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ドイツ総選挙大詰め!メルケル首相率いるCDUが打ち出す #fedidwgugl ってなんだ?

ドイツ総選挙大詰め!メルケル首相率いるCDUが打ち出す #fedidwgugl ってなんだ?

ビザは持っていても選挙権がない私は、ただの野次馬ではありますが。
個人的にはやはり、旧東ドイツ地区を中心に、票をグイグイと伸ばしている右派ポピュリスト党AfD(ドイツのためのもうひとつの選択)の動きや
このまま続投しそうな流れの、アンゲラ・メルケル首相の政党 CDU (キリスト教民主同盟)の政策や連立の動きは、外国人としてドイツで暮らす自分の今後にも関わってくるので、気になるところです。

plakate_linkedieparteimerkel_ddrmast
ベルリンの街は選挙を前に、政党ポスター花盛り(?)。
ドイツには日本のような「選挙掲示板」がないので、街灯に色とりどりのポスターが上の方までくくりつけられ季節外れのクリスマスツリーさながら。
各政党のポスターデザインからは、アピールしたいセルフイメージが伝わってきて興味深いです。
merkel_schulz

対抗馬のSPDマルティン・シュルツの上で、慈母のように微笑むアンゲラ・メルケル首相の顔に、ドイツ国旗の黒・赤・金をあしらったCDUのポスターには、首相職12年目の余裕が感じられます。(写真をクリックすると大きくなります)
今回のスローガンは
Für ein Deutschland, in dem wir gut und gerne leben.(私たちがよく、喜んで生きられるドイツのために」。
こう書いて見るとやはりドイツ語というのは長い言語であるなあと実感しますね。(日本語の文字数の2倍……)
が!
今回あえてこの長ったらしいドイツ語スローガンを使って、広告戦略を考え出したのが広告代理店、Jung von Matt。
#fedidwgugl」?
フェディドヴググル?何語ですか?
略語です!ドイツによくある、縮めすぎてよくわからない、アレ!

 

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CDUスローガンの単語全ての頭文字を縮めた、あえて理解不能な略語をハッシュタグとして打ち出すことで、目を引くという戦略。
良くも悪くも評判を呼び、私も、ハッシュタグを見かけるたびに「なんだっけあの、フェディなんとか、Für ein Deutschland, in dem wir…」とついスローガンを反芻してしまいます。
そして、CDUはなんと「#fedidwgugl-Haus」まで作ってしまいました。

csd_fidigugl
ファッションウィークの会場などにもなっている巨大なイベントスペースを使ったこの、フェディドヴググル・ハウスは、“世界初の、体験型政策”というふれこみ。
60歳以上の男性というCDUの主たる支持層に、若い世代を入れたいという必死な気持ちが伝わってきます。

ilovem

正直、デザイン的にも企画的にも微妙すぎて、大丈夫か?とツッコミたくなる出来です(涙)

afd_wirmachenselber

さて、ほかの政党で注目を受けたポスターデザインというと、やはりAfD。
妊娠している白人の女性の写真に
「新しいドイツ人?自分たちで作るし」

afd_burkabikini_afd

ドイツの民族衣装を着た女性たちが
「ブルカ?ブルグンダーの方が好きだわ」イスラムの女性がかぶるヴェールを揶揄するようなポスターも。「ブルカ?ビキニの方が好きだな」というバージョンもあり。

「ユーモアをもってイスラムや移民を批判する」というのですが
「Trau dich Deutschland! ドイツよ、自分を信じよ!」というスローガンとの組み合わせは、AfD党内でも行き過ぎだ、と意見が割れ、バイエルンでは違うデザインが採用されたようです。
目に入るたびに不愉快な気分になるこのポスター、掲示されたと同時に目の敵にされ、剥がされたり汚されているのを見かけましたが、
パロディのデザインで、ユーモラスかつビシッと批判したのが
Travestie für Deutschland(ドイツのためのトラベスティ)!

ドラアグクイーンの、ジャッキー=オー・ヴァインハウスらの呼びかけで作られたこのフェイク・政党ポスターは、

「AfDに投票したら、メイクし潰しちゃうから!」と 「Trau dich! Geh`Wählen! 自分を信じて、選挙に行こう!」と呼びかけます。まさにその通り!
自分を信じて、選挙に行こう!
nichtwaehlen_2016
ドイツも選挙に行かない人は増えているそうですが、その「選挙に行かない」人たちの心をつかもうと企む政党も。。。
長くなってきたので、今回はこの辺で!
次回は、選挙前に流行するあの遊び(?)をご紹介します!乞うご期待!

河内 秀子

東京都出身。2000年からベルリン在住。2003年、ベルリン美術大学在学中からライター、コーディネーターとして活動。雑誌『Pen』『derdiedas 』などでもベルリンやドイツの情報を発信させて頂いています。
趣味は漫画と東ドイツとフォークが刺さったケーキの写真収集、食べ歩き。蚤の市やマンホール、コンクリ建築も大好物。
Twitterで『#日々是独日』ドイツの風景を1日1枚、アップしています。@berlinbau

河内 秀子