驚きのドイツ食文化(?)、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」に迫る! 第一弾
巷はハロウィン一色ですね〜!
ドイツでは、ハロウィンに限らず、フォークをグッサリと刺して血まみれになった(?)ケーキが時々出てくるのですが、ご存知でしょうか?
さて、今回はドイツ最大の謎(?)
「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」を掘り下げたいと思います!
2015年にはじめたハッシュタグ、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」。
最初はInstagramで、次にTwitterで発信してみたところ、この問題が顕在化されたためか、怒涛のようにドイツ各地から、衝撃の写真入りの目撃情報が集まりました。
さらには、ドイツだけでなくチェコやイタリア、遠くはニュージーランドなどでも、数は少ないもののフォーク(時にはスプーン)が刺さっているという報告が!
アップしてくださった皆様、本当にありがとうございます〜!
ぜひ、今後とも見かけた時にはこのハッシュタグを入れてツィートして頂けましたら嬉しいです!!いつか分布図を作りたいと考えています♪
→これはチェコはプラハのイタリアンレストランで、食後にブラマンジェを頼んだ時に登場したもの。。ふわっと柔らかいミルキーなブラマンジェにも容赦無く。すでに形が崩れてるし……
さて実は、このハッシュタグに入れた「何故」は、本当に理由を知りたいというより、「なんでこんなことするの〜?!」という、ご飯に箸を刺す行為を怒られてきた日本人には考えられない、ショッキングな行為への批判を込めてのものでした。
一本ならまだしも(?)テーブルに座っている人数分のフォークを1個のケーキに串刺しにするケースもあり、もうこれはすでにアートの趣。
→モーゼル川沿いの小さな村で、ティラミスを頼んだら、ドーン。風車のように刺さったフォークが美しい、、、ということにしておいてください。
フォークを刺す理由については、様々な説(主張?)がありますが、ドイツ人の多くはほとんど無意識でやっていて、「なんで?」と尋ねても、大抵が「は?」「刺さってたっけ?」という反応。
そして、なぜフォークを刺すのか?刺さねばならない理由とは?という謎以上に、いつ、誰が、どこで始めたのか?
そもそもドイツ発祥なのか?「ドイツで、フォーク刺し作法を学んだ人が自国に持ち込んだ」のか「実は発祥は別の国でドイツに渡り広まった文化」なのか?
調べれば調べるほど謎は深まっていきました。
そもそも「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」はいつ始まったのか?
私が調べた限りでは、ケーキにフォークを刺す文化が広まったのは2000年代の前半。仕事柄ケーキを撮影する機会が多かったので、しばしば撮影前にケーキからフォークを引き抜かねばならず、時には崩れた断面をフォトショップで直してもらわねばならなかったりしたので、印象深かったのです。
→りんごの層が美しいアップルタルトは、ミュンスターのパティスリーで。ビジュアル系の断面を持つケーキであっても容赦なく横刺し。もちろん引き抜けばりんごが飛び出しケーキは崩れる。
興味のある方は、2000年代〜のドイツ特集などを見返してみてください。
カフェ紹介などの記事に、フォークが刺さったままのケーキや、フォークが目立たないように後に回して撮影されたケーキ、ほんのりフォークの3つ穴が残ったケーキなど、が、見つかるかもしれません。
また、ケーキという存在が、ドイツでここまで一般化したのが1990年代後半以降なので、フォークを刺しはじめたのは2000年以降ではないか、という説も。これは、旧東ドイツの菓子店のオーナーや、西ドイツ出身の60代の方から聞きました。
ケーキが、日曜日だけの特別なものだった時代、自宅で焼いて持ち寄ったり、ケーキ屋さんでいろいろな種類を見繕って、みんなでテーブルを囲んで楽しむような、そんな存在だった時代には、ケーキにフォークを刺すなんて行為はあり得なかったと思う、と。
ということは、ドイツの方もフォークを刺すのは良いことではないと思っているの?
旧東ドイツが発祥?いやプロイセン発祥?
写真を撮る前にケーキからフォークを抜く作業をはじめて、10年ほどたったある日。ミュンヘンのカフェを何軒か回って、そういえばミュンヘンではまだフォークが刺さったケーキを見ていないなあ、と、思い当たったのです。それまでに見かけたミュンヘンのケーキは、ナプキンを折りたたんでケーキの下に敷き、そこにフォークを挟んであったりしたんです!
なるほど、こうすればフォークをケーキに刺さなくてもフォークが固定できる!美しい解決法!
↓
そこで、たまたま出会ったバイエルンのおばさまに「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」について、意見を伺ってみたところ
「ケーキにフォークなんか刺さってたっけ?」
私「いや、ベルリンやドレスデンなどで、けっこう激しく刺さったものも見かけるんですが」
「そんな野蛮な出し方をするのは旧東ドイツの地方だけじゃないの」とのお返事。
な、なんですと?!
フォーク刺しのメッカ、北ドイツの港町、ハンブルク
いや、そんなはずはない。確かにチェコやポーランドなど、東欧で見かけたことはあるが、ドイツでは旧東ドイツの街以外でも見かけたことがある。例えばハンブルクなどでも、と返したら、プロイセン発祥説を上げられてしまいました・・・バイエルンでは存在しない、と。
→フォークが刺されるケーキの形は三角に限らない。ふわふわのビスキュイに包まれたベリーのババロアタルトにもぐっさり。
興味深いのが、ケーキにフォークが刺さっているでしょ?と聞いてみると、多くのドイツ人たちが、そもそもフォークが刺さっていることに気がついていない。
また、大抵の人たちが「こんなやり方をするのは別の地方の人である(プロイセン人、旧東ドイツ人など)」と、ほかの地方や国へと罪をなすりつけること。
実際、ハンブルクは確かに、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」のメッカではあるのですが……。ベルリンに比べても圧倒的に遭遇率が高く、老舗のお店から魚市場構内のカフェバー、若いヒップスターがコーヒーを焙煎しているような店でも、フォークは横からぐっさりと刺さっているのです。
フォーク刺しまだ見たことない!という方は、ぜひ北ドイツの港街、ドイツ第二の大都市ハンブルクへの訪問をお勧めします。
→ハンブルクのカフェにて。ガラスケースの中にある時からフォークが刺さってるし。これは合理的か否か?ケーキの小ささに対して、フォークの安定度の高さよ!かなりチョコ味濃厚でずっしりしたブラウニーなんだろうと想像。
……………
日本でもフォーク刺しが体験できる!?
フォークは垂直にも刺してしまうのか?!
フォークを目の前で刺すドイツ人は、その理由をどう説明するのか?
「何故、なぜドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか」?、
第二弾に続きます!