ドイツで学んだ、心にゆとりを持つための工夫
こんにちは。ベルリン在住ライターの久保田由希です。
このYoung Germanyでは、いつもドイツで活躍する日本人の方々をインタビューしていますが、今回は特別にドイツのライフスタイルについて書いてみたいと思います。というのは、最近新しい本を出したんです。
本で書いたのは、ドイツで模索してきたストレスを溜めないライフスタイルについて。もちろん、ドイツにいればストレスがゼロになるわけではないですし、海外にいるからこそ生まれるストレスもあります。ですが、ドイツ生活を通して、心のゆとりの持ち方を少しずつ身につけられた気がするのです。
私は東京からベルリンへやって来ました。どちらも首都で都会ですが、生活のテンポや自然環境は大きく違うと感じました。そもそもこの2都市では人口密度が全く違います(東京23区の人口密度は1平方kmあたり1万4000人以上、ベルリンは約4000人)。人口密度が低いからこそ、ゆったりしたテンポでいられるのかもしれません。
でも私はベルリンで暮らすうちに、一時帰国して東京にいても、比較的ゆったりした気分で過ごせるようになってきたのです。たぶんそれは、私の中でベルリンで得た生活スタイルを、日本にいても保てるようになってきたからではないかなと思います。
ドイツと日本では環境が違いますが、日本でも簡単にできることはあります。
例えば、信号が赤になりそうなときに走らないこと。走らずに青になるのを待ちます。走らないと決めることで早めの行動を心がけるようになります。すると、大げさなようですが人生が変わってくると思います。
ベルリンでは、周囲の人々の歩く速度や動作がゆったりしているなと感じました。それまでの私はとてもせっかちだったのですが、動作をゆっくりにしてみると気持ちもゆったりするのです。セカセカと歩くことで、自らがストレスを生み出していたのだなあと気がつきました。
もうひとつ、日本でも簡単にできることといえば散歩。といってもウィンドウショッピングやお店めぐりではなく、公園など緑のあるところをゆっくりと歩くのです。自然の中を歩くだけで、いつの間にかリラックスしています。散歩中にいいアイデアを思いついたことも何回もあります。散歩効果、本当にすごいですよ。
それから、1日のうちのどこかで、自分にとって「気持ちいい」と思える時間を作るのも効果的。例えば寝る前に好きな音楽を聴いたりとか。私の場合は、朝のコーヒータイム。キッチンの窓際から中庭の木を見ながら朝のコーヒーを飲んでいると、それだけでとても気分がよくなります。「気持ちいいタイム」を持つことは、自分をいい状態に保つために必要だと思います。
ここに書いた生活習慣は、私がベルリン暮らしを通して身につけたもの。ドイツ人のライフスタイルから自然に学んだものです。
もし、こうした内容に興味を持ってくださったなら、私の新しい本を読んでいただけるとうれしいです。
『ドイツ人が教えてくれたストレスを溜めない生き方』 久保田由希著
産業情報センター
https://www.shc.co.jp/book/9339