ドイツの朝食パンはナイフで水平に切る!ブレーツェルと桜とパセリ入りハーブバター
桜の咲き始めたドイツから、leckermaulの在独スタッフYukiさんのお便りが届きました。美味しいパンで始まる1日、豊かな気持ちで過ごせそう!
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日本から遅れること約2週間。ドイツでも各地で桜が咲き始めました。
まだ満開ではないし、花見の宴をする人もいない。
SNSで友人たちのお花見フォトを指をくわえて見ていたのですが、
こちらも負けじとアパートの敷地内に生えている三分咲きくらいの多分桜ではない木を眺めながら朝食を取ることに。
そうと決まれば、近所のベーカリーに走ります。セサミがたっぷりのカイザーゼンメルを買ってきて、カマンベールチーズときゅうりのサンドイッチに。その他プレッツェルとプレッツェル型のクリームデニッシュを入手。
日本でもドイツパンとして知名度の高いプレッツェル、ドイツ語ではブレーツェル(Brezel)、またはラウゲンブレーツェル(Laugenbrezel)といいます。ラウゲンとは焼く前に生地を漬ける苛性ソーダのこと。この液に浸すことでブレーツェル独特の焼き色がつきます。ブレーツェルはパン屋のシンボルでもあり、店によってはドアの取っ手がブレーツェルだったり、看板にブレーツェル模様が入っていたり。ドイツで街のパン屋を訪れる際はぜひチェックしてみてください。
今日こそドイツ全土に広まっているブレーツェルですが、南ドイツ生まれのパンなんです。
このブレーツェルと白ソーセージを甘めのマスタードでいただくのがバイエルンの伝統的な朝食。あまりにオクトーバーフェストっぽすぎるメニューなので、私もバイエルン州に住む友人たちと行ったキャンプで実際にこの朝食を目にするまで、都市伝説だと思っていました。
皆さんパンにバターをつける時はどうしてますか?ドイツパンのような固いパンは食べやすいようにちぎってバターを塗る方も多いのでは。
ドイツの家庭では、パンはナイフで水平に切り、バターやクヴァーク(クリームチーズのようなもの)を塗って、ちぎらずにそのままかじっていただきます。
もちろん、近年はドイツでもビジネスシーンやレストランでは一口大にちぎって口に運ぶことが推奨されていますが、やはり朝食のパンはちぎらずにそのままかぶりつく人が圧倒的に多いのです。
ドイツではアサツキ(Schnittlauchといいます)がバターやクヴァークに混ぜる定番のハーブですが、今回はバターとパセリを混ぜた自家製ハーブバターを塗ってみました。
表面についている岩塩の塩味が強いので、無塩バターでもおいしい。でもコーヒーよりもビールが欲しくなってきました…。
毎朝焼き立てのドイツパンを楽しめるのは、満開の桜を眺めながら飲むお酒と同じくらい、いや、むしろ桜と違って一年中食べられるのだから、より贅沢なことだなぁとしみじみ感じた朝でした。
ちなみにノルトラインヴェストファーレン州の都市、ベートーヴェンの故郷としても有名なボンには、毎年この時期に満開の桜が楽しめる観光名所があります。
ボンの旧市街にある桜並木です。淡い色のソメイヨシノとは違い、濃いピンクで鞠のような形が可愛らしいこの桜は、サトザクラの一種で『アマノガワ』というそうです。
ドイツは3月下旬から4月にかけての天気の予測が難しいので、満開の桜を見ることができるかは運次第ではありますが、春の旅行先の候補に検討してみてはいかがでしょうか。