ドイツのクリスマス
ドイツのクリスマスシーズンは第1アドヴェントから始まります。
12月25日のクリスマス当日までの4週間を Advent アドヴェント(待降節)と言い、クリスマスを祝うドイツの多くの人々にとっては一年で最も大切な4週間と言えます。
アドヴェントの期間に欠かせないものが Adventskranz アドヴェンツクランツです。これは簡単に言えば、リースに4本のろうそくを立てたもの。
アドヴェントの4週間の最初の日曜日(つまりクリスマスから遡って4つ前の日曜日)は第1アドヴェント、その次の日曜日は第2アドヴェント、その次は第3アドヴェント・・・と4週間の間、日曜日ごとにアドヴェントを迎え、第1アドヴェントの日曜日の朝には1本目のろうそくに火を灯します。第2アドヴェントの日曜日には2本目、その次の日曜日には3本目、と毎週一本ずつ火を灯していくと、クリスマスまでの気分も高まります。
アドヴェントの期間中は、ドイツ全土のあちこちでクリスマスマーケットが開かれ、たくさんの露店が立ち並びます。グリューヴァインを飲みながら友人たちとお喋りをしたり、クリスマスツリーの飾りやプレゼントを買ったりすることもできます。
この時期だけのクリスマスのお菓子もたくさんあります。
最近では日本でもたくさん見かけるようになったStollen(シュトレン)。ドイツでは特にドレスデンのものが有名かつ人気です。
クリスマスのクッキーにも色々な種類があります。
ここでは2種類のレシピをご紹介します。ぜひ作ってみてください。
バニラキプフェルのレシピ
シュピッツブーベンのレシピ
こうしてクリスマスの4週間前から街も家庭もクリスマスのムードとなります。
ある統計によれば、家族構成が3人以上のドイツの家庭の約8割はクリスマスには家にツリーを飾るのだそうです。しかも、そのうち約90%は本物のモミの木です!
でも、実はドイツではクリスマスツリーの飾りつけは、伝統的に12月24日に行います。24日の昼間に居間にツリーを立て、家族皆で飾り付けるのです。
中には、飾り付け中はツリーとプレゼントの置かれた部屋の扉を閉めて隠しておくという親たちも。これは、24日の夜に皆でクリスマスプレゼントの箱を開ける時に、飾られたツリーとたくさんのプレゼントで子どもたちを驚かせたいという思いからだそうです。
ちなみにツリーの専門家(?)は、配送中にぎゅっと縮こまってしまったモミの木の枝葉が再びきれいに広がるように、前日の23日には居間に立てておき、翌日ツリーがきれいな形になってから飾り付けることをおすすめしていましたよ。
しかし、この伝統も時と共に変わってゆくものです。
特に近年はアメリカやイギリスの影響が大きく、ある調査によると、現在では15%の人が12月24日よりもずっと早くにツリーを飾るのだそうです。
一方で、半数弱の人は12月24日の少し前に、また3割弱の人は今でも伝統的に24日に飾り付けを行うそうです。中には、あまり早くにツリーを飾ってしまうとクリスマス当日まできれいな緑色の葉をつけていてくれるか心配だから、という人も。
こうして24日までにはほとんどの家庭でツリーが飾られ、夜になると多くの人は家族と共に食卓を囲みます。
伝統的な料理にはガチョウのローストや、鯉を使った料理などがあります。
もう一つ、この日に忘れてはいけないのが、子どもたちが楽しみにしているプレゼント!
日本では、24日から25日にかけての夜に、サンタクロースがやってきて良い子にプレゼントを持ってきてくれますね。そのため、子どもたちは25日の朝にプレゼントを開けることになります。
でもドイツでは、24日の夜に皆でプレゼントを開けるのです。
翌12月25日と26日は、クリスマスの祝日です。
祝日ですのでドイツのお店は皆お休みで、街も人通りが少なくとても静かな雰囲気となります。
日本ではクリスマスを過ぎるとツリーや飾り付けはすぐに撤去され、雰囲気は一気に年末年始へと切り替わりますが、ドイツでは今も多くの家庭で、伝統的に1月6日の三王来朝の日まで飾られます。
三王来朝の日とは、キリストの誕生を知った3人の賢者が星に導かれてやってきた日のことで、ドイツではカトリックの影響の強いいくつかの州で祝日となっています。
この1月6日前後に、ほとんどの自治体がツリーを無料で回収してくれ、これをもってクリスマスシーズンは終わりとなります。
ちなみに、余談ですがクリスマスシーズンが終わるとクリスマスツリー投げ大会なんていうのもありますよ。
©ドイツ大使館