ドイツ郷土料理図鑑【南ドイツ:スイーツ&ドリンク編】
ドイツの郷土料理図鑑、前回は南ドイツの料理を紹介しました。今回は南ドイツ(地図のピンク色の部分)のスイーツとドリンク編をお届けします。もうすぐ始まるクリスマスマーケットで人気のおやつも登場しますよ!
※地域ブランドとあるのは、EUの地理的表示保護制度により地域特産品として登録商品とされているものです。
シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ Schwarzwälder Kirschtorte
黒い森のさくらんぼケーキという名前のとおり発祥は黒い森地方とされていますが、ドイツじゅうで食べられています。黒い森特産のさくらんぼの蒸留酒キルシュヴァッサー入りクリームとココア入りスポンジ生地、チェリーを組み合わせた大人の味わい。白いクリームと削りチョコレートが黒い森の雪と針葉樹を表しているともいわれています。
ニュルンベルクのレープクーヘン Nürnberger Lebkuchen
レープクーヘンは様々なスパイス(シナモン、コリアンダー、ナツメグなど)入りの焼き菓子でクリスマス菓子の定番。ニュルンベルクの「エリーゼンレープクーヘン」は小麦粉10%以下、ナッツ類を25%以上も使用したリッチな味わい。中央広場にある『レープクーヘン・シュミット』は各地に支店をもつ有名店です。
※地域ブランド
シュネーバル Schneeball
長いひものような生地を丸くまとめて球状の容器に入れて揚げた、ローテンブルクの名物菓子です。粉砂糖がかかったものは名前のとおり「雪の玉」のようでさくさくとした食感。チョコレートがけやナッツをまぶしたものなど様々な種類があります。
シュマルツヌーデル Schmalznudel
南ドイツで人気の平らな揚げパンは砂糖やシナモンをかけて食べるのが定番です。ふわふわもちもちの食感でシンプルながら癖になる味わい。ミュンヘンのヴィクトアリエン市場のそばにある『カフェ・フリッシュフート』は行列ができる有名店です。
ダンプフヌーデル Dampfnudel
小麦粉、バター、卵、イーストなどでできた南ドイツ風蒸しパンは、けしの実やバニラソースをかけて食べるのが定番。クリスマスマーケットでは中華まんのように保温ケースに入れて販売されています。レーゲンスブルクにある喫茶店『ダンプフヌーデル・ウーリ』は歴史ある有名店。
ヴァイスビア Weissbier
ヴァイツェンともよばれる小麦から作られる白ビールは、ほんのりバナナのような風味がありフルーティで爽やかな味わい。500mlの細長くくびれた専用グラスに注がれます。最近はノンアルコールのヴァイスビアも人気です。
へレスビア Hellesbier
南ドイツで一般的に飲まれている明るい色のビール。現地では1リットルのジョッキが通常のサイズです。ミュンヘンのオクトーバーフェストでは有名な『ホーフブロイハウス』ほか地元の6大醸造所が公式ビールとされています。
※バイエルンとミュンヘンのビールは地域ブランド
ラオホビア Rauchbier
煙でいぶした麦芽でつくられる薫製ビールは世界遺産の街バンベルクの名物。見た目は黒ビールのようですが、香りと味わいはドイツビールのなかでも飛びぬけて独特です。
フルーツブランデー Obstbrand
さくらんぼや洋梨、プラムなど黒い森産のフルーツでつくられるリキュール。とくに有名なキルシュヴァッサーは黒い森のケーキなど、お菓子づくりによく使われます。
南ドイツはワイン造りも盛ん。ドイツに13あるワイン生産地域のうち、フランケン、バーデン、ヴュルテンベルクの3つが南ドイツにあります。
フランケン・ワイン
ロケーション:ヴュルツブルクを中心にマイン川流域。
ボックスボイテルと呼ばれる平たく丸い形のボトルが特徴。力強い辛口のジルヴァーナー種のワインで知られています。有名な畑の「シュタインワイン」は文豪ゲーテのお気に入りでした。
バーデン・ワイン
ロケーション:北のタウバー川から南のボーデン湖まで南北400kmにわたる。
ドイツで最も暖かい地域。南部はブルゴーニュの延長とも言われ、ブルグンダー種(ピノ種)の栽培が盛ん。マイルドな酸味の白ワインのほか、赤やロゼワインも造られています。
ヴュルテンベルク・ワイン
ロケーション:シュトゥットガルトを中心にネッカー川とその支流。飛び地としてボーデン湖畔のリンダウ近辺。
バーデン地方と並ぶドイツ最南のワイン生産地域。70%を占める赤ワイン品種はトロリンガーをはじめレンベルガー、シュペートブルグンダーなど多彩。白ワイン品種はリースリングを主に栽培。シュトゥットガルトのワイン醸造博物館ではぶどう栽培2000年の歴史やドイツワインについて学べます。
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