ベルリン風カリーヴルスト(カレーソーセージ)
ベルリンの人にとって、スパイシーなケチャップをかけたカリーヴルストは、単なるファストフード以上のもの。
カリーヴルストは、生き抜くためのソウル・フードであり、伝統であり、郷土の名物なのです。
カリーヴルストの食べ方は、小型の丸パンまたはフライドポテトを添えたり、マヨネーズをつけたり、またはシンプルに何もつけずに、さらに皮つき、皮なし、カットしたもの、カットしていないものと、様々です。
カリーヴルストは、戦後ベルリンで考案されました。このほか、ハンブルクやルール地方の都市が起源だという説がありましたが、ベルリン起源説が優勢です。
カリーヴルストの基本材料は、加熱加工ソーセージをグリルしたもので、ソーセージの原材料は、豚肉を主体に牛肉または仔牛肉が加わります。
ソースの材料は、ケチャップ、カレーパウダーですが、このカレーパウダーに入れるスパイスに関して、人気のソーセージスタンドは、それぞれ秘密のレシピを持っているのです。
カリーヴルストはベルリンで出世し、カリーヴルスト博物館まで建てられました。
チェックポイント・チャーリーからほど近い「ミッテ地区」にある博物館に行けば、カリーヴルストについて知るだけでなく、博物館直営のスタンドで試食もできます。
推定では、ドイツでは年間約8億食のカリーヴルストが食され、そのうちベルリンだけでも7000万食が消費されています。
※カリーヴルスト博物館は2018年12月に惜しまれつつも閉鎖されました(2019年1月追記)。
カリーヴルスト用のソースを作ってみたい人のための、ホームメイドソースのレシピ
材料(約600ml分/ソーセージ6-8本分):
オリーブオイル | 大さじ5 |
カイエンペッパー | 大さじ1(すり切り) |
トマトペースト(チューブ) | 大さじ2 |
オレンジの皮細切り (レモンも可) | 小さじ2 |
エシャロット(みじん切り) | 1個 |
八角 | 2かけ |
ニンニク(みじん切り) | 1片 |
カルダモン | 数粒 |
カレーパウダー(マドラス) | 大さじ1‐2 |
顆粒スープの素 | 小さじ1‐2 |
ブラッドオレンジジュース | 150ml |
ケチャップ | 150ml |
塩・コショウ | 少々 |
作り方
ソースパン(または小鍋)を弱火にかけ、オリーブオイルを入れる。エシャロットとニンニクを弱火で2分いためる。
トマトペーストを入れてさらに3分中火にかけ、時々かき混ぜる。
カレーパウダーを加え、さらに2分焦がさないように加熱する。
最後にオレンジの皮のせん切り(またはすりおろし)を加える。
八角とカルダモンを、岩塩と一緒に乳鉢で粗く砕いて入れる。
オレンジジュースを加え、顆粒スープの素を混ぜ入れたらケチャップを加え、ふたをしてゆっくり煮立たせる。
火を止めて、30分間なじませる。好みにより、この時薄く切った生姜を一枚入れる。
味をととのえる:
塩・コショウ少々、好みでカレーパウダーまたはカレーペーストを加え、味を整える。ソースの濃さを調節する場合は、水100mlから300mlを加える。漉し器をとおしてエシャロットやニンニクを取り除くか、ミキサーでなめらかにして、器に移しておく。
ソーセージを焼く:
ソーセージとして適しているのは、加熱加工したソーセージで、原材料は豚肉を中心に、牛肉または仔牛肉を加えたもの。ソーセージは、ソースをなじませる間にゆっくりと焼くかグリルする。
カレーのバリエーション:
カレー粉は、好みと量で多くのバリエーションがある。カレーペースト(イエロー、レッド、タイ風など)も利用できる。あまり辛くないソースが好きな場合は、マイルドなカレーを使い、辛さが欲しい場合はトウガラシを加える。
材料の生産地(こだわりたい人向け):
伝統を重んじるグルメがこだわるのが、ヴェルダー・アン・デア・ハ-ヴェル産のケチャップと、テューリンゲン産のソーセージ。
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