとホッペを合わせて“チュッ”とやる挨拶には気をつけたい点がいくつかあります。
・相手が厚化粧をしている場合は、あまりギュッと肌と肌が触れないように気をつけましょう。まあドイツにはそもそも厚化粧の女性はあまりいませんが、相手のホッペのパウダーの色が自分にくっついたり、逆に自分の口紅(あ、今は横文字でリップスティックと言うのですよね・・・)が相手のホッペにべっとりつくのは避けたいところです。
・相手が化粧をしていなくても、濡れた唇でキスはダメです。乾いた唇であるべし。
・一番無難なのは、唇が相手の頬に触れず、あくまでもホッペとホッペを合わせるだけにして、唇でチュッと「音だけ」出すことですね。これが一番エレガントかもしれません。
・ザクッとしたルールですが、親しい間柄の場合、耳の近くに「チュッ」とやって大丈夫ですが、それほど近い間柄でない場合は、同じホッペでも耳から遠い部分に「チュッ」が正しいです。
ここでニッポンの男性諸君に注意です。女性に「チュッ」の挨拶をするとき、ここぞとばかりに、くっついちゃいけません。チュッとやったら、速やかにパッと女性から離れるのが、マナーでございます。ジトッとくっついたまま、余韻を楽しんではいけないというわけです。
まあドイツと既に接点のある日本人男性の場合は、上記のようなことは言うまでもないのですが、念のためのご忠告でした。
ところで、タイトルの「ドイツはやっぱりハグの文化?」ですが、ドイツを含む欧米は比較的体に触れることが多い文化だと思います。前にテレビを見ていたら、「日本の『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船、石炭産業』が世界遺産に登録が決まった瞬間のニュース」が流れていました。日本の世界遺産が決定したその瞬間、会場の欧米人が日本人にかけよって、日本人に抱きついていたのですが、私はその映像の中で、日本人女性が「後ずさり」をしたのを見逃しませんでした(笑)かけよった欧米人達は「おめでとう!」の意味を込めて日本人に抱きついたのですが、ニッポンでは人に抱きつく形での祝福や挨拶は、少なくとも公共の場では一般的ではないため、抱きつかれた日本人女性は思わず、後ろに下がってしまったのですね。
これ、ニュースでは「めでたい瞬間」として放送されていましたが、別の意味で、よくこんな面白い映像をごくごく普通に放送できるなあ~、なんて思ってしまいました(笑)
ドイツも含めてヨーロッパだと、めでたい時には抱きつくっていう、まあハグの文化ともいえる文化が確かにあるのでした。
ところで、私のように20年以上も日本に住んでいると・・・・ハグもほとんどしなくなりました(笑)挨拶で抱き合ったりもしないですね。
ニッポンにいるので、外国人同士(または外国にルーツがある者同士)であっても、ニッポン流の挨拶が「しっくり」くるのでした。
ところで、今年2020年はいよいよ【東京オリンピック】の年です。夏にはたくさんの外国人観光客がニッポンにやってきます。欧米人でたまに「胸の前で両手を合わせて合掌するポーズ」をして、それがニッポンの普段の挨拶だと勘違いしている人がいます。そう、あの滝川クリステルさんが東京オリンピックの誘致スピーチの際にやった「お・も・て・な・し」の前後にやった合掌ポーズのことです。
欧米人に「合掌ポーズ」で挨拶されてしまったら、「ニッポンの挨拶はタイ式の合掌ポーズではなくお辞儀!」だと粘り強く教えてあげましょう。まあ2週間も日本にいれば、ニッポンの挨拶についても自然におぼえることでしょう。
スポーツには全く興味がありませんが、2週間といえど日本人と外国人の交流が多くなるのは喜ばしいことです。挨拶もそうですが、ニッポンへの誤解が解け、ニッポンへの理解が深まる2週間となりますように。
今年2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
サンドラ・ヘフェリン