ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

『ドイツでの年末の過ごし方』

友人宅でのパーティー

『ドイツでの年末の過ごし方』

こんにちは!

ハイデルベルクに留学中の藤井里奈です。2018年も残すところあと1日となりました。今年はサッカーワールドカップがあり、前回王者として挑んだドイツが大敗を期したという苦い記憶もあれば、留学をしていた私にとっては、今までの人生で一番と言っていいほど(毎年そう感じていますが)素敵な出会いと経験に溢れた一年だったと感じています。

気付けばドイツで過ごす年末も今年で3度目。日本の家族とドイツに住んだ経験があるわけでないため、年末は常にドイツ人のホストファミリーや友人の元で過ごしてきました。今回は実際にドイツ人の家庭で過ごした体験をもとに、ドイツ人流年末の過ごし方に迫ってみようと思います。

 

クリスマス(Weihnachten・ヴァイナハテン

留学先Heidelbergのクリスマスマーケット

留学先Heidelbergのクリスマスマーケット



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ドイツ人にとって一年で一番重要で神聖な行事がクリスマスです。日本では、町中に溢れるイルミネーションでクリスマスの訪れを実感しながら、24日のクリスマスイヴには友人や恋人と(KFCの)チキンを食べながら過ごす「何だかよくわからないけどロマンチックなイベント」のようなイメージを抱いている人が多い気がします。

友達と焼いたサンタクロースパン

友達と焼いたサンタクロースパン



駅にも大きなクリスマスツリーが!

駅にも大きなクリスマスツリーが!



 

 

 

 

しかしドイツ人にとってクリスマスはそんな適当なものではありません。まず11月末になると各都市でクリスマスマーケットが開催されます。1393年フランクフルトで生まれたとされるクリスマスマーケットは、当初は厳しい寒さが来る前に日用品を買いそろえるための市場だったそうです。今やクリスマスの雑貨や木製の小物、さらにグリューワインを筆頭としたクリスマスフードが店頭に並ぶようになったドイツのクリスマスマーケットは世界的に有名になり、毎年世界各国からの観光客で溢れています。近年では日本でも日比谷・恵比寿・六本木・横浜を筆頭にクリスマスマーケットが開催されるようになり、私たち日本人にとってもクリスマスマーケットが身近なものになりました。

クリスマスマーケット発祥の地、Frankfurt

クリスマスマーケット発祥の地、Frankfurt



一つ一つがクリスマスのオーナメント!種類が豊富で迷います。

一つ一つがクリスマスのオーナメント!種類が豊富で迷います。



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クリスマスマーケットがオープンすると必ずと言っていいほど地元の人も一度は足を運び、近所の人や友人、あるいは会社の同僚などとクリスマスの訪れを祝います。日本では忘年会が多く開かれるこのシーズン、ドイツではグリューワインを片手に立ちながら一年間を振り返ったりします。

Erfurtのクリスマスマーケット

Erfurtのクリスマスマーケット



他の留学生たちと

他の留学生たちと



お城もライトアップされてロマンチック♪

お城もライトアップされてロマンチック♪



そして12月になると各家庭にはAdventskalender(アドヴェンツカレンダー・12月1日~24日まで毎日一つづつ小窓を開けるとチョコレートなどの小物が入ったカウントダウン用のカレンダー)が飾られ、クリスマスイヴを指折り数えて待ちます。さらに日曜日が訪れるごとにAdventskranz(アドヴェンツクランツ・もみの小枝で作ったリースに4本のろうそくを立てたもの)に一つづつ火を灯します。

Adventskalenderにも色々あり、これは開けると香味料が入っています。

Adventskalenderにも色々な種類があり、これは開けると香味料が入っています。



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Adventskranz



毎週日曜日の朝食時にろうそくに火を点けます。

毎週日曜日の朝食時にろうそくに火を点けます。



 

 

 

 

 

 

驚くべきは24日のイヴ(ドイツ語ではHeiligabend・ハイリヒアーベント)までクリスマスツリーの飾り付けはしないという点です(ツリーは1月6日まで飾られていることが多いです)。24日になると事前に用意していたツリーを飾り付け、プレゼントをツリーの下に置きます。夕食後にそれぞれプレゼントを開けます。

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ちなみに正式な祝日となるのは25~26日で、一部飲食店などを除く町中の全てのお店が閉まります。25・26日は基本的には家族や近くに住む親戚とご飯を食べたり、散歩に行ったり、あるいはコンサートなどに行ったりしてまったりと過ごします。ちなみにドイツではこの2日間に鴨や七面鳥を食べる文化があります。家族が集う場とされている点では、ドイツでのクリスマスは日本でいうお正月のような感覚です。

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参考文献:https://japan.diplo.de/blob/915176/08c761f5af37bad53354a638166276af/flyer-weihnachtend-data.pdf (大阪・神戸 ドイツ連邦共和国 総領事館)

 

大晦日(Silvester・ズィルヴェスター)

神聖なクリスマスが過ぎ去ると町からクリスマスの面影は一気になくなり、冬の寒さも厳しくなるとともに大晦日がやってきます。家族で集まって過ごしたクリスマスとは打って変わって、大晦日は友人や恋人と過ごすことが多いです。1月1日は祝日ということもあり、いつも以上に皆お酒を飲みます。パーティーの形式は人によって様々ですが、食事や飲み物を持ち寄ることが多いように思います。

友人宅でのパーティー

友人宅でのパーティー



見た目が鮮やかなサングリアはパーティーに最適♪

見た目が鮮やかなサングリアはパーティーに最適



 

 

 

 

いざ0時0分になり年が明けると町の至る所で花火をします。打ち上げ花火もあれば日本の線香花火のようなものまで形式は様々ですが、明け方まで花火の音が消えることはありません。花火といえば夏の風物詩というイメージがある日本人の私にとっては、寒さに凍えながら必死の思いで花火をするドイツ人の姿が少し不思議に思えます。クリスマスほどお正月が強い意味を持たないドイツでは、おせちのような伝統的な料理を頂くとか(地域によっては魚の酢漬けを頂くところもあるそうですが)、屠蘇のようなお祝儀のお酒を飲むということもありません。1月2日からはほぼ全てのお店が再びオープンし、いつもの日常に戻ります。

 

線香花火

線香花火



いかにもドイツっぽいパーティープレート

いかにもドイツっぽいパーティープレート



 

 

 

 

ここまで長々とドイツでの年末の過ごし方について述べてきましたが、簡単にまとめると、ドイツ人にとってはクリスマスがお正月くらい意義のあるもの、そしてお正月が日本でいうクリスマスのように「なんとなく飲んで食べて騒ぐイベント」というような感覚のように感じます。

※ここに書いたのはあくまでも私が過ごしてきたドイツ人家庭での話であり、住む地域や宗教が違えば同じイベントといえど全く違った過ごし方もあると思います。全ドイツ国民の話ではない点をご理解ください。

 

ドイツでは既に雪が降っています。

ドイツでは既に雪が降っています。



て、明日は大晦日ですね。日本に住んでいる方はそれぞれの家庭でおせち料理やお年玉、年賀状などの準備に追われていることが多いのではないでしょうか。平成最後の大晦日、素敵な一日をお過ごしください。そしてよいお年をお迎えください。

藤井里奈

 

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム