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バイエルンに行ってすぐ日本に帰ってきた

バイエルンに行ってすぐ日本に帰ってきた

どうも。アイスを食べるおじさんをずっと見ていたら、1スクープもらったBonn留学中の石川です。

学期もとっくに終わり、夏休み。この間日本に帰ってきました。帰ってくる前に...南北ドイツ問題を投稿してしばらく経ったこの頃、旅行でミュンヘンと避暑地で有名な湖、キームゼーに行ってきました。



実はミュンヘンに行く前、バイエルン州北部のヴュルツブルクにも行ったんですが、「バイエルンに行ったよ」とみんなに言ったら総攻撃を食らった過去がありました...

バイエルン州は今でこそ1つの州ですが、「バイエルン」「フランケン」という勢力と今のバーデン=ヴュルテンベルク州の地方の一部も含んでいるのですごい複雑な構成です。日本でいうと神戸とか丹波とか淡路とかで色々とバラバラな兵庫県みたいな感じかなと思います。

先日行ったミュンヘンはバイエルンの中心都市。ヴュルツブルクはフランケンの中心都市の1つなので、同じ州だからと言って「バイエルン」と言うとほぼ百発百中で訂正されます。そのせいで私は今でもそのことをいじられる羽目に...

すごい細かいんですけど、ドイツにはそういう地域性の強さがまだすごくて、なんか気を使います汗

肝心のミュンヘンは落ち着いていて楽しめる街でした。ドイツを代表する観光都市なので外国人が多かったのもびっくり。ちょっと離れた田舎のキームゼーにもたくさん外国人が来ていました。南西ドイツはほとんどドイツ人やフランス人のおじいちゃんおばあちゃんと観光していたので珍しい。



やっぱりミュンヘンの市庁舎はドイツでもトップクラスの荘厳さ。そして街全体がドイツの他の街よりも清潔。教会や美術館もたくさんありました。こんなところで暮らせたらもっと性格良くなっていたかな...と。

ミュンヘンの地下鉄車両はICEを作ったアレクサンダー・ノイマイスター氏がデザインしたんですが、彼はその後に東京メトロの10000系と福岡市地下鉄の3000系をデザインしたので、東京や福岡在住の方はミュンヘンにちょっと親しみを覚えるんじゃないかと思います。





キームゼーは落ち着いていて中央の島にはヘレンキームゼー城というこれまた豪華なお城が。



このお城、ノイシュヴァンシュタイン城を建てたことで有名なバイエルン王ルートヴィヒ2世が最後に建設した城でした。城オタクで有名だったルートヴィヒ2世。フランス王ルイ14世を敬愛していたらしく、かのヴェルサイユ宮殿を真似て豪華なシャンデリアが多数使用された鏡の間や、城の周囲の庭園も再現されていました。



この城、建設中に1週間ほどだけ住んでいたルートヴィヒ2世が謎の水死を遂げたことで、建設が中断された状態で現存しています。そのせいで今でも未完成の部分が残されています(もう一つの日常的に使う玄関など...)

ルートヴィヒ2世は数回映画化されたし、ドイツではフリードリヒ2世と並ぶ有名な王様です。個人的には少し影のある風貌と美青年との恋愛など、お姉さま方面の同人誌に出てきそうな要素大量だと思います。実際にルートヴィヒ2世主人公の商業誌を日本で見かけました...

城も綺麗でしたし、何より爽やかなドイツの田園風景が広がっていました。

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そしてミュンヘンに来た目的の一つはオクトーバーフェストに参加する用の南ドイツの民族衣装、レーダーホーゼ(Lederhose)とシャツを買うことでした。ドイツ人のステレオタイプの「ビールジョッキ片手に踊る民族衣装を着た男女」で大体男が着ているものです。ちなみに女性はディアンドル(Dirndl)というちょっとセクシーな格好です。

というわけでネットで見たお店に照れながら直行。ミュンヘンの中心地から少し離れたお店。残念ながら撮影禁止でした。ミュンヘンはほとんどのお店で英語対応ができます。

お店の人にレーダーホーゼンが欲しいと伝えたら、「うちには3種類あるけどどれがいい?セットにもできるよ」と親切に教えてくれました。レーダーホーゼン自体は民族服(Tracht)なので、地域によって刺繍やスタイルに差があります。ちなみにミュンヘンでは半ズボン、ヴュルツブルクでは7分丈の長さが基本みたいです。他にも色々な柄があったりして、隣の値札を見たら1400ユーロ。超高級品でした。



色々勧められたのを試着。ドイツ人の胴長に合わず、大人用を無理やり着ている子供みたいに。それでも何とか模索した結果、オーバーバイエルン系統のレーダーホーゼを購入。伝統柄のシャツと靴下のセットで129ユーロ。部屋で着て、果敢にも街中を歩いてみました。何となく「これって近所(鎌倉)のお店で外国人観光客が浴衣を買ってはしゃいでいた光景と全く同じなんじゃ?」とも思いましたが、今の私は観光客。気にせず楽しみました。

ミュンヘンはそれにしてもディアンドルやレーダーホーゼンを着た男女がたくさんいました。店員の人やコスプレではなく、普通の人が着て地下鉄に乗っていたりもしたのがミュンヘンに来て一番驚いたことです。これらの民族衣装は一応は正装なので、公式な行事にも着ていけるそうです。本当に着物みたいですね。

他にも帽子(Gamsbart)とかベストや靴なんかもあって初めてきちんとした格好になるわけですが、お金と荷物の重量制限に引っかかりそうだったので諦め。今度ドイツに戻ってきたら買ってみます。

ザールラントのMerzigという町。ここにきたのは日本人初だと思います。

ザールラントのMerzigという町。ここにきたのは日本人初だと思います。



というわけで1年間ドイツで色々格闘したりベタベタな関係になったりと恥ずかしい姿を何回もお見せしてしまいましたが、私も留学を終え、無事日本に帰ってこられました。これから卒論とか書きます。ドイツに来て色々勉強できたと思います。その色々はここでは書ききれないので、過去の私の記事を見てください。でもやっぱり一番は、その国の地元、ローカルな社会に入り込めるようになれたことですね。

今度の横浜のオクトーバーフェストにいらっしゃった際、かぶれな格好をしている人を見かけたら私と思ってください。どうなるかわかりませんが、とりあえず今はドイツの友達と話してみます。

29. August 2017 石川輝

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム