日欧大工道具事情 ― Walzさんから聞きました
ドイツ総領事館に居候しているリョウちゃんからメールが届いたよ♪
今日の話題は・・・=^_^=
ケーラー総領事が、ちょっと変わった格好の人と会ってる・・・
ミュージシャン!?
と思いきや、ヴァルツ(Walz)のお兄さん!
Walzというのはヨーロッパの一部に昔からある伝統的な修行様式で、ドイツの場合、職業訓練を終えた人が最低3年と1日の間、故郷を離れ(家から半径60km以内は立ち入り禁止)、様々な場所へ修行しながら旅をするんだ。
・独身
・子どもがいない
・前科無し
・借金も無し
等々、Walzをするには色々条件があるんだけど、なんとWalzの修行の出発時には5ユーロしか持っていけなくて、スマホもダメなんだって!
行く先々で修行をしながら、賃金をいただいてそれを旅費や生活費にあてるんだ。
今日来てくれたWalzのラッシュさんは、大工の修行中で、これまでドイツや中国でWalzの修行をしてきたんだ。
Walzにつきものの杖をかっこよくカスタマイズしていて、てっぺんはオオカミの頭、下の部分はオオカミの足!
そういう小さな(!?)ところは、アレンジできるけど、洋服は決まっている。
実は、この洋服にも色々意味があるんだ。
服の色は業種によって異なり、黒色は木材関係の職種の人用。
ベストのボタンの数は1日の労働時間(8個だから8時間)を、
ジャケットのボタンの数は1週間に働く日数(6個だから6日間)を表してて、これは昔からの伝統の服装ニャンだ!
ベルトのバックルや胸元のピンは、彼が所属する大工組合のマークなんだって。
これまでの修行で作成したものの写真を見せてくれたり、日本とヨーロッパの建築様式や道具の違いを教えてくれたニャン。
「日本ののこぎりは引くときに切れるけど、ドイツのは押すときに切れるんですよね?」って聞くと、
「そうだったんだけど、日本ののこぎりが(ドイツに)入ってきてからは、皆そっちを使ってるんだよ」だって!
その他にも、日欧のノミの構造の違いも教えてくれて、ノミも日本の方が長く使えるんだって!
これからは桜の季節。
修行の合間に、日本の自然美も堪能してね!
(22. März 2018)
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